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僕らはゾンビ対策官  作者: ソーダ
第二章 弱体化
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#107 確保

ゾンビ殲滅局東京本部、一階男性トイレ……


「申し訳ございません。対策5の蒔村という研究員を殺りそこねました」


そう言ったのは中島だった。そして中島の近くにはフードを被っている人がいた。その人は蒔村を殺りそこねたことを知ると拳銃を取り出した。そして銃口を中島に向けた。


「何を?」


中島は銃口を向けられるとそう言った。するとその人は拳銃を持ったままこう言った。


「何ってお前を殺すんだよ。お前は殺りそこね、ターゲットに顔を見られた。その時点でお前は死んだも同然なんだよ」


そう言うとフードを被っている人は引き金を引いた。するとその弾は中島の腕に当たった。


「と、いっても今お前を殺るのも勿体ない。一週間以内にあの女を殺せ。そしたら命は取らないでやる」


フードを被っている人はそう言うとトイレから出て行ってしまった。中島はその人が立ち去ると立ち上がった。そして止血をしてからトイレから出ていった。そしてすぐに屋上へと走り出した。いま中島の殺りそこねた蒔村はいま救急車で運ばれようとしていた。なので屋上から運ばれる蒔村を撃ち抜こうと考えたのだ。



東京本部、屋上……


バンッ!


中島は屋上への扉を開けた。すると屋上には一人の男性が立っていた。その男は対策5の研究員らしく白衣を着ていた。するとその男性は中島の方を見るとこう言った。


「待っていたよ。中島愁月ゾンビ対策士長」


そう言われると中島はドキッとした。しかしこの時点ではまだ自分がスパイとしてゾンビ殲滅局に来ているとはバレていないと思っていた。しかし研究員は中島に続けてこう言った。


「それともキングと呼ぶべきか?」


中島はそう言われると完全にバレていると気がついた。しかしそれを知っているのは、その研究員一人だけ。なのでこの場で殺そうと拳銃を取り出した。



バシュッ!


突然、発砲音が聞こえると中島の拳銃が手から落ちた。


「誰だ?」


中島はそう言うと発砲音の聞こえた横を見た。するとそこには拳銃を持っている冨沢がいた。


「残念だよ。これからも仲良くできると思ってたのに…… まさかお前が奴等のボスだとはな」


冨沢はそう言うと拳銃を中島に向けた。すると中島はこう言った。


「なに言ってるんだ?俺はボスじゃない。それにまだここで終わるわけにはいかない!」


中島はそう言うと床に落とした拳銃を拾おうとした。すると一発の銃声が聞こえると床に落ちていた拳銃が遠くに滑っていってしまった。


「動くな。動いたら今度は体を撃つぞ」


「伊中!絶対に殺すなよ」


「もちろん殺しはしない……」


伊中はそう言うと拳銃を中島に向けたまま近付いていった。すると中島は伊中にこう言った。


「お前スパイだったのか……」


すると伊中は中島にこう答えた。


「さあな。お前には関係ないことだ」


伊中はそう言うと冨沢を見た。すると冨沢が屋上に潜んでいる殲滅局職員に向かってこう言った。


「キングを捕まえろ!」


冨沢がそう言うと屋上に潜んでいた司令官や対策官が飛び出した。そして中島に向かって走り出した。すると中島は懐から短剣を取り出した。


「そう簡単に捕まってたまるか。一人でも殺してやる」


中島はそう言うと短剣を振った。そんな中島を見ると職員は少し戸惑った。


パンッ!


突然、一発の銃声がした。すると中島は腕から血を流して剣を落としてしまった。するとそれをチャンスと思った職員達は一斉に中島に飛びかかった。



「キング確保成功だな」


そう言ったのは宇土だった。今回のキング確保作戦には宇土司令部隊も現場に出ていた。なので部下達はさっきの銃声の直後に飛び出していったのだった。


「宇土!捕まえたけどどうする?」


そう言ったのは米田だった。米田は暴れる中島を押さえていた。


「とりあえず手錠をかけろ。そしたらとりあえず取調室に連れていく」


「分かった」


米田はそう言うと手錠を取り出した。そして中島の手に手錠をかけた。その間も中島は暴れていたが数人の対策官、司令官に押さえられていたので無抵抗に終わった。


「あの拳銃はどいつが……」


中島はそう言うと銃声のした方を見た。するとそこには林と小牧がいた。二人は第六回東京地下処理作戦に参加していたので、キング確保作戦があることなど知らなかった。なので対策2専用室に戻ったとき近くにいた小橋から作戦のことを聞くと、驚いてすぐにやって来たのだった。


「中島は自分の班で取調室まで連れていきます。他の人は戻っていいよ」


林がそう言うと米田達は中島から離れた。すると林は中島に近付くとこう言った。


「残念だよ。君がまさかスパイだったとはね」


林がそう言うと中島はこう言い返した。


「なに言ってるんだ。まだ俺の仲間が助けにくるに決まって……」


そう言っている途中だった。突然中島は頭から血を吹き出すと倒れてしまった。


「狙撃だ!しゃがめ!」


宇土がそう言うと屋上にいた全員がしゃがんだ。しかしそれ以降、屋上に向けて弾丸が飛んでくることはなかった。その代わりに屋上には冷たくなったキングが倒れていた……





米田圭よねだけい


(通常)司令官


武器……拳銃

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