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人の姿になった幻獣達が、不思議な世界で仲良くワイワイする話  作者: 土鳩
第2章 ノットルート・プロムナード
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第1話 町へ行く


⸺どの世界にも属しきれなかったもの達が流れ着く世界【オービット】へ、

かつて、何かに導かれるように数多の幻獣達が辿り着いた。


はじめは混乱し、争い合っていた彼らも、

やがて緩やかな秩序を得て、

それぞれの居場所を形作っていった。



森に抱かれた憩いの地、

東の宿場町【ノットルート】


流れ着いたモノが積み重なる、

西の交易街【ベイルラック】


潮の気配を色濃く宿す、

南の港町【カレントスピア】


知を求める者が集う、

北の学術都市【フロストエイン】


そして⸺オルビスの大樹の麓、

遺されたものが眠る中央都市【レムナント】



島の東西南北、そして中心。

それぞれが異なるかたちで、この世界に根を張っていく。


オルビスの大樹を囲むように、

今日もまた、行き場を失った存在達が、

静かに営みを重ねている。


はたしてそれは大樹の意思なのか、

それとも⸺









⸺騒動から一週間。

まるで悪い夢でも見ていたかのように、日常はすっかり平穏を取り戻している。


ジャックは今日も家の作業スペースで、乾燥させた薬草を選り分けていた。


彼女は薬草や素材を採取・加工、木の実やハーブを調合してスパイスを作ることを生業としている。

定期的に町へ出向いては、食堂にはスパイスを、診療所には薬草やその他素材を加工した薬の原料を卸していた。


そのため森の奥、町から程よく距離を置いたこの暮らしは、素材調達の面を踏まえてもジャックにはちょうどよかった。


ミラはというと、町へ出ては道案内や力仕事を引き受け、物品やチップを受け取っている。

今日も出かけているところを見るに、同じように働いているのだろう。


⸺心配だ。


タマも町にいる。

町に引き渡してからのことは分からない。関わりたくなければ知りたくもない。


しかしミラはどうだろうか⸺また、変なことに巻き込まれていないだろうか。


ジャックはその思考を振り払うように頭を振ると、作業へ意識を戻した。


…手元が狂う。集中が続かない。


(あぁっ!もうダメだわ…)


選り分けていた薬草を袋にまとめ、乱雑に引き出しへ押し込む。

代わりに、以前調合しておいたスパイスの在庫と、いくつかの薬草と液体の入った小瓶、干からびた作物のような物を取り出した。


(あの変態がミラに…いや、町のみんなに危害を加えていないか、確かめに行かないと…!)


目立った噂は聞こえてこない。

どんなに真面目でまともに見えたとしても、もう一週間は経っている。流石にボロが出る頃だ。何も起こしていないはずがない。


気づけば、足は外へ向いていた。


こうしてジャックは、

不安を払拭するように、町⸺【ノットルート】へと向かったのであった。


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