「好きと言うな」
好きと言われてしまいました。
設計の話だそうです。
たぶん。
今日の罠は、ベルネさん対応の非対称迷路罠です。左は火炎、右は落下、中央は何もないように見えて戻れない。
スライムBが、なぜか入口近くにいました。
今日の罠には自信があります。
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ダンジョン配信中(登録者:91)
女神様「今日は同業者さんですね」
罠職人見習い「ベルネ回だ」
剣士「スライムB待機してる」
杖つかい「ベルネ専用?」
女神様「マスターは否定するでしょうね」
査定員「否定しても記録は残ります」
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ベルネさんは、入口で腕を組みました。
「また来たわよ」
「また来ないでください」
「うるさいわね。今日は設計だけ見に来たの」
「攻略してください」
第一通路。左の火炎罠が発動しました。
ベルネさんは、火炎の出力を見て鼻で笑いました。
「出力を落として、壁の反射で圧を上げてる。腹立つけど、うまいわね」
「腹立たないでください」
右通路。落下床が開きます。
ベルネさんは踏みません。
「ここは踏ませる罠じゃなくて、踏まないことで中央へ誘導する罠でしょ」
「読まないでください」
中央通路。
何もないように見えて、進むほど入口へ戻る微傾斜が入っています。
ベルネさんは三歩で気づきました。
「......うわ。性格悪い」
「設計です」
「設計者の性格が出てる」
「出していません」
スライムBが、ベルネさんの足元に来ました。
ぷるぷる。
「またお前か」
「スライムBです」
「名前みたいに言うんじゃないわよ」
「暫定識別番号です」
スライムBがぷるぷるしました。
ベルネさんは、なぜか少しだけ目をそらしました。
「......わたし、好きよ」
三秒。
「設計が!! 設計だけが!! 勘違いしないで!!」
「......ありがとうございます」
条件反射でした。
ベルネさんが固まりました。
スライムBがぷるぷるしました。
「......スライムBもベルネさんが好きみたいです」
「意味がわからない!! 違う!! 好きってそういう意味じゃない!!」
「私もそういう意味では受け取っていません」
「ならその顔やめなさいよ!!」
「どの顔ですか」
「困ってる顔!!」
「困っています」
私はコートに書きました。
【ベルネ:設計は好き】
【管理者は好きではないらしい】
【スライムB:ベルネ好き疑惑】
【好きの定義:荒れる】
【くそ、設計の話で照れるな】
―――
シア様は、今日は少しだけコメント欄を見る時間が長かったです。
「人気ですね〜」
「設計がです」
「そうですか〜」
「そうです」
「スライムBも、そう思っていますかね〜?」
「スライムBの意思については保留です」
シア様のニヤニヤは薄かった。私はベルネさんとスライムBの距離を測っていたので、気づきませんでした。
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ダンジョン配信中(登録者:95)
罠職人見習い「好きって言った」
剣士「設計が、だろ」
杖つかい「スライムBも照れてる?」
査定員「設計評価として記録します」
配信者英雄「切り抜きタイトル決まった」
女神様「マスターの名前は入れないでくださいね」
配信者英雄「匿名DMの設計が好き、で」
女神様「それなら、まあ」
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それなら、まあ、ではありません。
切り抜くな。
感謝するなつってんだろ。好きというのは設計の話です。たぶん。スライムBもたぶんそうです。うがあああああああああ!! 好きとか言うなああああ!! 設計だけでも照れるなああああ!! 切り抜きにするんじゃねええええええ!!
【今回の登場キャラクター紹介】
■ベルネ
ライバルDM。設計への評価がとうとう「好き」まで進んだ。
■スライムB
ベルネの足元でぷるぷるし、好き疑惑を増やした。
■シアラ
配信上では名前を伏せ、匿名DMのまま扱っている。
【今回のズレパターン解説】
回避型。ベルネが罠を読み切ったうえで設計を「好き」と言い、スライムBまで反応しました。
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【今話のダンジョンデータ】
ダンジョンランキング :18880位 → 17000位
配信視聴者数 :91名 → 95名
本日の用途 :設計評価会場兼切り抜き素材
コートのメモ(今話) :「ベルネ:設計は好き。スライムB:好き疑惑。切り抜き禁止」
【モンスター管理状況】
スライムB:在籍36日目 稼働率0%(ベルネの足元でぷるぷる)
スライムA:在籍38日目 稼働率0%(遠巻きに観察)
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