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閑話・新たな黒幕? アルフレット視点

ミリーが騎士団で再度事情確認をしている間、俺とディックは昨日のマーケットでの報告書を見て頭を抱えていた。


「なんかさおかしくない?

 リアが話してた方の情報も聞かないと何ともいけないけどさ。

 ゲーム以外で動いているとしかいいようがなくないか?

 それにしても何故に首謀者をリアにしたがるんだろうな」


報告書には最近、マーケットでトラブルを起こしてた者達は消え、新たな怪しき者達が動いてその首謀者がエヴェルス公爵令嬢だと言うのだ。

しかも昨日は俺と共にいたのにマーケットでの目撃情報がある噂がでてると報告書に書かれている。

報告者はそれらしき人物は見なかったと言うが、見たと言う噂が広まっているそうだ。

マーケットは庶民が利用することが多いからエヴェルス公爵令嬢の姿をわかる者はあまりいないと思うのだが、何故そのような噂がでるのか。

考えられることは1つ。


「ミリーが何者かに狙われているのか?」


「目的がわからんが可能性としてはあり得るな。どうする?」


「しばらくミリーに王城で過ごしてもらえないか?」


「王城にいればマーケットで噂があってもデマだとわかるか。

 首謀者がはっきりするまではその方が安全だな」


「早速、父上に話をつけてくる」


ミリーの安全を考えた上での提案を実行するために部屋を出ようとした俺にディックが不意に俺の腕を掴んだ。


「その前に1つ聞きたいんだ。リアをどうするつもりだ?」


何時になく真剣な顔と声に驚くが言いたいことはわかる。

記憶持ちだとわかったミリーをどうするのかと言いたいのだろう。


「ディックは以前言った通り記憶があってもなくても妹だと思っているのか?」


「当然だ。俺にとっては変わらないな」


質問に質問で返した俺にディックは何をいまさらと言った感じで答える。

ディックのこういう細かいことを気にしない性格は羨ましく思う。


「俺は怖かったよ。思い出したのなら俺の側から離れていくないかって。

 今日その理由もわかってスッキリしたし、ミリーは基本的には変わっていない。

 ならば俺はもう1度ミリーと関係を作り直すだけだ」


ディックの目を見ながらきっぱり告げると、ディックは笑顔で俺の頭に拳骨を落とした。


「痛っ。何をする!!」


「何となく?リアを泣かすなよ」


そういうとディックは部屋を出ていくので俺も慌てて後を追うが、なんとなくで拳骨はないだろうとディックに文句を言うが流されてしまうだけだった。



そして夕方にミリーと合流し、お互いの情報を交換して一通り終えるとディックが爆笑しだした。

確かに乙女ゲーム何てあって俺達が攻略対象だってことには驚いたが、ディックは笑いすぎだ。

それにしても俺様王子ってどういう事だ・・・。

ミリーが言うには乙女ゲームでは定番らしいが・・・。

早めに記憶を思い出せておいて良かったと心底思う。

俺様で育った状態で記憶なんか思い出したらそれだけで逝けそうだ。


そして話を聞いていて納得できないことがある。

俺とディックはパスカルとエーリクが記憶持ちだと実は知っている。

2人はゲーム開始時期の1年位前には記憶持ちであると気付いて色々情報提供してもらっている。

ミリーはパスカルの事は気付いてないようだが、エーリクに対しては気付いているように見える。

何故エーリクには早々に正体を明かして俺には言わなかった?

エーリクも何故気付いていて俺に報告しなかった?

考えれば考える程、面白くない。

怒りを必死に抑えてミリーに昨日の件は乙女ゲームのイベントかと聞いた時、ずっと俯いていたミリーが顔を上げ俺を見た瞬間、固まった。

俺はメデューサか?

と思わず言いたくなった。

何故固まる!!


しかも泣きそうになりながらも表情を固まらせたまま俺の質問に答える。

何故、急に態度が固くなるのか、そう考えているとディックからミリーに気付かれないように渡されたメモに一言。


”顔が怖すぎる”


そう書いてあった。

そのメモから察するに俺の顔が怖いからミリーが怯えているとディックは言いたいらしい。

・・・・・。

笑顔笑顔と念じながらミリーにしばらく王城に滞在することを勧めるとミリーは今度は驚きの顔で固まっていた。

やっぱり、以前に比べて表情がすぐ顔に出るようになった気がするな。

記憶を思い出した影響か?そんなことを考えながらもさらに言葉を続ける俺とディックにミリーの顔は増々驚きと混乱と言った感じで固まっていく。


父上達にも許可はもらってるし、一緒にいる時間が長くなるのだからとことんミリーと話し合ってミリーの表情が変わる様を堪能するのもいいかもしれない。


俺とディックが黒幕を見つけた際の対応を話している時はオロオロした表情でパニック寸前って感じになっている。


エヴェルス公爵も今回の娘の名を騙る奴に殺意を出していたから先に見つけないとこちらが何もできなくなりそうだ。


まずは何より、黒幕を探さないと平和が訪れない。


必ず尻尾を掴むからまってろよ黒幕!!


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