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プロローグ
赤、黄、茶、橙、栗、鮮緑、空。
彩る七つの色が更なる七つと交わる。
赤、橙、黄、緑、青、藍、紫。
目に見える色。世界はそれらで紡がれる。
重なって、揺らいで、変じ、現出する。描かれる景色はいつだって偏在し、不変の理を内包する。
6、20、4、8。ピスだけでは知りえない真理に、もう一つの真実を合わせて答えへと至る。
4、3、3、3。隣の自分が語るケスだけの世界。共感の無い理解を経て、二つの感性がたった一つの物語を紡ぐ。
目に見えぬ世界はいつだって隣り合わせ。不可侵にして最奥は、静謐なる未来を今に変える。
それはきっと、12の理。未だ秘された五つ目の、欠けて儚い最後の希望。




