20.剣の稽古をした
昨日は剣の稽古をするため、いつも鍛錬する場所である孤児院の後ろの敷地に行った。一日をかけて、西洋剣術の構えや基本の動きと技をルークに教わりました。
「……おかしいだろ……一日だけで使いこなすか普通…………いや、マルは普通じゃないのはいつものことか……」
おいこら、聞こえてるぞ。
でも西洋剣術って想像より簡単だな。一番難しいことは片手で軽くない剣を持つことだったが、それももう慣れたから大した問題じゃなかった。剣に関しての基本的な知識や技術を持ってるからかな?
「さて、西洋剣術をできるようになったし、今日はルークの剣の改善すべきところを見つけ出すか」
「よろしくお願いします!」
「私、厳しいよ?」
「うっ、が、頑張る」
見つけ出すためには……。
「まずは攻撃からだ。さ、反撃はしないからかかってこい!」
「わかった。じゃ行くよ……!」
ルークが攻撃することを通して、その動きを観察して改善すべきところを見つけ出す、というのが私のプランです。
〜〜十五分後〜〜
……もう限界みたいだな。動きがガサガサになってる。
「はい、そこまで」
「……ぜぇ……はぁ……はぁ……」
「お疲れー。はい、水」
「……あり…がと……」
アイテムボックスからボトルウォーターを取り出してルークに渡した。
「……はぁ……なんだか悔しい」
「うん?なんで?」
「マル、全然余裕そうだから」
「いや……私は攻撃を受け止めただけで、あまり動いてなかったから」
ルークは十五分も連続攻撃を維持した。この歳にしては大したものです。
前世の私は子供の頃は確か十分ぐらいしか続けなかったな。今世は三歳から前世のスパルタ訓練をし続けたのと、多分チートのお陰で、前世死んだ十八歳の私と同じぐらいの体力や技術を取り戻せた。
「俺ももっと頑張らなきゃな。……今の、どうだった?」
「そうね……大抵昨日言ってたのと同じ、全ての動きが攻撃に集中してない…」
「そう……注意はしてたんだけどなぁ」
「まぁ最後まで聞いて。集中はしてないけど、昨日より無駄な動きや躊躇が少なくなったよ。昨日指摘したばかりなのに、今日でここまでできたとは、やるじゃん!」
才能があることは間違いないけど、いっぱい努力しなきゃこうはなんないでしょうね。今のルークの剣だって、攻撃力が低いなんて絶対言えない。むしろその動きでよくそこまで威力が出たなってびっくりするぐらい。
「そ、そうかな……」
「そうだよ。ルークならすぐにでもめっちゃ強くなれるよ!この私が保証する」
「マルにそう言ってもらえると嬉しいな……」
おっ、はにかむ美少年ゲット!
「でもどうしたら改善できるんだろう」
「それね、実はコツさえ掴めば簡単だよ……」
その後ルークの防御も観察して、そのまま私の考えた手本を示そうとしたが……やめた。どう考えても効率が悪すぎる。やっぱこういうの性に合わない。もっと効率的なやり方とかないかなー。
「……そうだ、ルーク。パーティー組もう!」
「パーティー?どうしたの急に?」
「だって手本を示すのに相手がいる方が便利だし、ルークも実戦できるでしょう?一石二鳥だよ」
何にせよ、対人戦闘とそうでない戦闘には違う点が多いからなぁ。今ルークにとって優先すべきことは対魔物戦闘の訓練だから、相手も当然魔物の方がいいわけです。
「習うより慣れろ、か。そのためにはパーティーを組んで依頼をこなすと」
「その通り」
「俺としては大歓迎だけど……でもランク差が」
「それは別に構いませんよ?ルークもそのうちランク上がるから問題ない」
パーティーのランクはメンバーのランクの平均値で決まるみたいだから、今の私とルークがパーティーを組めばCかDランクのパーティーになる。
そのランクで受けられる依頼ならギリギリ実戦訓練になれるかな。私としてはもっと難しいやつを挑戦させたいところだが……ま、そのうちできるでしょう。
「じゃあ早速ギルドに向かうか」
「うん。……ありがとう、マル」
「うん?……ああ、やめてよ水臭いな」
多分私のしたことに対してのお礼だな。そうしたのは単に、せっかく実力があるのに、動きのせいで能力が埋まることが見ていられないだけ。……それに、ルークのためなら、それくらいどうってことないって思ってる。そう思ってしまう原因がわかんないけど。
「本当に感謝しているなら、行動で示してくれる?例えばほっぺにちゅーとか……なーんてね」
「……えっ」
冗談で言ったつもりだが、どうやらルークは真に受けたらしい。顔真っ赤で涙目になってる。
「っ!?」
次の瞬間、柔らかい何かが頰に当てた。も、も、もしかしてもしかしなくても、それってルークの唇ぅぅ?!!なんてこった!!!
ちゅーって音を立ててキスを落としたなんて……い、いやー、ルークって意外と大胆だなー、お姉ちゃんびっくりしたわ……って、何ドキッとしてんのよ私!相手は子供だぞおい!




