表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
99/100

「ここは私のものですと言うなつってんだろ ――好きとは言いません。でも、ここは私のものです」

ここが好きか聞かれました。

好きとは言いませんでした。

別の言葉を、言いました。


 今日の罠は、ガレンさん向けです。


 第一罠(ファーストトラップ)は筋力で押し返すほど重くなる反発壁(リバウンドウォール)

 第二罠(セカンドトラップ)は踏むほど沈む負荷床(ウェイトフロア)

 第三罠(サードトラップ)は、ガルルとの接触を防ぐ分断線(セパレートライン)


 最後の対策が、一番重要です。

 今日の罠には自信があります。


 ═══════════════════════════

 ダンジョン配信中(登録者:462)

 女神様「今日は、マスターが何を言うか見ています」

 剣士「ガレン回だ」

 杖つかい「筋肉で全部壊す予感」

 査定員「分断線に期待します」

 ═══════════════════════════


 ガレンさんは、普通に来ました。


「よっ、DM!」


「DM呼びは保留です」


 ガレンさんは第一罠(ファーストトラップ)に入った。

 反発壁が押し返す。

 ガレンさんは押し返した。


「いい負荷だ!」


トラップは負荷ではありません」


 第二罠(セカンドトラップ)の負荷床が沈む。

 ガレンさんは腰を落とした。


「足腰に効く!いい鍛錬になる!!」


「だから筋トレ器具ではありません」


 第三罠(サードトラップ)の分断線が光った。

 ガルルは、線の前で止まった。

 ガレンさんも止まった。


「ガルル、今日はダメか......」


 ガルルが礼をした。


 ガレンさんは笑った。

 けれど、今日は突破しなかった。


「今日は攻略しに来たんじゃない。見に来た」


「観光でしたか」


「違う。ここのDMが、ちゃんとここにいるか」


「......私は、ここにいます」


「知ってる。もうここを突破しようとは思わない」


「攻略放棄ですか」


「違う。ここのDMがここを好きなのがわかる」


「好きではありません」


 即答でした。


 シア様が、横で小さく笑った。


「そうですか〜?」


 スライムAがぷるぷるした。

 スライムBもぷるぷるした。

 ガルルが胸に手を当てた。

 ドラゴンウォームが天井から落ちて、床でぱたぱたした。


「全員、何か言いたそうにしないでください」


 ガレンさんは笑った。


「好きって言わなくてもいいんじゃないか。別の言葉で言えばいい」


 私は、コートを見下ろした。

 そこには、何度も書いて、何度も消そうとして、結局消せなかった言葉がある。


 ここは、私のものです。


「ここは」


「うん」


「......私のものです」


 通路が静かになった。

 シア様だけが、私の隣に立った。

 肩が触れる距離だった。


「聞きました」


「配信中です」


「知っていますよ〜」


 コートに文字が浮いた。


【ここは私のものです】

【消した跡なし】

【シア様:隣】

【肩:接触】

【心拍:記録しない(二回目)】


 感謝するなつってんだろ。ここは私のものです。

 だから勝手にぱちぱち拍手してんじゃねえぞてめえらあああああああああああ! 天井ドラゴンも落ちるなあああ!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ