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「批評するなつってんだろ(二回目)」

批評されました。二回目です。

ランキング上昇を確認しに来たそうです。

感謝されてしまいました。


 今日も感謝されてしまいました。


 第三章の締めにふさわしく、ベルネさんが来ました。

 ふさわしいかどうかは、私が決めたわけではありません。

 勝手に来ました。


 今日の罠には自信があります。


═══════════════════════════

ダンジョン配信中(登録者:1)

女神様「締めですね❤」

═══════════════════════════


「確認しに来たわ」


 ベルネさんは、入口で腕を組んでいました。

 前回より、明らかに目つきが鋭いです。


「何をでしょうか」

「あなたのダンジョン、なんでランク上がってるの」

「私にもわかりません」

「そこで堂々と言わないで」


 ベルネさんはギルドの順位表(じゅんいひょう)を広げました。

 そこには、確かにこの廃ダンジョン(はいダンジョン)の名前がありました。


【感謝するなダンジョン】

【64810位】


「通称が登録されています」

「正式名ではないです」

「でも登録されてるわ」

「困ります」


 今日の罠は、錯覚壁(さっかくへき)です。

 壁が微妙に動き、進路を見誤らせる設計。

 ベルネさんのような同業者には効きにくいですが、今回は角度を調整しました。


 ベルネさんは一歩進み、壁を見ました。


「……この壁、ズレてるわ」

「はい」

「ズレてるのに、誘導として成立してる」

「そうみたいです」

「意味がわからない!!」


 声が、また一段上がりました。


 錯覚壁が起動します。

 本来なら、ベルネさんを右へ誘導する予定でした。


 しかし三パーセントのズレにより、ベルネさんではなく、ベルネさんの持っていた批評メモだけが右へ滑りました。

 メモは床を滑り、私の足元に到着しました。


 開いたページには、こう書かれています。


【腹立つ点】

【でも参考になる点】

【認めたくない点】

【次回教える点】


「……見ないで!!」

「見えてしまいました」

「返しなさい!」

「次回教える点、とは」

「改善されてなかったら教えてあげるって意味よ!」

「それは、また来るという意味でしょうか」

「……そうよ!」


 来るそうです。


「感謝じゃないわ。確認よ」

「確認も困ります」

「批評よ」

「もっと困ります」

「でも、このダンジョンが上がってる理由、少しだけわかったわ」

「本当ですか」

「わからないことが多すぎて、確認したくなるのよ!!」

「それは理由でしょうか」

「理由よ! 腹立つけど!」


 シア様は、いつもの段差で頬杖をついていました。


「また来るんですね〜」

「あなたに言われると腹が立つわ」

「そうですか〜」

「そうよ!ニヤニヤ女神!!」


 シアラのニヤニヤが、少し薄かった。ハルカは気づかなかった。


 ベルネさんは批評メモを奪い返しました。


「次までに、もう少しまともにしておきなさい」

「改善はします」

「ならよし」

「ですが、感謝はいただかなくて大丈夫です」

「感謝してないわ!!」


【撃退成功 / 批評メモ流出:一件 / 再来予告:確定】


 私はコートに書きました。


【ベルネ:確認=批評】

【批評メモ:腹立つ点/参考になる点】

【再来確定】

【断り方:未設計】


 改善の余地があります。


 だから感謝するなつってんだろ。確認は批評です。



【今回の登場キャラクター紹介】

・ベルネ:ライバルDM(ダンジョンマスター)。意味がわからない段階が確立しました。

・ハルカ:批評メモを見てしまいました。

・シアラ:また来る人を見ています。


【今回のズレパターン解説】

誤解型。ランキング確認のはずが、批評と再来予告に変わりました。


═══════════════════════════

【今話のダンジョンデータ】

 ダンジョンランキング(だんじょんらんきんぐ) :64810位 → 64780位

 配信視聴者数      :9名 → 10名

 本日の用途       :批評確認会場

 コートのメモ(今話)  :「ベルネ再来確定/批評メモ流出/断り方未設計」

═══════════════════════════


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