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赤と青の国:11

今回、文字数多めです。

見繕って貰った武具は日々の訓練で実際に使用し改良点について自分なりの意見をこれでもかというくらいバンバン出し続けた結果、他に類を見ない隠し武器を多数備え工夫を凝らしたえげつない物になった。


作成を請け負ってくれた親方は今迄にない意見に驚きつつも喜んで改良を担ってくれた。火の国では少数派で肩身の狭い思いをしている常に新しい物をと同業者から見たら全く無駄な物ばかりを制作する鼻つまみ者的な変わり者と評価されている親方


しかし一つしかない命がかかっている武具なのでギリギリの戦いを常とする者達には人気の工房で妥協をしない親方と妥協して欲しくない予算が潤沢にあり納期に余裕を持てる使用者と顧客範囲は狭いなりに人気があった


ボクからすれば好きな事に熱中する真っ直ぐな性質はマニアなオタク系で馴染み深いタイプだし定番の『頑固オヤジ』って感じで好感が持てる。こて先での誤魔化しをしない信用できる作り手。何しろ美形な保護者連れとはいえ意見を出しているのは5才のお子様。使用者の意見を聞き入れるのは作り手には必要な事かもしれないけれど普通は聞き流すところを熱心に聞き入れ拙い説明に対して理解しようと実物を持ってどうしたいのかを聞いてくれる。


元は大人が使う武具なので硬くて重いし通気性も悪いので子供のやわ肌では摩擦だけで怪我をするし蒸れやすくかぶれてしまう。通気性を良くしつつ軽量化し軽量化に伴う強度の低下を防ぐ為、本来使われない素材は特性を生かされ多種多様に利用することで強度を上げ必要最小限の簡易武具を一般的な武具以上の効果を出せるように更には作り手の遊び心を加え加工された。


子供が普通に使うには物騒な武具だけど子供だからこそ相手を倒すことを目指すのではなく、いついかなる過酷な状況でも生きる為に逃げ切れる手段を大量に仕込んでもらった

軽度な中二病が発作的に顔を出したのか気付けば忍者っぽい装備かもしれないと変な汗が流れたのは秘密です


自分で意見を出したものの思い描いた以上の武具が出来あがってビックリで紅さん達も驚いていた。ちゃっかり自分用にも制作を依頼し光守様にも文句を言われないようにとの思惑おもわくかお土産用にも複数注文しているから抜かりなしだね!


成長とともに今後もお世話になるだろうから時々は工房へ遊びに来ようと密かに決意したのは言うまでもない

ついでに他国を渡り歩くのだから武具の素材として有用な物や珍しい物を探し入手しておこう


そんなこんなで大変だったけれど充実した日々はあっという間に過ぎ赤の国から直接青の国へ移動する日がやって来た。


今までは森を経由してしか入国した事が無かったけれど神域でもある森へは本来立ち入れないので国から国への移動する為の関所があり今回はそちらを利用する。所謂正規ルートってやつです。

移動は身分証としての守護の儀で授けられている物を提示する必要があるんだけど次代が3名一緒なので関係者出入り口からこっそり出入国となった。そう蘇芳さんも一緒に行くんだって!


守護の儀をそれぞれの国でと聞いた時てっきり他の国の次代が会いに来てくれるんだと思って楽しみにしていたら本来は森への出入りは禁止されているんだとか


紅さんと黎さんの場合は精霊の赤子誘拐事件で動転したお爺ちゃんの呼び出し及び協力の為って大義名分があるから頻繁に出入りすることが許されているのだと知った時には驚いた。

確かに人の出入りは許容されていないけど守護獣や次代は大丈夫なんだと思っていた

神樹の森が守るのはあくまで神山なので誰であろうと本来は出入りが認められていないそうです。


自由に出入りできるのは何物にも縛られない自由な精霊と森の守護者たる妖精とそれぞれが認める者を一時だけなら出入りを認めるという暗黙の了解があり皆がそれに準じている。

なので事前に他の国の基本国を離れられない守護獣は勿論、次代も会いに来る事は出来ず、守護の儀で初めましてとご挨拶することになってるんだって。




今回もいつでも転移できるようにボクが使用していた部屋はボク専用にしてくれるそうだ。


紅さん達が先に他の国の守護獣と次代にもボクが転移で移動できる事も必要であれば他者を移動させることが出来る事も伝えてあるので最初から専用の部屋を用意してくれることにもなっているのだと今回初めて説明された。


こういった根回しというか下準備はボクを直接知るお爺ちゃんを中心に黒と金の国が調整してくれていたらしい。実質動いていたのは紅さんと黎さんだ。

お爺ちゃんは物理的に動けないので微調整が出来ないし闇守様も光守様も立場的に本人達が望んでいても動けないし、というか動き出さないように二人が率先して頑張ってくれている。


本当に今のボクは恵まれている。たかが一人の小さな子供の為にいろんな方々に大切にして貰っている。

記憶を持っていて良かったと思うのはこういう時だ。比較対象があるからこそ今の幸せをとても有難く思えるし素直に感謝できる。

一応鍛えているし前世の記憶やデーターベース情報はあるけれど所詮は子供。玉や琥珀がいても人の目には一人の幼い子供にしか見えないし「銀紫の癒し子」の噂も出回っているから何かあった時にどうすれば良いか全く見当もつかない。

前世の世渡り下手は今世でも遺憾なく発揮されているというか周囲に恵まれ過ぎて世渡りをする必要が無いだけに経験を積むことすら難しい


まだまだ子供でもあるのだから今は周囲の優しさに甘えながら無謀かもしれないけれど無双目指して成長していきたいと思う。前世と違って甘える事が許されているのだから甘えられる間に強い大人になる準備を土台からしっかり築き上げよう


知らないこと分からないことは本当に数多くあるし全てを知り理解できる事は出来ないだろうけれど理解する為の努力は忘れず常に初心を忘れないようにしたい。




今も玉の視覚で知りえた被害者については正確には何一つ判明していない。火守様にも再度他に何でも良いから思い出した事は無いかと聞かれたので視た内容や思ったこと気付いた事は出来る限り伝えた。

そう『出来る限り』だ




「少し時間を貰えないだろうか?」


ある日火守様にそう聞かれ予定なんてあってないものなのでいつでも大丈夫だし今からでも大丈夫だと返事をすると「では、」と火守様のお部屋へ


「何度もすまないが環君の視た内容をもう一度話してくれるかい?どんな些細な事でも構わないので気付いた事や思った事も話してくれると助かる。調査をしても燃えた跡は確かに残ってはいるのだが被害者がさっぱり不明でね。他国へも問い合わせたのだが該当者はなく恐らく外部者ではないかという消去法的結論に至っているんだよ今のところね」


なるほどぉ~可能性を一つずつ潰した結果が外部者。判明したのかどうか微妙なところだよね。

確か黒の国の誘拐事件の犯人も外部者って言ってたけど、かなり自由に出入りしているんだねって何故外部者が燃えることになったんだろう?


「ただ疑問点として外部者の侵入方法なんてものは今までも確認されているので疑問にはならないのだが焼失する理由が不明でね。炎は近づけば熱を感じるから触れれば燃えるなんてわかりきったことのはずなんだが…」


確かに何も知らない幼子ならまだしもサイズ的には大人サイズだったし火に触れれば火傷や衣類に燃え移ることは簡単に想像できるはずだって、そういえば


「あのぉ~外の人も火って使うのでしょうか?赤の国の火は人を害しないけど外部者もココの火は害がないんですか?」


そもそもの根本的な条件を把握しないとね。外部者についてもそうだけどデーターベースには「生物」には害を与えない。つまり鉢植えの鉢は燃えても植物は燃えない。ただ花束など切り取られた植物は瑞々しくても燃えるらしい。ボクが実際に実験した訳ではないので確認しなくちゃね。


データーベース情報が正しいとは限らないし事実、最近では赤の国の火は一部普通の火になっているし情報がいつの情報かも分からないからね。一応最新情報らしいけど…いつをもって「最新」というのかねぇ~


「赤の国の火は今まで生物に対して害を与えていない。人だけでなく全ての命あるものだね。鳥でも犬猫でも植物でも病気で死にかけていても生きていれば害を与えないと過去からの事実が証明しているし外部者にも害は及ばないようだ」


死にかけててもって…昔余命いくばくもない者がこれ以上周囲に迷惑をかけたくないからと壊死しかかっている体を引きづり炎へ飛び込んだが壊死した部分のみ消失したものの焼死せず、それどころか人の手ではどうしようもなかった壊死部分の除去も出来て元気になった実例があるそうな。すごいなその人!


外部者は近親婚を繰り返して子供ができなくなっているので幼子を誘拐しているってくらいだから繁殖可能は程度には近しい種族なんだよね?

それともこれから可能かどうか実験するのかな?

あぁ~玉情報で可能だって結果が出てるみたいって既に混血は始まっているんだね。どんだけ誘拐されてんだよぉ~!!


いつも何でも聞けば教えてくれる玉だけど今回の件だけはがんとして口はないけど口を閉ざしている。教ないのではなくボクのことを思って今は教えない方が良いと思っているように感じるけれど明確に伝えられている訳ではない

普段なら聞かなくても少し興味を持っただけで色々話してくれるのに思われているんだと嬉しいような少し寂しいような


不確かなことを伝えると後々問題になりかねないだろうし、こういった時は黙秘に限る。

それに大切な家族でもある玉の気持ちを優先したいってのもあるし聞かれたことを全て話すことが良いことだとも思えないんだよね。

親切だし優しいけれど立場ある方だし気を許し過ぎて油断しちゃダメな感じがする。

お爺ちゃん達と違って守護獣や次代が第一に優先するのはボクやお爺ちゃん達ではない。

だったらボクはボクの優先順位に従うだけだ。

自分は優先順位一位ではないのに相手に強制的に優先順位一位を求めるなんて俺様なことを求められても従う気はない


自分の大切なものは自分で守らなきゃで、その為にも強くなりたい。ボクを大切にしてくれている皆に心配をかけない為にも例え小さくともボクの力で少しでも皆を守れたらって思う


以前には無かった大切な存在、家族、仲間、友人

大切な存在の為にも自分を大切にしなくちゃいけないと学んだ。大切に思う相手の大切なもの含めて守らないと意味がないと知った。

皆ボクよりずっと知識も経験も豊富で強いけどいつまでも守られてばかりは嫌だし『力』は腕力だけじゃない。知識も経験も相手を思う事もあらゆるものに力があるんだか、そのあらゆる力を手に入れてみせる!

~バレてますチョッピリ黒い火守様~


偽る事を知らない幼子

妖精が育て周囲にも妖精しかいないからか疑う事をしないし偽る事もない。普通の人の子であればどれほど幼くとも自身の望みを叶える為に多少は演技する。嘘泣きといわれるものが最たるもので偽る事が知恵ある者の通常だ。ただ泣き真似等は簡単に見破る事が出来る程度の浅知恵ではあるのだが…


教える前から読み書きが出来たらしい。森の妖精達に文字といった文化はなく人との接触を忌避する妖精には教えることは不可能で必要だと思いもしないだろう


光と闇は言葉巧みに誘い宝珠へ触れさせてみれば宝珠は輝きを取り戻し守護の強化を図り力が弱まる時間帯を集中的にカバーするだけで良くなった


情報が集まれば集まる程とらえようのない人の子は有効活用できる間はしっかり活用させて貰う。

ただし害ある者となれば他が何を言おうとも我が手をもって直接排除しよう。

光にしても闇にしても守護獣としての立場を忘れたのか腐抜けた事を言っているだけに信用できん


私は良い人ではなく誇りある守護獣

その責務を忠実に全うする


そんな思いが隠せているはずなのに環は本能的ともいえる直感で信用度を下げてます。

本文に入れたかったのに頑張ったけどダメだった

文章力が上がれば入れられるようになる?

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