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人の姿になった幻獣達が、不思議な世界で仲良くワイワイする話  作者: 土鳩
第2章 ノットルート・プロムナード
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第5話 またよろしく

「あらあら、色々あった後の再会だものねぇ。積もる話もあるわよねぇ〜。」


タマの反応に違和感を覚えたのも束の間、タウラの明るい声にかき消された。


「は〜い!ジャックちゃんおまたせ!これ、お代ね〜!」


ジャックは恐縮しながら、差し出されたスパイスの代金を受け取る。


「もー、いつも助かってるんだから、

もっと堂々としてていいのよぉ〜?」


「いえそんな…!いつもご飯までごちそうしていただいてますし…。」


町の住人ですらないジャックにも分け隔てなく接し、何かと気に掛けてくれる。

タウラのお人好しな性分には、これまで何度も世話になっていた。


しかし、人付き合いそのものが得意ではないジャックにとって、親切にされればされるほど、どう接するのが正解なのか分からなくなってしまうのである。


にこにこと笑うタウラへ頭を下げながら、ジャックは代金を荷物へ仕舞い、帰り支度を始めた。


聞きたいことは聞いた。

聞きたくないことまで聞いた。


タマも元気そうで何よりだ。

…もう、それでいい。


これ以上ここにいても仕方がない。

まだ行く予定の場所も残っている。


…今後はミラの方に釘を刺すことにしよう。


「それじゃあ、私はこれで…。

タウラさん、ごちそうさまです」


「あいよぉ!またよろしくねぇ〜!」


「もう行ってしまうんですね。もっと色々お話ししたかったのですが、残念です…」


食べかけのパンをかじりつつしょんぼりした様子のタマ。


⸺出来ればもう会いたくない。


喉元まで出かかった言葉を飲み込み、ジャックは社交辞令めいた笑みと共に軽く頭を下げた。




外の空気を吸うと、張り詰めていた肩の力が少しだけ抜けた。


「…はぁ」


誰に聞かせるでもなく、深いため息をひとつ。


真面目なのか変人なのか。

危険なのか善良なのか。


少なくとも本人に悪気はなさそうだった。

だからこそ厄介なのかもしれない。


脅しにも似た言葉を口にした後の、タマのあの反応…。

少し引っかかってはいるが、詳しく聞いたところで十中八九理解できない気がする。


(…やっぱりミラの方に言い聞かせるしかないわね)


ジャックは気を取り直すように鞄の位置を直すと、次の目的地へ向かって歩き出した。

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