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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第二章 弱体化
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169/347

#153 本当

次の日、午前十一時

マル食品羽町工場付近の山にて……


「ねぇ林、ここまでして隠れる必要あるの?」


そう言ったのは冨沢だった。今林班は羽町工場の正門付近の山に隠れていた。林班の仕事は、作戦開始の午後三時まで警察官が来ないか見張ることだった


「仕方ないだろ。正門の前に立ってたら奴等にバレるだろ。それにこの班はまだ良い方なんだ。我慢しな」


林の声が草むらからした。その時林は完全に草むらの中に隠れていた。なので冨沢から林の姿が見えなかった


「林二佐!こちらにパトカーが来てます!」


そう言ったのは小牧だった。小牧はここに来た午前八時からずっと木に登って回りを見ていたのだ。なので林班の誰よりも早く気付くことができるのだ


「分かった。警察官が敷地内に入ったら正門まで移動するよ。中鈴は他の班に伝えておいて」


「了解です」


中鈴はそう言うと無線機を取り出した


「まだバレてないかな?作戦のこと」


「さあね。どちらにせよ今から逃げることはできないよ」



現在、このマル食品羽町工場はゾンビ対策官に周囲を囲まれていた。なので山から逃げようとしてもすぐに隠れている対策官に捕まってしまう。そういう意味で藍卯は午前八時から対策官を配置させたのかも知れない


「林二佐!警察官は二名です!」


「分かった。そろそろ正門に移動しようか」


林はそう言うと草むらから出た。長い間草むらに隠れていたため林の体には草や土がついていた……




マル食品羽町工場敷地内……


この工場の敷地内にはゾンビの肉片があちらこちらに落ちていたといってもその肉片はかなり小さく、ゾンビ対策官が取れずに諦めたものだった。そんな肉片を警察官である二人は気になっていた


「どこから調べますか?」


そう言ったのは戸田という警察官だった。すると戸田と一緒にこの工場に来ていた青池という警察官がこう言った


「とりあえず建物内から調べちゃいましょ」


青池はそう言うと近くの建物に入ろうとした。しかし建物に入る前に青池と戸田は誰かからこう言われた


「君たち、そこに入っては駄目だ」


そう言ったのは30歳くらいの警備の男性だった。その人は入ってはいけないと言うが、ゾンビに関する特殊な法律があった。なので戸田はその男性にこう言った


「ゾンビ対策法に書いてあるゾンビ関係の事件は令状なしで捜査できる。これを使うので中に入りますね」


戸田はそう言うと建物の扉を開けようとした


「そうか……」


警備の男はボソッと言うと警棒を取り出した。そしてその警棒で戸田を殴ろうとした


「危ない!」


警備員が戸田の事を殴ろうとしていたことに気づいた青池はとっさの判断で警備員を蹴り倒した。警備員は青池に蹴られたことで地面に倒れてしまった


「戸田、いまよ」


青池はそう言うと建物の扉を開けた。戸田は警備員には悪いと思いながらも建物の中に入った。そして青池も戸田のあとを追うように建物に入った


「イテテテッ!」


青池に蹴り倒された警備の男は立ち上がると無線機をとった。そしてこう言った


「警察が例の建物に入った。応援を求む」


そう言うと無線機をしまい、代わりにポケットから短剣を取り出した


ガサッ!


突然後ろからそんな音がした。なので急いで後ろを見るとそこには剣を持っている男性がいた


「織部、大丈夫か?」


「伊中か。俺は大丈夫だ。それより警察官入ってきたが作戦は大丈夫なのか?」


「大丈夫だ。俺が上手く立ち回るから」


伊中はそう言うと戸田と青池の入っていった建物に入ろうとした。するとそんな伊中に織部はこう言った


「それよりお前、この作戦が終わったら辞めるのか?潜入捜査官を……」


織部がそう言うと伊中は足を止めた。そして振り返るとこう言った


「俺はこの作戦が終わったら潜入捜査官を辞める。顔バレしてるだろうしな」


「本当にいいのか?」


「あぁ、潜入捜査については織部達に任せるよ。潜入捜査官辞めたら次は本当の研究官になろうかな」


伊中はそう言うと剣を持って建物の中に入っていった。伊中俊はこの作戦が終わると共に潜入捜査官を辞める。織部は伊中が抜けても他の潜入捜査官がちゃんと機能するか心配だった。しかし今はそんなことを長々と考えている暇はなかった


「何がともあれ俺も潜入捜査官だ。やることはやるぞ」


織部はボソッとそう言うと正門に向かって歩き出した。織部の出来ることはこれでおしまい。あとは伊中にかかっていた



マル食品羽町工場正門……


そこには林班と連絡を受け移動してきた伊東班が待機していた。もう少しすれば有川班や笛中班、染井班も来るだろう。そう思っていたとき誰かが正門から出てくるのが見えた。それに気がついた林は冨沢を連れてその男性に話しかけた


「すみませんが少し宜しいですか?宜しくなければ強制的に連れていきますが」


林は対策手帳を見せながらそう言った。すると織部は突然走り出した。それに気がついた林と冨沢は慌てて追いかけ始めた。しかし織部の方が足が速かったため追い付けなかった


「林、ちょっとどいて!」


冨沢はそう言うと拳銃を取り出し、立ち止まった。そして逃げ出した男に向けて数発撃った。しかし当たらなかったらしく男はそのまま逃げていってしまった


「逃がしたか」


「ヤバイな。アイツ絶対エース達の仲間だろ」


冨沢はそう言うと拳銃をしまった


「多分例の奴等だろうな。とりあえず戻ろうか。そろそろ宇土司令も来てるだろうし」


林はそう言うと走って工場の正門へと戻っていった。そのころ羽町工場から走って逃げ出したゾンビ殲滅局の潜入捜査官、織部竹平の右腕からは血が流れ出ていた……




織部竹平(おりべたけひ)


潜入捜査官


武器……短剣

拳銃

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