19.神子様もお怒り
要らんことする度にヤベェモノたちを起こしてる。
ハロルドは怒っていた。
必ずやかの邪智暴虐の腐れ信者を除かねばならぬと決意した。
聖騎士によって防がれてはいたが、彼らはハロルドが支援しているフォルテ教の孤児院に踏み入って、孤児たちを売ろうとしていた。
本来この国で認められている奴隷は犯罪奴隷と借金奴隷のみ。子どもを攫って売り払う時点で法律に違反している。だからこそ、結託していた元ハンベルジャイト家は平民に落とされてなお、再逮捕されて処刑された。三親等連座であった。
ハロルドは自分の(一応)母親がそうされていたこともあって調べた。ハロルド自身、幼い頃から幾度となく狙われてきたし、ハンベルジャイト家の例の孤児院の悲惨さから、次に見つけたら捕縛して見せしめに裁判でも起こしてやろうとは考えていた。
こんなに近くで事件が起こるとは思っていなかったが。
「ルイ、合法的に消しとばそうと思うんだけど」
「クラリッサ姉上がその辺り詳しいな。ジルコニア公爵が法務大臣だし」
「合わせてアメシスト侯爵に相談したら広範囲でぶっ潰せるかな」
二人は冷ややかな目でそれでも口元には笑みを浮かべている。
そんな怒れる彼らに銀髪の青年が近づいていた。
「ルートヴィヒ殿下、ハロルドくん」
「ウィリアムさん」
「関わっている人間の洗い出しができたのか?」
フォルテ教の神官であるウィリアムは二人の目の前に立つと、紙の束を持って眉間に皺を寄せていた。
「洗い出しはできております。同時に……神罰も確認しております」
「神罰?」
ハロルドの声に、ウィリアムは手に持った報告書の一部を説明した。
ハロルドに攻撃を仕掛けている信者に聖女マリエがキレてフォルツァートに直談判を行ったこと。
その結果、ユースティアが裁きを下す決断をしたこと。
「神罰はそれぞれですね。各々、罪の系統に従って身体的・精神的な苦痛が訪れるようにしてあります」
「……その上で法律で裁いても大丈夫なのか?」
ルートヴィヒがそう口に出すと、ハロルドの頭上に一瞬だけ光が降り注いだ。
「……うん、『好きになさい、我が息子よ。あなたの正義を信じます』って言ってるから大丈夫そう」
ユースティアもさすがにちょっと反省していた。
彼女自身もまた長男と三男から諭されて、基本的には見守る方へシフトチェンジした。ただし、ハロルドに請われればその限りではない。
今回は夫と一緒にいる時に、その加護持ちの申請があったから目に入った。そして、それがハロルド案件だったから少しくらいと手を貸した。娘たちをしばきながら、彼女はきっちり手加減して神罰を与えていた。
与えられた方は手加減されているだなんて思えない害を受けているが。
「ハルが言うなら大丈夫だな、法律でぶん殴ろう」
「手続きはお任せください。そういうのは得意です。とても」
ウィリアムがいつになくいい笑顔である。彼にも腹に据えかねていることがいくつもあった、ということだろう。
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これでまた「報復ですこんにちは」する人たちが増えるね!
Q.族滅待ったなしでは?
A.まぁ、そう。仕方ないね。多分誰も嘆願してくれないし、何なら高位貴族もいるからどうもならんね。誰も守ってくれない。信じる(?)神でさえも。
Q.マリエの呪い解けてる?
A.魔王的な災害消すまで解けない。
Q.どういう状況でユースティア出てきた?
A.夫婦でお茶してたらクレーム対応することになった。いそいそと行こうとして夫を止めて彼女が出張った。天災起きたら我が子困っちゃうからね。
Q.ヴィーちゃん妹の件
A.妹が婚約者になったのは甘やかす両親も原因だけど、優秀な長女の方を家に置いておきたかった祖父母の思惑もあるよ。
ヴィーちゃん妹ヤることやっちゃったので良いとこには嫁にやれないし、子どもいるし、元々婚約者の方にも教育はしてたので、ヴィーちゃん妹可愛さに……って感じ。今はだいぶ立場悪い。婿が頑張ってようやくなんとか盛り返しつつある。びっくりするほど頭下げて、働いてようやく戻ってきてくれた家臣とかもいるよ。やっぱり離れたままの人たちも多いけど。
Q.王族にペナルティある?
A.そもそも国をフォルツァートに荒らされまくった結果こうなってるし、その状況の綱渡りで国運営できてたんだからまだ頑張ってる部類。消えた国もある。なのでペナルティ特にない。放置してたんじゃなくてGがごとくどこにでも湧いて出てくるやつを処しきれなかった。機会がある度に粛清はしてる。
【お知らせ】
2024年6月25日に巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない1巻が、オーバーラップノベルスさまより発売いたしました。
イラストレーターはRuki先生です。素晴らしいイラストをたくさん描いていただいたので、ご期待ください!!
特典等詳細は著者活動報告にも書いておりますので、ぜひご確認ください!
今後もどうぞよろしくお願いいたします!




