幕間 これは『異世界』
──車のエンジンの振動音
──密集した人間
──にぎやかな道路
学校、家、病院、運動場は地面にそびえ立つ。
町もなければ、城もない。地区だけ。
空には飛行機が飛び、空には鳥が飛び、空には雲が浮かんでい。
空に島はではない。地面のない空だけ。
王はいない。首相だけ。
真の神はいない。偽りの神だけ。
技術が進歩、車、携帯電話、コンピュータ。
技術が落ちた、馬車、手紙、本。
学生は学校に行き、大人は仕事に行く。これが私たちの普通の世界の「日本」の生き方。
子供が剣術、魔法やレベルアップの訓練をするのは、大人も同じ。これが異世界の「墜落」の生き方。
変わらないのは、世界の弱肉強食だけである。
これは、私たち普通の人が行くことを夢見る世界──『異世界』。 漫画や小説の主人公たちが住む『異世界』に憧れている。
しかし、愚かな人間たちは、『異世界』がどれほど厳しく、残酷で、利己的であるかを知らない。 彼らは、偽物の漫画や小説の中の『異世界』しか知らないが、本当の『異世界』がどんなものかは知らないのだ。
「何て愚かな人たちなんだ!」
この結論は「私」が人間の思考や行動をスクリーンに映し出して見た結果である。
暗い部屋から出てきた「私」は、一人で大きな窓の前に立ち、風景を眺めていた。
愚かな結論を出した「私」は、1万年の間に起こったことによる変化の結果である。
不老不死。「私」は老化と死を渇望しているが、呪いに縛られている。
死。 愛する人、ペット、仲間、幼なじみが死んでいくのを目の当たりにして、それでも「私」は存在している。
時間。時は流れていく、仲間の息子たちの誕生を見ながら、「私」はひとりぼっちだ。
感情。私の仲間は家族の幸福感を持っていが、「私」には孤独の仲間しかいかない。
再び死。仲間の息子が死ぬ、仲間の息子の息子が死ぬ、仲間の息子の息子の息子が死ぬ。それでも「私」は死ななかった。
「もう十分だ。もういいよ。私だけが苦しんでいるのではなく、全世界の人に苦しんでもらいたいの。」
「大聖者。」
『はい。』
「等価交換を使用し。2週目の世界で墜落世界を創造る。そして、2周目の全世界の人間を、異世界に転送され。私は私の持っているすべてのものと、墜落世界のすべてを捧げ。」
1万年分の痛みに耐えられない「私」は、わがままを言って次の世界に渡すしかない。
『使用成功し。しかし、計画は3段階に分かれていますが、を実施していますか?』
「はい!実施。」
『承知しました。』
会話は終わり、次の秒の世界は瞬間で消え、真新しい世界へと向かい──死後の世界。
闇には空も地もではない。浅い暗闇もなければ、深い暗闇もではない。
「私」に肉体、目、手、足、感覚、表情、魂と死もではない。
あらゆる種族の人たちが呆れているはずで、「私」も例外ではではない。この計画は3段階と言われていたが、すぐに価格が効いてくるとは思っていかなかった。
でも、そんなことはもうどうでもよくて、一番大事なのは「私」の命がやっと終わったということ。1万年の呪いが消えたのだから、もう心配することはない。
願いは叶い、後悔なく存在しない目を閉じ、暗闇中の暗闇で眠る。
後悔がないのと同時に、新しい「称号」が誕生した。
──「異世界の利己的な王」
一週目の終わり。
夢の幕が下りる。孤独の暗さで夢が終わり、それがたまたま公生の眠りの暗さとぶつかった。
しかし、そんなことはどうでもよくて、重要なのは目を引くのある記憶なの。公生は今、誰々の記憶を一人称視点で見ている。
窓の外の景色も、玉座も、すべてが彼には見覚えがあった。
彼が疑ったとき、白は闇の中を強引に進み、闇の平行空間を破壊した。
突然現れた白、誰だかわからない記憶は、公生の頭の片隅に忘れられていたのだ。