表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠の時の中で  作者: スピオトフォズ
第六章 ドーイング騒乱
64/110

第64話「キャンプ!!」





前回のあらすじ……


担当:アーク・シュナイザー。

ええと……内容が濃すぎて何から話したらいいのか……。

魔物が迫って村はすげぇ混乱状態だし、ウェルナーって大尉は村人を切り捨てようとするし、何故か疾風の翼が現れるし、おっさんは逆走するし……。

んでおっさんを追ってたらなんか凄い呪文唱えて地平線ごと魔物を焼き尽くした!

実はおっさんは賢者だったらしい!

本名はジルド・クロームドというそうだ。

んで息付く間もなく騎士団が到着し、やれおっさんを拘束するだのルネを殺すだのうるさい。

耐え切れなくなったリナが暴走し、俺とジャミルも参戦し、なんやかんやで気が付いたら逃げていた。


――――



「ぜぇ……ぜぇ……なんとか……逃げ切ったのか……?」

 俺達は長距離を全力疾走し、なんとか騎士団から逃げ切っていた。


「みたい……だね、あ~、疲れた~」

 ルネはその場にへなっと座る。


「疲れたって……テメェ飛んでたじゃねェか! 1人だけ楽しやがってコンチキショーがァ!」

「なによ~! これはこれで疲れるんだから!!」

 ジャミルとルネがケンカを始めると、


「うっさい」

「おゥ……」

「ごめん……」

 リナが氷のような目で睨んで2人を沈めた!

 リナすげぇ!


「うぃ~、おっさんもう歩けないわ~、ちょっくらここいらでテントでも張って休憩しよ~ぜ。もう時間も時間だし」

 空はもう暗い。

 この暗さじゃあ騎士団の連中には見付からないだろう。


 にしてもまったくこのおっさんは……。

 さっきまでのあの雰囲気は全く感じられない。


 まあいいさ。

 ここいらでおっさんの素性を洗いざらい話して貰うか。


「つーかテントなンて持ってる奴いンのかァ?」

 あ、確かに。

 いつもならルネ辺りがショルダーバッグ(四次元の疑いあり)からテントを出してきそうだが、捕まって所持品は回収されてるだろうしなぁ……。


「こんな事もあろうかと……じゃーん!!」

 ……って、なんで普通にルネは出してるんだよっ!!


「待て待て待て!!」

 俺は超常現象を目の前にストップを掛ける。


「なによ~、文句ある~?」

「お前さっきまで捕まってたのに何でバッグ持ってんだっ! そしてなんで中身まできっちり入ってんだよっ! どう考えてもおかしいだろうが!!」


「あ~これね、このバッグないと何かと不安だから、脱出する時どさくさにまぎれて取り返したのよ。テントもその時その辺の騎士からパク……ゴホン、借りて来たのよ」

「おいっ! 今パクってきたって言おうとしたな? 言おうとしただろ!」


「あ~いいのいいの細かい事は! テントがあるから一件落着でいいじゃない!」

 いいじゃないって……まあ……良いのか?

 ただの濡れ衣が立派な窃盗罪に昇華しつつあるんだが……。


「ん……そういえばあの機械は?」

 俺はこの前無人島の空駆船で拾ったしゃべる機械――HALを思い出した


「ご安心を~。ちゃぁんと確保済みよ!」

 ルネのカバンの中には、電源は落ちているがちゃんとHALが入っていた。

 果たしてコイツの電源が復活する日は来るのだろうか……。


「……なんだァ、このテントはどうやって立てンだァ?」

 そんな事を考えてる内、ジャミル達はテントの組み立てを始めていた。


「おっさんに任せなさ~い、ここはこうやって……ぐむむ」

「おっさん違う! 壊れる! それ壊れるから!!」


「アーク! これはなんに使うの~? こう?」

「ちが、それ武器じゃない! 振り回すなあqwせdrftgyふじこlp;@アッ――!」

「あ、アーク死んだ」


「オイオイ暗くなってきたぞォ? 誰か火起こしてくんねーかァ?」

「フレイムショット!」

「ギャー!! ばっかやろう殺す気かァ!」


「灼熱の世界に君臨せし――」

「「「それは駄目ぇぇーー!!」」」


「ぶっごぉっ!!」

 こんな感じでテント建設までに2時間を要した……。


――テント内――



「う~、今夜は冷えるねぇ~」

 俺達はテント内のたき火に寄って温まっていた。


「そォいや腹減ったなァ、夕食どうすんだァ?」

 確かに……おっさんの素性も気になるところだが、まずは腹を満たしてからだ。


「う~ん、まさかルネが今晩のおかずまで持ってるとは思えないし……」

「ん? あるわよ?」

 あるんかいっ!!


「これこれ~!」

「ほう……豚肉、キャベツ、生姜、調味料各種に……フライパンまで盗ったのか」

 ルネのカバンから出るわ出るわ。

 本当に四次元レベルだなこれは……


「しかしお前これ……ホント用意いいよなおい」

 俺は半ば呆れながらに言う。


「えっへん! トレジャーハンターとは常に先を見て行動するのよ!」

「褒めてないんだがまあ幸せな思考回路を持ってるようで何よりだ」

 プラス思考って大事だよな、うん。


「よしっ! じゃー張り切って生姜焼きでも作っちゃいますか~!!」

 ルネが突然名乗りを上げた。


「テメェ、料理なんて出来ンのかァ?」

「あったりまえよ~! あたしを誰だと思ってんのよ! 世界をまたに駆ける大海賊よっ!!」

 お前海賊じゃない! トレジャーハンターだろうがっ!!


「関係ねェだろっ!!」

「あるわよ! 1人旅してるんだから料理くらい出来なくてどうすんのよ」

 あっ……なるほど確かに……。

 でも、どことなく不安が残るのは何故なんだろう……。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ