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負けないんだから

何者かに促される様に、蔵の中で予言書をその手に掴んだ事から、その運命が動き始めたレン─


果たして、、、

彼の運命は、どの様に変化をして行くのだろうか─


そして、、、

使者が現れる─

─第3話─


『はぁ?あんた、頭大丈夫??』


朝から起きた変な出来事の恐怖を紛らわそうと、リンの誘いに乗る形で、久しぶりの学校へと足を向けたレン。


通学途中─

蔵の中で、夢でもなく現実で起きた事を話したら、このザマだ。


全くもって、信じてなどいない。

やはり、話すんじゃなかった…。


やっぱりダメか。と、少し落胆しながらも、その右手には【予言書】がしっかりと、抱えられていた。


『じゃあ、コレ読んでみろよ!』


半ばヤケクソになりつつも、やり場のない怒りに身を任せ、リンへと自分が抱え持っていた【予言書】を投げるように、押し付けていた。


あんたがそんなに言うなら…と、半ば諦めながら仕方なさそうに受け取ったリンではあるが、分厚い本を渡された彼女がいくらめくった所で、【予言書】の白いページから何一つ文字が出てくる事もなく、白紙に変わりはなかった。


『何これ?やっぱり、夢じゃないの?』


半分笑いながら、レンへと本を返すリン。


『やっぱり、来るんじゃなかったよ。』


明らかに落胆した様子で、トボトボと歩く。


このままじゃ、また学校でも笑い者になるだけだろうな─


そう考えると、自然と足も重くなっていた。


レンは友達と呼べる人は1人もおらず、どちらかと言うと変わり者と言われ、クラス内では浮いた存在となっていた。


ずっと一緒にいる、変わらぬ友達が欲しかった訳ではない。


ただ─

毎日とは行かないまでも、同じ様に話せる人が1人は欲しかっただけだ。


『あんたさぁ、ちゃんとしなさいよ!』


不意にカバンで尻を叩かれ、転びそうになる。


コイツは、昔からそうだ─


時に乱暴で、毎日当たりが強くて、俺には容赦のない言葉を投げかけてくる。


いくら幼馴染とはいえ、コイツの事を好きになる事はないな。


心の中で大きく頷き、決して口には出さずにそう思いながら転びそうな体を何とか支えると、リンを睨みつける。


ホントに、コイツに好かれた奴は可哀想に…。


ご愁傷さまだ。


そんな事を考えていると、自然と口元には笑みが広がって行く。


当たり前だ─


こんな奴に好かれたら、毎日こんなキツい当たりが待っているのだ。


冗談じゃないな…。


やれやれと言った形で、明らかにその場にいるリンの存在を忘れたかの様に、手でポーズすら取りかねない程に、呆れながらも納得していた。


『何、笑ってんのよ!』


見下されたと思ったリンは、思わずコイツ─!と、心の中で、叫んだのかもしれない。


スカートをふわりとさせながら、その左足が、レンの頭に向かって、真っすぐに伸びてくる。


あ、白!と、言いそうになりながら、何とか避けようと半歩後ろへ下がったレンではあるが、その足を止める者がいた。


『あナタを、敵デす!』


何かぎこちなく、それでいて何か変な日本語を話す女性が、リンのハイキックを手で止めていた。


『あんた……誰?』


思わず、顔を見合わせるレンとリン。


だが─

そんな事はお構いなしとばかりに、目の前の女性は話し始めた。


『あナタを、守らレます。ワタしト、未来かラ来タMLR-913型。あナタは、守らレに来タ。』


誰かを守りに来たらしい事は伝わる。

未来とか言ったか…?


しかし─

守る…?一体、誰を…?


レンは疑問に思ったが、ふと右手に持つ本に違和感を感じた。


慌ただしくページをめくると、2ページ目が浮き上がって来た。


【予言書】


……ソナタを守る為に、使者が送られる。


……ソナタの命令には、絶対服従をする。


いきなり現れた2ページ目を見ながら、目を丸くする。


『なんだ、これ??』


この目の前の何者かが、使者なのか?


でも、なぜ俺なんだ!?


朝からの連続して起きた出来事に、もはや頭がパンクしそうになりながらも、目の前の女性に話しかけてみた。


『あのさ、君が使者なの?なんの為に?』


『あナタを、守らレます。ワタしトMLR-913型。』


そこまで言いかけた所で、レンよりもパニックになってるであろうリンが、口を挟む。


『コイツ、なんなの?レン!一体どういう事?』


頭の中で理解が追いつかず、目の前の現状に混乱をしているリン。


無理もない。

先程は、レンの朝から見た夢に出てきた変な奴の空想話をされ、何も書かれていない本を手渡され、笑われたから蹴り飛ばしてやろうとしたらその足を止められた。


2人で通学するのもえらく久しぶりなのに、その大切な時間を誰かもわからない、()()()()()()()()に邪魔をされたのだ!


気分は、決して穏やかではなかった。


しかも─

良く見るとレンは、少し鼻の下が伸びている様にも見える。


尚更、胸中穏やかでは、いられなかった。


ふつふつと、心の奥底から沸き上がる苛立ちを抑えながら、こんな事になるなら、誘わなければ良かった…。と、少し落ち込んだ。


でも─

絶対この女には、負けないんだから!


静かな闘志が、リンの中でメラメラと燃え始めていた。

遂に指導者(マスター)を見つけた、MLR−913型。


何か日本語がおかしい様だが、?


守るべき対象を見つけたMLR-913型と、運命が動き始めたレンと、闘志を燃やすリン。


今後の展開を、お楽しみに─!

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