第五十六話拓巳編「ガチムチとエアーブレイカー」
おはようございます。
那祢です。
新キャラ二弾。
影虎さん。
大工のガチムチ。
かなり真面目な方です。
それに対するエアーブレイカー。
どうなることやら。
またあとがきで。
事件が起きてから一ヶ月たった。
その間、会社を療養中で休んだ。
リハビリをしてなんとか松葉杖で歩けるようになった。
そして、退院の日。
「高根さん、今日退院ですか?」
「ああ、影虎さん。」
病室を片付けをしていると後ろから声がかかった。
影虎さん。
同じ骨折仲間で仲良くなった方だった。
ちなみに俺より後に入院した二十歳の男性。
「そうなんですよ。やっと退院できます。」
「高根さん、一ヶ月間お疲れ様でした!」
体育会系のノリ。
そう、彼の仕事は大工なのである。
仕事中足を滑らせて二回ぐらいの高さから落ちたと言ってたけど。
そんな様子は全く見られない。
ガチムチだからだろうか?
「高根さんいなくなるなんて寂しいです。」
「まあ、ゲーム出会えるじゃないか。」
「まあ、そうっすね!」
ちなみに俺がチェインリングスをしていたのを見てやり始めた。
キャラはガチガチタンク系。
ギルドの長とも病院で会ってるのでギルドに入っている。
龍さん、あの後も何回か見に来てくれる。
優しいひとだ。
「でも、俺に会いたいだけじゃないんだろう?」
「な、何をいっているんですか!?」
そう、彼の目的の一つは。
「たっくみさーん。」
「いきなり騒がないの!!!」
「・・・あなたの方がうるさい。」
あー来た来た。
お見舞いに来る女子高生たち。
騒いでるのは卯月と千鳥、あと丑ちゃん。
「お前らうるさいから静かにしろ。影虎さんも来ているんだぞ。」
「あ、じ自分ならおか、御構い無く!」
緊張している。
どうやら男子校だったためあんまり女子の免疫がないみたいだ。
しかも・・・
「今日もカチンコチンですね。」
「あ、卯月さん。」
「だから『さん』はいらないよ!」
「あ、はい・・・・」
「女性に慣れないと!」
卯月は影虎さんの手を握る。
「うっ!!」
「だから慣れないとね?握手握手!!」
この行為。
男性にとっては生殺しだ。
特に卯月をとても好きなこの人にとっては。
「顔を赤くしない。クールに!」
「で、でも!?」
「デモもゲリラライブでもありません!大の大人が出来なくてどうするんですか!」
「うー。」
「唸らない。」
仲良く握手をしている。
まあ事の発端は俺だ。
「影虎さん、女性苦手なんですか?」
リハビリしていた俺が影虎さんと話をしていた。
「そうなんですよ。俺、男子校だからあんまり接点無いので。」
「そうなんですか。」
そんな話をしてリハビリルームから帰ってくると・・・
「お帰りなさい。拓巳さん。」
「遅かったですね。何してたんですか?」
「千鳥さん、頑張っていたんだからそう言わないの!」
未歩と千鳥、丑ちゃんが病室にいた。
「あ、お見舞いありがとう。今日は千鳥もいるんだね?部活休み?」
「試験前だから。まあ道場ではやってます。」
「流石だね!」
「そんなこと・・・・当たり前だし。」
千鳥が照れている。
その姿を見て
「高根さん、流石!」
いきなり影虎さんがそう言って頷いた
「何が?」
「だって普通に女性と話できるんですもん。」
「あー。それの事。」
「しかも、最後には相手の心をつかむなんて。」
「いや・・・・だからな・・・・」
そう言った時だった。
「じゃあ私と仲良くすれば良いじゃない。」
話に割り込んできた者がいた。
卯月ちゃんだ。
顔も割り込んできたので。
「「うぉう!」」
驚く俺たち。
「ふふふっ。どうしたの?変な声だして。苦手ならなれるしかないじゃん!」
平然と話す卯月ちゃん。
それに俺は・・・・
「そうだね。卯月ちゃんが慣れさせてあげたら?」
と言ってしまったのだ。
そう、病室で俺に興味がない卯月。
彼女の暇の矛先が影虎さんに向かったのである。
ちなみにみんなに聞くところ卯月もまんざらではないらしい。
未歩に聞くと学校では・・・・
「虎ちゃんの手ががっしりしてる。」
「くっつくと暖かいしガッチガチだよ!」
等毎日話している。
そのためか。
ー ムギュっ! ー
未歩は布団に隠れて手を握ってたり千鳥はスキンシップしたり。
一人できたときは頬にキスしたりと大変だった。
「じゃあ、みんな来たし退院しよう。」
「あ、荷物持ちます。」
「私も!」
「ありがとう。荷物持ちなんて面倒な仕事任せて。ごめんね。」
「いえ、そのため来たんですし。」
その姿を見て卯月が動き出そうとしたが
「卯月、お前はいい。」
「うーちゃんはそこにいて任務を全うしてください。」
冷たい千鳥と優しく微笑む未歩。
そして恥ずかしいのか真っ赤な影虎さんとハニカミしている卯月。
二人とも好き同士ならば邪魔しないでおこう。
「あとはまかせた。卯月。」
そう言うと
「わ、わかりました!心身お世話します!」
と大きな返事が帰ってきた。
その台詞に影虎さんが驚いている。
「またな。影虎さん。」
そう挨拶して病室を後にした。
ナースステーションに挨拶。
下で入院の支払いの話をして俺たちは大好きな自宅に戻る事にした。
「どうなっているんだろうか。」
不安を抱えながら。
エアーブレイカー卯月。
彼女も女性なんです。
それだけを作者は言いたい。
そんなエピソードでした。
次回は帰宅編を書きますのでよろしくお願いします。
那祢でした。