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白鉛紀  作者: 猫吸い中毒者
3章  ウェルダン春季攻勢
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18/18

2章1話

僕は 大学を出たと同時に、帝国軍に入隊した。 

当時は、戦線も悪化しおらず、 4ヶ月間の軍事教育を、受けることが出来た僕は、成績も良くなかったため、

士官候補生になることは叶わず、

ついに今日!王国との最前線ウェルダンに配属となった、同期達は絶望していたけど僕は、やる気と希望に満ち足りている!

活躍して卑劣な蛙野郎を串焼きにしてやるんだ!!

                 

5月17日  ルドルフ


 


 

 

   


「……おいお前、良くここで日記なんか書けるね? 俺達が今から何処に運ばれてるか知ってて、書いてるのか?」  

 

そういきなり話しかけてきたのは、 顔見知りの同期ではなく15歳くらいの少年だった

何だこいつ… 失礼だな…捻くれてる… 


「おい聞こえてるぞ、 失礼な奴だなその手帳革製だろ?

 こんな世の中で買えると来た、お貴族様だろ?なんで戦争なんか来なくても食えるだろうに俺達を見下しに来たのか?」

 

「あぁ 君の言う通り生まれは貴族だよ 貴族って言っても 男爵だけどね、父が士官だったんだ」


「そうか大層な御身分な事羨ましいよ

 いいことを教えといてやるよ先輩から聞いた話だが

 俺達が今から行く所はウェルダン戦線のなかでも激戦区で

 しかも今ここは敵重砲の射程圏内だ、いつ弾が飛んでくるかわからねぇんだ?帰りてぇよ…」 

 

「そうか…お察しするよでもね僕は志願してここに居るんだ」


「正気か…?お前……… 

まぁ良いさよろしくな、また会うかわからねぇけど」




 

ほんのひとときを過ごした後、下車し僕は半日かけて

前線までやって来た、その時だった。



  

ピカッ………!!



膜を焼く様な光が視界を突き刺し

眼の前にいた仲間は僕の破片を一身に受ける肉壁となり 後ろにいた僕は爆風で投げ出された。




  


 








 ――あぁ……温かい……。ここは、母さんの腹の中か?

苦しい。息が、できない。でも、このままで……。

いや、違う。ここは――泥の中だ……っ!

「ゲハッ――!」

「起きろ! 泥の中で寝てたら、本当にママの腹の中に行っちまうぞ! 別のママだがな!」



  

濁流のような泥から引きずり出され、激しい怒号が鼓膜を震わせる。

 

「新兵!! 四肢はもげてねぇな! 幸運だ。お前ら!!

今我々は窮地に立たされている!すでに前のラインは

敵の手に落ちた!

間もなく我々の居るラインに敵兵が攻めてくるだろう!!

奪われたラインを奪還すべく敵陣地に突貫する!!覚悟しろ!! 明日の我等と祖国の為に!! 皇帝陛下!!万歳!!」


 

空を圧する咆哮。突撃の合図が響き渡る。

「突撃――っ!!」

「ヴォァァ!!!!!!!!」 


 

 



 

隣を走る兵士が、歪んだ笑みを浮かべてこちらを怒鳴りつけた。

「おいルーキー、ビビってんのか!? 安心しろ、時期に慣れる。今は生き残ることだけを考えな! 行くぞ、俺が先に出るから後ろからついてきな! いいか、いくz――」

ド、ン


 


言葉の結びは、世界を揺るがす轟音にかき消された。

「…………?」

前が見えない。

視界が何かに遮られている。生温かくて、べっとりとした、まるで粘土を熱湯で割ったかのような塊。それが顔を覆っている。口元に垂れてきた液体は、酷くしょっぱかった。

 

「おい! 何を突っ立っている、そいつはもう捨てておけ!」

小隊長の無慈悲な声が響く。



「少尉殿!もう側まで蛙共が来ています!!第3ラインの味方は全滅したと思われます!」

 

 

「おい! そこのお前こいつをを見ててやれ!

迎撃は、俺とバウアーとベルクの部隊でやる!

バウアー隊は俺が殴り合う斜めから援護

ベルク隊の半分は警戒 もう半分は後ろから援護しろ、仲間が被弾したら敵ごと殺せ! 弾薬制限を限定解除手榴弾投擲と同時に迎撃開始する!」



 

 

「幸運極まれりだなルーキー少尉殿のケツにいれば安全だぞ! 目ん玉見せてみろ!」




 

魔法が あったら良いのに、そう毎日思わずにはいられない

鉄と、泥と、生温かい肉片の匂い。

この日から、僕のすべてが始まった。

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