「Lv15と言うな」
ガレンさんがLv15で来ました。
全部の罠をかわして、出口の前で帰りました。
今日も、感謝されてしまいました。
ガレンさんが来ると言っていました。
もうLv15だそうです。
今日は対ガレン専用設計にしました。
コートの右袖に対応策が三列。
足元、壁、天井。
全部、見ています。
今日の罠には自信があります。
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ダンジョン配信中(登録者:3)
女神様「Lv15ですね〜❤」
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ガレンさんが来ました。
Lv15。
前回と、動きが違います。
立っているだけで、筋肉に「成長しました」と書いてある感じです。
「Lv15になったぞ! 宣言通り来た!」
「おめでとうございます」
「今日は突破する!」
「できれば、しないでください」
第一罠。
落下床。
ガレンさんは、踏む直前に止まりました。
そして、床板のわずかな沈みを見て、横へ跳びました。
落下床は、誰もいない場所で開きました。
「......かわした」
「跳んだ。前より動体視野が広い。Lv15だから」
「......なるほど」
第二罠。
火炎柱。
ガレンさんは壁を蹴りました。
火炎が立ち上がる前に、上へ跳びます。
火の上を越えました。
「......跳び越えた」
「Lv15だから」
「......そうですか」
第三罠。
感知糸連動の落下壁。
ガレンさんは、糸の手前で止まりました。
目を細めます。
「見える」
「......見えていますね」
「Lv15だから。何でも見える」
何でもは見えないと思います。言い過ぎです。
現に、私の困惑っぷりは見えていません。
最終手段、連携罠フルセットを作動させました。
落下床。
火炎柱。
横壁。
天井板。
床下からの拘束鎖。
あちゃー。全部、かわされました。
ガレンさんは出口の手前まで来ました。
本当に、出口の前です。
私は、息を止めました。
ガレンさんは、そこで止まりました。
「……ここ、出口だな」
「そうです」
「入っていいか」
「困ります」
「だよな」
ガレンさんは、なぜか戻ってきました。
自分の足で。
「今日は突破しなかった」
「全部……かわせていましたよね」
「突破と撃退は違う」
「違いますか」
「違う。俺が勝つには、お前が認めることが必要だ」
「……なぜですか」
「わからないけど、そんな気がした」
ガレンさんは笑いました。
「Lv18になったら来る。今日もありがとな!」
「感謝はいただかなくて大丈夫です」
「いいダンジョンだった!」
「まだ、突破していませんよね」
ガレンさんは、手を振って帰っていきました。
勝ったのか、負けたのか。
私には判断できません。
「改善の余地があります。Lv15対応設計について」
全部かわされました。
一度も罠が機能しませんでした。
でも、突破もされませんでした。
改善点が、わかりません。
シア様が、楽しそうに首を傾けました。
「突破されませんでしたね〜」
「かわされました」
「同じことじゃないですか〜?」
「違います」
「どう違うんですか〜?」
「……改善の余地があります」
「ふふっ」
シア様のニヤニヤは、少しだけ薄かった。
「俺が勝つには、お前が認めることが必要だ」と聞いたあと、私が少しだけ固まったからです。
もちろん、私は気づいていません。
本気で感謝するなつってんだろ。ダンジョンは突破できていません。
■今回の登場キャラクター
ハルカ:対ガレン設計を組みました。全部かわされました。なんとか突破はされていません。
シア様:女神様。判定がややこしいほど楽しそうです。
ガレン:Lv15の剣士。罠を全部かわしたのに、出口前で帰る男。判断基準が熱いです。
■今回のズレパターン
回避型。
罠を全部回避されたのに、本人が勝手に「突破ではない」と判断して帰りました。
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【今話のダンジョンデータ】
ダンジョンランキング :65534位 → 65533位
配信視聴者数 :3名 → 4名
本日の用途 :判定不能
コートのメモ(今話) :「ガレンLv15・回避率上昇・突破未遂・Lv18対策欄(要追記)」
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視聴者増減コメント:
「ランキングが動きました。ガレンさんが来た日です。因果関係は不明です」
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