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第七話 ホイール洗浄と道具へのこだわり

彼はガレージで、まず洗車スペースの準備に取り掛かった。


ガレージのシャッターは既に開いている。

真新しい太陽の光が滑り込み、コンクリートの床を照らし、作業スペースにふさわしい清々しい空気を作り出した。


愛車をガレージから静かに、慎重に外へ出す。

車体が太陽の下でその曇り具合を露わにするが、それは彼にとって絶望ではなく、至福のひと時の始まりだった。


洗車用品のセッティングにも一切の妥協はない。

バケツは、何故か洗車用品に並々ならぬ力を入れ出したホームセンターで買った、グリッドガード付きのクリアバケツが二種類。

一つはボディ用、もう一つはタイヤホイール用である。


使うシャンプーは、最近気に入っている、泡立ちが良く甘いガムの匂いのするイギリスのメーカーのものだ。

本来はホイール用のものもあるのだが、まだ所持していないため、タイヤホイールにもこれを使っている。


ボディに使うウォッシュパッドも同メーカーのものを使っている。

水分保持量が多く大判なので多少重いが、その自重で洗えるところが気に入っているポイントだ。


一方、タイヤホイールには、昔使っていて今はボディでは出番がなくなってしまったムートン製のミットを使っている。

こちらは柔軟で細かい部分が洗いやすく、ボディで引退しても細部で活躍している。


クロスは、ドライングクロス、水滴除去用、コーティング塗布・拭き取り用、ガラス用など、用途別に分けられている。


準備も整い、彼はホースを手に取ると、勢いよく水を出し始めた。

まずはタイヤホイール用のバケツに水を張り始め、ある程度溜まったところで、バケツに豪快にシャンプー液を回し入れた。


(本来、希釈率があり、計って入れるべきなのだが、このメーカーの製品紹介動画では、計ることもなく明らかに過剰な量のシャンプーと、過剰な勢いでの注水で泡が飛び散るのである。それが爽快で、彼もそれに影響されている。勿論、入れる量は勢いだけで、量そのものは控えめだ)


そして、散水ノズルのモードをストレートに変え、勢いよく水を出し、濃密な泡がバケツから溢れ飛び散るところまで一気に注ぎ込む。

甘いガムの香りが、休みの朝の空気に広がった。


彼はまずホイールのプレウォッシュを終わらせ、細部の活躍の場を与えられた、ボディでは引退済みのムートン製のミットを手に取る。

たっぷりとシャンプー液を蓄え、優しく滑らせていく。


ブレーキダストの黒い汚れを泡で包み込み、優しく、しかし確実に除去していく。

一気に一本を洗いきるのではなく、汚れの酷い部分やスポークの間など、何度もシャンプー液を付けなおし、しっかりと洗っていく。


一本のホイールを完璧に洗い終えると、彼は残りの三本も同様の手順で洗浄した。


ホイール洗浄が完了し、彼はホースとバケツを一旦置き、一息ついた。

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