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第七十九章 The Death of the Most Powerful
ハカル王の鮮血が刀身を伝い、ピュア・ウォーターの青い光と混ざって、妖しい輝きを放った。
「ネウ、貴様…。
そ、そうか…その剣、サミュラカアン老師が…言っていた、ピュア・ウォーターか。
世の終わりに現れ…、血を洗い流す伝説の剣…。
だが気をつけろ、その血は…厄災は…、ピュア・ウォーター自身がもたらすもの…かもしれ…ん。」
ハカル王はそう言い残して、血を吐いて生き絶えた。
ハウカヤル川の周辺にいる生きた人間は、見渡す限りわたしたちだけだ。
近隣諸国で最大の版図を持つサカマシュの王、ハカル王の最期は、わたしとマカだけしか目撃していない。
いかに強大な権力者と言えど、死んでしまっては何をすることもできない。
ハカル王の死をいかに語るかは、わたしたちの思うがままだ。
そう考えると、地上の権力とはなんと脆く、儚く、弱いことか。
何者も、生者に勝ることはできないのだ。




