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いいよ!もう何でもイイよ!どうでもイイ!全部イイ!全部OK!ぜんぶ好き!大好き!あいしてる!あいしてる!あいしてる!最高!みんなああああーッ‼!ありがとうーッ‼!あいしてるああああああーーッ‼‼‼‼笑  作者: 好き!好き!好き!好き!好き!好き!大好き♡!かわいい♡!愛してる!愛してる!愛してる!愛してる!愛してる!愛してる!絶対に愛してる♡!笑
第5章

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使命(平岡大志)

 痛みと恐怖と闘いながら、震える手で、何度もチャックを下ろそうとした。

 でも、ここぞというところでどうしても勇気が出ない。


 もうこのまま生きていくしかないと諦めかけたとき、見かねたお父さんが手伝ってくれて、慎重にやさしく、少しずつ下ろしてくれて、オレはなんとかチャックから解放された。


 ほんの少し血がにじんだ程度で済んだのが不幸中の幸いだった。

 もし、ズル剥けチンコだったら今頃どうなっていたか……考えただけでもゾッとする。

 はやく大人みたいなかっこいいチンコになりたいと思っていたけど、今は皮に感謝だ。


      ▽   


 お父さんと一緒に、みんなが集まっている居間へ戻ると、大人たちはまだ楽しそうに話し込んでいて、鈴木とアソブとハネジュウは3人でかたまってスマホを覗き込んでいた。真剣に見ていたのでオレも近づいていって上から覗いてみたらイタリアンブレインロッドの動画だった。

「あっ! オレも見たい」

 オレにも見せてと言おうとしたら、

「もうお風呂終わったの?」

 と鈴木が顔を上げて

 オレの顔を見るなり「どうしたの……!?」と言葉を詰まらせた。

「何が?」と聞き返すと、鈴木は少し戸惑ったように

「なんで泣いてるの……?」


「は? 泣いてねーし」

「でも、目が赤くなってるし。泣いた後みたい……」

「お湯が目に入った」

「鼻も赤いよ……」

「鼻にも入った。たくさん」


 そんなやり取りをしていたら「お、来たか。大志」と声がした。


 振り向くと、柴山先生が紙コップに残っていた飲み物を一気に(あお)っていた。 そして――

「……さて、それじゃあ。我々はそろそろ失礼するとしましょう」と腰を上げる。


「あら、もっとゆっくりしていけばいいのに」と、アソブのお母さん。 

 先生は金色の腕時計に目を落とし、「おっと、もう8時か。いやあ、居心地が良くてついつい長居しすぎてしまいました」と、苦笑いしながら頭をかいた。

 

「おい、君たち。君たちも帰るぞ」


 先生がこちらを見て言うと、鈴木がどうしようといった感じの表情でハネジュウとアソブを見やり、最後にオレと目が合った。

 だから「バイバイ、またな」って軽く手を振ったら。


「お前もだ。平岡大志」と先生。


 オレにはアソブを監視するという使命があるから、いま帰るわけにはいかない。

 だから「先生。オレは大丈夫です」と断った。


「何を言ってるか。帰るぞ。僕が家まで送っていくよ」


「いや、本当に大丈夫です。ありがとうございます」


「何が大丈夫なんだ。家族も心配するし、寺田家にも迷惑がかかるだろ」


 そう言われてしまうと、さすがに言葉に詰まる。

 助けを求めるようにアソブのご両親へ視線を送ると、


「いやぁ……私たちは別にいいんですけど……」 

 アソブのお父さんが、控えめに助け舟を出してくれた。

 だが先生は首を振る。

「いやいや、ダメですよ。こういうことはちゃんと厳しくしないと」

「……そうですよねぇ」


「ほら、行くぞ。荷物をまとめなさい」

「できませんっ」

「まだそんなことを言って……。ダメだ。早く、行くぞ」

「嫌ですっ!」

「コラッ、平岡っ」


 オレは思わず声を張り上げた。


「約束したんですっ!」

「約束?」

「アソブが学校に行けるようになるまで、ずっと一緒にいるって!」


 その一言で、居間にいた全員の視線がアソブに集まった。


 アソブは一瞬たじろぎ、視線を逸らしながら言う。

「いや……そんな約束した覚えないし。僕は大丈夫だから。平岡たちは帰っていいよ。ていうか、むしろ帰ってほしい」


「できない」


「何ができないだ、帰れ」


「嫌だ」


「帰れ」


「帰らない」


「帰れったら、帰れ!」


「嫌だーっ!」


「お前はイヤイヤ期の子供か!」


 そのやり取りを見ていたアソブのお父さんが、ぼそりと言った。

「……アソブ。お前が学校に行けばいいんじゃないか」


「え……」

 言葉に詰まるアソブ。


「先生も親切だし、こんなにいい友達もいるんだから、大丈夫じゃないか?」


「…………」


「そうよ、アソブ。まずは一日だけでもいいから、頑張ってみたら?」とお母さん。


「…………」


「そうじゃよ、アソブ君。辛かったらすぐにでも帰ってきていいから。試しに行ってみたらどうか?」とおじいさん。


 しばらく沈黙が落ちたあと、アソブは顔を上げ、叫ぶように言った。


「……わかった。わかったよ」


「「「アソブ……」」」


「行けばいいんだろ? 行ってやるよっ!」


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