エピローグ
俺は十年前に帰って来た。
加賀美家に向かった俺は、健さんの父親に、「マデラとの戦いは十年後に全て終わります」と、告げた。
「なぜ十年後なんだい?」
「マデラを倒すのに、十年後に洋子ちゃんの話を聞かなくてはならないからです」
「まるで行って見て来たかのようだね」
「そうなんです。防衛軍のタイムマシンで。それと、健さんなんですけど、邪神に乗っ取られてしまっただけでした。器ってのは、邪神復活に相応しい体ということだったのです」
「そうか」
俺は聡の元に向かう。
「全て終わった」
「わかってたよ」
聡を体に戻し、俺は加賀美家を出る。
「お世話になりました」
別れの挨拶をし、俺は加賀美家を後にした。
「さて」
俺は近くの不動産屋を訪ねる。
「オススメの物件ありますか?」
「そうですねえ……」
不動産屋が資料を確認する。
「安い方がいいですか?」
「もちろん」
「それでは、これなんかどうですか?」
家賃三万円のアパートを見せる。
「これで」
「わかりました」
契約成立。
俺は手続きを行い、そのアパートに入居した。
「それにしても暑いな」
俺は部屋に完備されているクーラーをつけた。
コンコン──玄関からノックの音。
俺が扉を開けると、そこには猪俣さんがいた。
「なんですか?」
「はい、これ」
俺は錠剤を渡された。
「これは?」
「若返りの薬。あなた、タイムマシンで五歳年取ってるから、五年前の姿に戻す必要があるわ」
「ああ、そうですね」
「それ飲んで高校生に戻りなさい」
俺は薬をもらい、早速飲んだ。
「変わらない気がするけど?」
「いいえ、変わってるはずよ」
そう言われれば、なんとなく体が軽い。
「それじゃあ、用が済んだから帰るね」
猪俣さんは帰って行った。
時計を見る。
時刻は八時半。
「高校、行くか」
俺は加賀美家に寄り、着替えを済ませ、カバンを手に高校へ登校した。
学校に着き、教室へ入る。
「おはよう」
「おはよう、番長」
「それやめてって」
こうして、俺は元の高校生活に戻るのだった。




