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第4話:ヴァイス家の焦り

 そして、その日。


 ヴァイス家からの使者が到着した。


「ご令嬢キャルロット様と、我が長子との婚姻を――」


 その言葉を、最後まで聞かずに。


 キャルロットは、穏やかに微笑んだ。


「お断りいたします」


 空気が凍る。


 だが彼女は続けた。


「それと――王都の監察官が、そろそろお見えになる頃かと」


「……は?」


「帳簿の準備は、できていますか?」


 使者の顔から、血の気が引いた。


 キャルロットは、ただ静かに紅茶を口にする。


(“断るだけ”の時代は終わり)


 今度は――


(こちらが、終わらせる)

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