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第二十三話 即興演奏

すみません。予約投稿の日付を間違っていました。今後このようなことがないように善処します。また、二十四話につきかしては、この投稿の分の時間を使い、クオリティアップに努めます。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


カルマンドと土属性のリザードマンの戦いが決着した。

「ぐる……」

「フォーコ!」

「フォリア!」

氷属性を操るリザードマンの攻撃を弾くのに二体は必死になっていた。魔法で氷魔法を防いでいる二体をじっと見ながら、オブリガートはかちゃかちゃと手の中で銀色の弾丸を選んでいる。光る目を持つゴーストはともかく、顔のないスライムの視線を追うためにその一挙手一投足をじっくりと観察していた。魔力によって構成される半分流体と言っても差し支えない身体。魔法の濃度が低い外側が遅れて動くので、スライムにとっての()()が今どの方向に動いたかを示していた。カノンは余裕があればオブリガートを見る程度であったが、フーガは攻撃を凌ぐときは氷魔法を見、そうでない間は確実にオブリガートの方を向いていた。どの瞬間も、片方が攻撃を防ぎ、もう片方がオブリガートを監視していた。二体の魔族は、不気味にこちらを見つめ、銃さえ構えないオブリガートを常に見ていた。ただこちらを見ている、しかし攻撃の予兆を見せないため監視に留めている。

「トランクィロ。ぐぁっ……」

オブリガートはそう名を呼び、小さな鳴き声をかけた。氷属性の魔法を扱う、トランクィロと呼ばれたリザードマンは二体の魔族に手のひらを向ける。

「隙です!フーガさん!」

「いや、攻撃に備えろ!」

「ぐるるぅ……!」

トランクィロがそう鳴き声を発すると、二体の魔族へ氷の細かな粒子が、一斉に噴き出すように襲いかかった。

「うわぁっ!」

「くっ、落ち着け、ダメージは無い───」

注意が向いたその瞬間、銀色の弾丸を素早く込め、ぱしんと銃を弾くように構える。そして、半秒も無いほどの時間で、動きもしない対象へ狙いを定める。

「フーガ!」

フーガは後ろから叫ぶ、カルマンドの声を聞いた。そしてその後すぐ、自分の中に、初めてではない違和感を覚えた。それに遅れて、オブリガートは引き金を引く。球状の弾丸が、空を切り、フーガへと音速を超えて命中せんと加速する。オブリガートは命中を確信した。

「メタール!」

しかし、フーガのその声と共に見た光景は、無数の金属片だった。オブリガートは頭を守るように腕を顔の前に出し、次に正面を見ると、赤と黄の二色のスライムが見えた。弾丸は、金属魔法によって弾かれていた。

「フーガさん、それ!」

「うん……僕の中に、二つの魔石があるみたいだね」

フーガの中には、大きな赤色の魔石と、黄色の小さな魔石の埋め込まれた指輪が浮いていた。カルマンドのものだ。

「……多分、こういうことだ」

「えっ?何がですか?」

「即興でやってみる。何かあったらカバーお願い」

フーガはトランクィロの方を向いた。

協和音(コード)

トランクィロが再び氷魔法を放つ。しかし、それはフーガへ到達することは無かった。

「“炎の弾丸(ラ・バル・ドゥ・フー)”!」

そう叫ぶと、鋭い金属の欠片が浮かび上がり、炎に巻かれながら襲い来る氷を溶かした。そしてそのまま、何発かが命中すると、トランクィロはフーガを睨みつけ、狭い通りに逃げるように撤退していった。

「かっこいい技名言えたんですね」

「なんとなく浮かんだんだよ」

二体の前にいる魔族は、オブリガートただ一体だけとなった。

次回 第二十四話『Bravo!』

3/7 (土) 20:00更新予定

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