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■2026年4月13日
どんな病気も治す万能薬エリクサー。だが世界に一本しかない。そして重病人は二人いる。
激論の末に半分ずつ飲むことにした。完治することはないが、きっと軽くはなるだろう。
「で、どちらから飲む?」
「では私から」
「そんなこと言って全部飲む気だろ!」
激論は続く。
■2026年4月13日
モンスター素材で作った鎧は様々な効果を持つことがあり、冒険者に愛用されている。今や冒険者ギルドには魔獣の革をまとった冒険者で溢れかえっていた。
「おかげで俺みたいに擬態能力のある奴も、人間に化けやすくなったもんだ。少しの粗では目立たねえ」
■2026年4月13日
異世界転生と言っても全く違う世界に移動しているのではない。並行世界つまり、異なる可能性の地球なのだ。
「というわけでオリジナリティ出しくて全く新しい世界を作ったら、転生した途端に死んでしまって」
「あー、これは窒素濃度の違いから来てますねー」
■2026年4月14日
感覚遮断落とし穴にハマって、助けられたのは翌日。さぞかし酷いことをされたと覚悟していたけど、何もされてなかった。中には確かに魔法生物がうようよいたのに。
「あの魔法生物たちも感覚を遮断されて、誰かが落ちても、何が起こっているか分かってないんですよ」
■2026年4月14日
村人「村を守ろうと深い掘を作ったんだ。そうしたら水を引き込む前からモンスターが大挙して押し寄せて」
山賊「でモンスターだらけの堀になったと」
村人「この橋を渡る? 途中で落とすけど」
山賊「恐い」
■2026年4月14日
この迷宮は複雑だ。すっかり道に迷ってしまった。まあ、いいさ。こんな薄壁、俺の戦槌で破壊してやる!
「この壁、かなり固いな?」
「まだぁ?」
「やっとヒビが入ったけど。これを壊すのは、俺の力だと高い壁だった」
■2026年4月15日
望まないジョブになった時のために転職屋がいる。
「新たなジョブは剣士です」
「ありがとうございます。騎士の家なのに、漁師のジョブを得てしまって」
「私も商人の家なのに、転職屋のジョブを得てしまってね。他に転職屋がいないか探してるんですよ」
■2026年4月15日
ダンジョン奥でパーティーの魔法使いはモンスター探知の魔法をかけた。
「注意して。このフロアにはミミックがいるわ。何かに擬態してるはず」
「……」
「どうしたの黙って」
と振り向くと仲間の姿が崩れて、モンスターになっているところだった。
■2026年4月15日
「あのロマンスなら読みましたよ。かつて忌まわしいとされたダークエルフと王との恋。おかげでダークエルフの印象が良くなりましたよね。むしろ憧れの対象。その化粧品ですか、汗にも強くて良いですよ。はい、毎度あり」
とエルフは褐色肌のファンデーションを買っていった。
■2026年4月16日
麻痺攻撃をしてくるモンスターか。こういう時のため、ちゃんと麻痺薬も用意してある。私のポーチにあるA液とB液を混ぜて飲めばすぐ治るのだ。ただし問題は真っ先に麻痺したのがヒーラーである私ということなのだけど。
■2026年4月16日
「俺ぁ馬鹿だからよ~。ムカつく奴はすぐ殴っちまう。よくお師匠様に搦め手も考えろとか言われたよ。けどプッツン来ちまうんだよな~。それでアイツらか喧嘩売ってきたのは。腹立つぜ~」
「お願いします」
「天の火よ、敵を打て。メテオストライク」
「さすが賢者様!」
■2026年4月16日
皇帝陛下はいわば万民の太陽。その威光に預かろうと、多くの民が集まり、今や帝都は栄華の極み。
「それで都の人口が増えすぎて水不足と」
「今年は特に日照りですから」
「そこで皇帝に太陽とか言わないでくれる?」
■2026年4月17日
遂にダンジョン最奥で見つかった至宝、魔法の玉座。これに座った為政者は平和のうちに国を治めることができるようになるという。コイツを渡せば国王様から莫大な報酬が貰えるはずだ。
「問題はこんな立派で重そうな椅子を、どうやって地上まで持ち帰るかだな」
■2026年4月17日
司祭は嘆いた。人の数に比して、世界はあまりにも狭い。ゆえに人々は住める土地を求め、奪い合うしかない。創世の神よ、なぜこんな世界にした。
すると光と共に神が顕現して告げる。
「世界を創るにも材料不足で」
■2026年4月17日
「この宝箱には爆弾の罠が仕掛けられている」
「爆弾、何だそりゃ?」
「こちらの世界では知らないか。爆弾とは火炎魔法のような」
「魔法反応ならないわよ」
「何だよ、知らないかって。良い気になってんじゃねえぞ」
「うるさい!」
と思わず宝箱を殴ってしまう。閃光。
■2026年4月18日
「ここは自由交易都市。各国の取り決めで、ここに攻め込んではいけないことになっている」
「へえ、繁盛してるな。で、この厳重な城壁は?」
「交易都市ということは、いろんな国と接しているということでな」
「取り決めは?」
「守られたらいいな」
■2026年4月18日
私は呪術師。人知れず誰かに不幸を与える。だから嫌われてるんだが、そんな無差別にやってるわけじゃないからな。ちゃんと呪術師には呪術師の法があってだなあ。
全くどいつもこいつも呪術師を悪く言いやがって。この仕事が呪わしい。
■2026年4月18日
なろうファンタジーなんて大嫌いな私が、よりによってダンジョンマスターに転生してしまった。こうなれば仕方ない。貴様らにご都合主義ではない真のダンジョンを作ってやる。もちろん宝箱などない。歩くにも苦労して、常に崩落の危険が。
「なぜ誰も来ない」
■2026年4月19日
ケルベロスには三つの頭がついている。その中の一つはずっと秘かに思っていた。他の二つは頭が悪すぎる。この自分が全体を率いないと。
他の二つの頭も、それぞれ同じことを考えていた。
■2026年4月19日
羽のある妖精フェアリーはいたずら者だ。
ある者がフェアリーを目撃して写真を撮った。だが
「なんだ、偽物のトリック写真じゃないか」
「違うんだ。私は本当のフェアリーに出会って」
いたずら者だから、物をすり替える、なんてこともやる。
■2026年4月19日
「知ってるか。隣町は『はじまりの町』なんて呼ばれているらしいぞ」
「あそこは大勢の冒険者が旅立つからな」
「そこでウチは『つぎの町』を自称仕様と思うんだが」
「はじまりの町の隣町は複数あるんだし、それは苦しいだろう」
■2026年4月20日
世に名剣魔剣は数あれど、聖剣と認定するのは教会が行う。英雄が使った愛剣、もしくは強い力の魔剣を、果たして聖剣に相応しいか選別するのだ。
「その会議中です」
「だから魔物が来てるんだって、早く返して!?」
■2026年4月20日
「辺境伯といっても隣国と接しているから、あちらの方が貿易が盛ん。軍備も揃っている。それで敵国と組まれて、国は陥落。王家は一領地に落ちてしまった」
「そんな我が辺境伯家が再び王家に戻れる日は来ますかね?」
「さあ?」
■2026年4月20日
デバフ魔法の達人がいた。どんなモンスターでもたちまち弱らせ、おかげで我らは危なげなく戦える。だが彼はいつも、浮かない顔をしている。と聞こえた呟き。
「僕のバフ魔法はなぜいつも失敗するんだろう」
聞こえなかったことにしよう。
■2026年4月21日
「サキュバスだ! 魅了の魔法には気をつけろよ」
「ち、ちゅーとかしちゃうわよ!?」
キュン……(ハートを撃ち抜かれた音)




