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第1話 宅配司書と作家志望 ⑫

 ハワイアンビーチ、ワイキキにそびえる大型ホテル『アネラ』。

 昼間水着の人々で溢れていた庭のプールも地下のカジノも依然とした賑わいを見せる。

 海岸沿いに立てられた高級宿泊施設は夜も眠らない。

 だが、蔵書が積み上がったある一室では、小麦色の肌の美女が万年筆と原稿の束を持ち上げたままソファに床たわって寝息を立て、傍らではセピア色の髪の少女が、スマートフォンにあてた口元を抑えていた。



「社長。急なご連絡を失礼いたします。お願いがあります」



 ごく密やかで、スズランたちがそっと囁き合うような声。

「雑誌をお送りいただきたいのです。イギリス、アメリカ、カナダその他、英語圏の国々の文芸誌をかたっぱしから。図書館に所蔵があるものもそうでないものも。無理言ってすみません。経費はわたしが持ちます」



 仕事を終えた作家の規則的な寝息を伴奏に。

 窓辺のジャスミンだけが強く香り、少女の声に反応したのだった。


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