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8話 結局、最後の手段は神頼み・・・

突然降って沸いた、彼女獲得チャンスに浮かれる威流たけるだが、少し腑に落ちない。


「けどさ、れん。俺の何が良くて紹介なんて話になるんだ?」


「確かに仕事中の威流たけるは、俺から見るとなんか気持ち悪いんだけどな」


「気持ち悪いとは失敬な」


「ほら、なんか馬鹿丁寧というか、落ち着いたフリをしてるというか・・・」


「社会では素の自分は出さないのが大人ってもんだろうよ」


「そりゃそうだけど、なんか威流たけるが嬉しそうにPCの画面を見てるのが可愛いって言ってたんだが、なんか心当たりあるか?」


「はい? 仕事中に嬉しそうに見てるものなんてあるわきゃないだろ」


「そうだよな、流石に何を見ていたのかまでは聞いてはいないし」


威流たけるれんも、いまいちピンっとくるイメージが浮かんでこない。

しかし、れんには1つ思い当たる節があった。

まさかとは思ったが、念の為、威流たけるに確認してみる。


「お前、まさか、また変なこと調べてたんだろ?」


「な、な、な、なんのことでしょうか・・・・」

威流たけるの目が不自然に泳ぎ始める。


「まだ”休む為の方法”なんか考えてるのか?」

目を合わせない威流たけるの顔を覗き込む。


「そ、そんな訳ないですよ、まったくおかしな事を言うなぁ、はっはあ」


「はぁ~、多分お前の素が漏れ出してるところを見られてるな。

何見てたんですかって聞かれたら、色々終わるぞ」


「何を見てたか覚えてないって言えばいいだろ」


「そんで本当のところ、何を見てたんだ?」


「・・・・こ」


「なんだって?」


「毒きのこ」


「お前、死ぬリスクを背負ってどうすんだ、普通に有給を申請しろよ」


に言うと、正気を疑われるような顔されるんだぞ」


「今のお前が正気を失ってるだろ、毒キノコ食べて何かあったらどうすんだ」


「その何かに期待してんだよ、毒キノコがダメだと言うなら、

もう電車の手摺りを舐めるしかない」


「その発想はどっから来るんだよ、取り敢えず毒キノコも手摺りもやめてくれ」


「どっちもダメなら、お祈りしたら病気になるパワースポットでも教えろ」


「知るかそんなもん、病院の待合室に1日座ってりゃ、

何かしらの病気にでもなるだろ」


「その案は既に検討済みだ」


威流たけるの馬鹿さ加減に、空いた口が塞がらないれん

すると、そこへお茶を持って、店主が話し掛けてきた。


「何か叶えたいことでもあるんですか?」

お茶を二人に差し出しながら、店主は穏やかに尋ねる。


「そうなんですが、何か良い方法がないかと思案していまして」

威流たけるは都合の悪い事を伏せて、常識人モードになっていた。


「そうでしたら、目の前の公園に願いを叶える神様がいるのは知っていますか?」


「いいえ、初耳です。是非、詳しくお聞かせ願えますか」

威流たけるは興味深そうに話に耳を傾ける。


「あの公園の草むらの中に小さなおやしろがありまして、

そこに祀られている神様にお供えをすると願いが叶うと言われております」


「誰か願いが叶った人とかいるとか、噂があったりするんですか?」


「実は願いが叶ったのは、私でございます」


「そうなんですか、大将の願いが叶ったなんて、

自分のことの様に嬉しく思います」

威流たけるは話が聞きたいが為、いい子ぶった。


「ありがとうございます、少しは信憑性が出ましたか?」


「ええ。差支えなければ伺いたいのですが、どんな願いだったのですか?」


「ささやかな願いですが、この店が末永く繁盛しますようにとお願いをして、

長らくこの店をやらせて貰っていますので」


店主の嬉しそうな顔を見ながら二人は、

”それって、普段の努力の結果ではないのか”と思っていたが、

敢えて口にはせずに願いが叶った事にした。


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