17.学園でも厄介者
本日、発売しました!
学生の本分は勉強である。
少なくともハロルドはそう思っているし、そういう態度なので教師からの覚えがいい。
しっかり学校に来て、ちゃんと勉強をして、わからないところがあれば(主にヴィクトリアに)聞きにくる。その友人と共に教師たちが可愛がるのも仕方がない話だ。
なので、脅しとも取れるお手紙が届いている事実にピリピリしていた。
そして、この学園にいる教師の中には高位貴族出身の者だっている。バチバチに抗議をするのに併せて寄付金の減額又はなしにするという手段に打って出た。
これに慌てたのはフォルツァート教である。
ただでさえ王家から予算を引っ張れず寄付金頼りであったのに、さらに減ってはたまったものではない。
ハロルドはフォルテ教に還元しているが、マリエは彼らに良い印象は抱いていないので予算は彼女自身の生活費の他は孤児院だとか、その周辺のインフラ整備くらいにしか回ってこないし、それを回しているのは第二王子ジョシュアだ。勝手に使うことなどできない。勇者ロナルドは全部自分に使ってしまうので、これもあてにならない。
要するに、寄付金まで減っては今まで通りに豪勢に遊ぶことも、そうやって生活をすることもできなくなる。
そんなどうしようもない理由であった。
さらにどうしようもないのは、そのことで彼らがフォルテの神子であるハロルドを逆恨みしたことだろうか。
「ハル、攻撃がずっと仕掛けられてます」
「やっぱり埋めちゃわなぁい?ちょ〜うざぁい」
「我も首チョンパ!得意だぞ!!」
「物騒」
授業中、小声で話しかけられてハロルドは溜息を吐いた。
ハロルドはルクスと共に学園全体に結界を張っていた。
最近、妙に攻撃を仕掛けられるのだ。性的に狙われるより心理的ダメージが少ないとはいえ、こちらの方が周囲に被害をもたらす。ハロルドの魔力量が多いから使える手だった。
「学園でやったらトラウマになっちゃう子もいるでしょ。特に今年はアンネリース殿下とドロレス殿下もいるんだから」
「人間は面倒ね」
ローズがそう言いながら不機嫌そうに髪をくるくる指に巻き付ける。
ハロルドたちが結界を張っていても破裂音は聞こえるので、時折不安そうな顔をする生徒もいた。
教壇に立っていたヴィクトリアが我慢の限界であったからか、パタンと持っていた教科書を閉じた。
「ハロルドさん、一回全て解除なさってー?」
いつもより棘のある声だ。
何か考えがあるのだろうとハロルドはルクスと視線を合わせて結界を解く。
瞬間、この機を待っていたとばかりに攻撃魔法がいくつか飛び込んできた。
ヴィクトリアはそれを見据えて右の手をまっすぐ伸ばす。
「『反射』」
パチンと指を鳴らす乾いた音が響く。それと同時に教室に飛んできていた光は消えて、校庭の方で破裂音がした。
「もう戻してもいいだろう」
ルートヴィヒはそれを見てから、自分で結界を作った。彼の得意な魔法であるためか、展開が早い。
「逆恨みもいいところですわ。わたくし、ああいう腐った連中は大嫌いですのー!」
そしていつものように高笑いをする。
あれだけの魔法を軽々と扱ってみせるヴィクトリアに、ハロルドは尊敬するような目を向けた。
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——怒りは連鎖する……
◇質問とか
Q.よくヴィーちゃん実家残ってるな!?
A.婿が優秀だったため。子どもも彼が実家の助け借りて養育してるので何とかなってる。構ってもらえないシクシクしてた相談女に引っかかったことを今でも悔やんでる。ヴィーちゃん両親はもう閉じ込められてる。息子の悪影響になるので。
Q.ヴィーちゃん妹擁護できなくね!?
A.できない。今は色々解決したアンリだけど当時は本当に忙しかった。むしろなるべく手紙書いたり、彼女と一緒に行くはずの公務を「このスケジュールはキツいだろう」と減らしてたあたり一応気は使ってた。ゆーてアンリも悪い。
Q.聖剣に天罰当たらないのなんで?
A.これなかったら命が危なかったこと、最終的にシャルロット(持ち主)の忠誠で手が治ったことでギリ制限かける程度に収まった。
【お知らせ】
2024年6月25日に巻き込まれ転生者は不運なだけでは終われない1巻が、オーバーラップノベルスさまより発売いたしました。
イラストレーターはRuki先生です。素晴らしいイラストをたくさん描いていただいたので、ご期待ください!!
特典等詳細は著者活動報告にも書いておりますので、ぜひご確認ください!
今後もどうぞよろしくお願いいたします!




