エピローグ
教会前にて。
葵「交番のお巡りさんに“教会で包丁を持った男が騒いでる”って言ったら、一緒に来てくれました。日本の警察も捨てたもんじゃないですね」
で、ペロッと舌を出して許してもらったのか。この養殖ドジッ子キャラが!
葵「…」
なんだ。大きな目で、訴えかけても、僕には通用しないぞ。“こいつは、男だ。こいつは、男だ”脳内再インプット、よし!
葵「日下部先生なら、大丈夫ですよ」
なんでもお見通しか。
山田「そうだな」
葵「はい、何しろ彼女には、あの人がついていますからね」
山田「あの人?」
葵「ほら、ボクの雇い主の話、覚えてますか?あれね、上司なんですよ」
ほんとバイトの口に戸は立てられないな。
葵「表向きは、元弁護士のぼんくら探偵ですが、あの人に睨まれたが最後、二度と御天道様を拝むことはできません」
山田「また、すごい人なようだね」
葵「はい、あの犯人と良い勝負でますよ。ふつー、初恋の人から結婚式の招待状が届いたからって、ここまでしますかね」
山田「初恋?」
葵「えぇ、13年前、日下部先生と付き合っていたっていう男子中学生。おそらく、あの赤ちゃんの父親は彼ですね。知らされていなかったと思いますが」
あぁ、やっぱり姫にはヒーローがいるものだ。そうでなければ、物語は、終われない。僕でないことに安堵してしまう自分が情けない。
やっと、心の落ち着けどころを見つけると、新たな謎に包まれた。
山田「どうして、この場所がわかったんだ」
葵「シャロンちゃんに電話で聞きました。玲聞さんがファミレスを飛び出していった、あの後ですよ。“おかっぱ少女か動き出した”って何かと思いました。
シャロンちゃんといい、おかっぱ少女の霊といい、あなたたち、いったい何者ですか?」
山田「ただの国語教師と引きこもり少女だよ」




