表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/15

第1話:処刑台の赤

 ――刃が落ちる、その瞬間まで。


 キャルロットは理解できなかった。


 なぜ、王に忠誠を誓い続けた父が、反逆者として処刑されるのか。


「キャロ……目を閉じなさい」


 震える声でそう言ったのは、父だった。あの、誰よりも優しくて、誰よりも人を信じる人。私の愛称「キャロ」と呼ぶ声はこんな時でもまだ優しい。


 母は最後まで気丈だった。だが、その瞳の奥にある悔しさと無念は、娘であるキャルロットには痛いほど伝わってきた。


 罪状は――王家への反逆。


 ありえない。絶対に、ありえない。


 だって父は、誰よりも王を敬っていたのだから。


(違う……これは、誰かの罠だ)


 分かっている。分かっているのに、どうすることもできない。


 縄で縛られ、跪かされ、民衆の罵声を浴びる。


 その中に、見覚えのある顔を見つけた。


 ヴァイス子爵。そして、その隣には息子――かつてキャルロットに求婚し、断られた男。


 彼らは、笑っていた。


(……ああ、そうか)


 すべて、繋がった。


 断ったからだ。ただ、それだけの理由で。

 ——少なくとも、表向きには。


 だから彼らは、この家を潰したのだ。


 喉が焼けるように熱い。叫びたい。否定したい。けれど声は出ない。


 ただ一つ、胸に残ったのは――


(許さない)


 それだけだった。


 刃が振り下ろされる。


 世界が、赤に染まった


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ