サブストーリー第ニ話涼子編「計画失敗、そして芽生えるもの。」
那祢です。
更新が遅くなりました。
内容はどんどん出てくるのですが
文を書くのが苦手と最近わかりました。
今回は芦川さんのストーリー。
楽しんでもらえたら嬉しいです。
ではまたあとがきで。
私は見てしまった。
大好きな先輩が・・・・
どうして・・・
ことは数時間前・・・
私は急ぎ足で先輩の帰り道を早歩きしている。
今日、私は先輩の帰り道で偶然出会う手はずを組んでいた。
しかし・・・
-あの粘着親父が!-
ただ、上司が邪魔をしたせいで計画に誤差が出てしまった。
私は用事があると言って切り上げようとしたがすぐ返してもらえなかったのだ。
だから先輩に会うため早歩きなのである。
私はあの人がいつも帰る道バス停などをしっかり覚えている。
だって先輩のこと大好きだから。
当たり前だよね?
私の心はいつも拓巳先輩でいっぱい。
どうしてそこまで好きなのかというと・・・
私と先輩との出会いは私が駿林高校三年生の時だった。
世間で高校生とは恋や青春などしているようだけど私は違っていた。
まあ、違う意味で青春していた。
私の学校内ではギャル、オタクが主流だった。
でも私は珍しいヤンキーの部類だった。
注意してもらいたいのはヤンキーと言ってもタバコは吸わないし特効服なんて着ていない。
よく絡まれて一人で数人の相手に喧嘩をするぐらい。
ちゃんと拳のみでだよ?
昔に習っていた空手のお陰かな。
その為、近隣の高校生の男女問わず恐れられていた。
なので『舎弟』というものがたくさんいた。
そんな彼ら、彼女らをいつも引き連れて歩いていた。
-私は一人が良いのに。-
口ではそう言っていながらも私を慕ってくれるこの環境がとても心地良かった。
ある日のことを仲間の一人が電車内で痴漢にあった。
そして、彼女は一人の男性をその場で捕まえた。
その人はまだ若い会社員だった。
「痴漢!この人痴漢です!」
「えっ?」
「今、私のお尻をさわったでしょ!」
「俺はさわっていない!」
私はすぐに痴漢をした会社員の顔を確認した。
すると、痴漢をしたのがこの人ではないとわかった。
何故してないとわかるのか。
理由はそのとき、私はこの男性に電車内でずっと見ていたからだ。
満員バスで揺れたとき会社員の男性が私の方に倒れてきた。
その男性は私にぶつからないように片手で耐えていた。
いわゆる乙女のロマン、壁ドン。
「満員で動けないからこの体勢でごめん。もうちょっとしたら目的地に着くから。」
そう言いながら片手で私にぶつからないように耐えていたのを覚えている。
痴漢騒ぎになったはそのあと彼が降りよう動き出した時だった。
バス内がぎゅうぎゅうだったので彼は鞄を両手に抱えながら持ち昇降口まで移動していた。
なので、お尻をさわれるはずがない。
弁護をしようと二人に近寄ろうとするが満員なので進めず、着いたバス停でふたりは扉が閉まるタイミングで降りてしまう。
私は次のバス停で降り、走って後輩の元へ向かった。
「あっ!!」
警察が来て大騒ぎをしていたのだ。
-でも、ヤンキーが説明しても聞いてもらえるか?-
不安だったけど、私がこの状況を警察に説明する。
すると、警察は男性の無罪が分かり男性は解放された。
すると男性が近寄ってきた。
痴漢騒ぎをしたのが仲間だとばれているので何を言われるかドキドキした。
しかし男性は・・・
「また会えたね。走ってきてまで説明してくれてありがとう。じゃあ、俺は会社行くね。助けてくれてありがとうな。」
そう言って彼は私の頭を撫でて会社に向かった。
「何を気安く涼子さんの頭を触って・・・きゃ!!」
「お前、五月蠅い。」
「は、はいっ!」
私はキレて怒鳴ろうとした後輩をドついた。
間違えられたのにいろいろ言わずむしろ感謝をするあの人。
電車内では私を守るようにしてくれた。
その出会いが私の恋の歯車が回り始めた時になった。
私は一生懸命勉強をして彼と同じ会社に入った。
そして同じ部署につくように上司にお願いした。
それが私、芦川涼子の会社への入社理由である。
さて、話を戻して・・・
しばらくすると先輩が確認できる距離まで来た。
-よし!今日こそ二人で飲みに行って先輩の家までお持ち帰りされるんだ!-
私は今一度服を確認する。
服装もこの日のためにいつもと違うゆるふわファッション。
勝負下着をつけてきた。
歩いてる最中、声をかけてくるナンパも結構多いくらいだった。
でも、私はあの人一筋だから。
息を吸い、さあ、先輩のもとへ。
しかし、次の瞬間目を疑った。
「えっ?だ、誰なの?」
先輩はびしょ濡れでボロボロになっている女子校生を見つめ会話している。
すると、鞄からタオルを差し出した。
タオル・・・
テレビでやっていた今日の占い。
先輩のラッキーアイテムはタオルだったような?
「どうやって持っていくのか。」
「先輩じゃ流石にタオルは持っていかないよね。」
「先輩が持ってきてたら笑えるのに。」
私そんなことを私は会社に行く前に テレビに一人呟いていた。
それがまさに持ってきているなんて・・!
すると先輩は優しく拭きだした。
しかも女子高生が先輩の胸の中に飛び込む。
まさに抱き締められているみたいに。
回りを気にしないでタオルで一生懸命、女子校生の頭をゴシゴシとしている先輩。
吹かれている女子校生はとてもおとなしく拭かれている。
その光景を見た私には心に沸々と芽生えるものが。
嫉妬、欲望、妬み。
-そこには私が!私がいる場所!-
-なんであの子がいるの?むしろ誰なの?-
-先輩に抱かれるのは私だけ!-
-あの子は誰?なんで情報にないの!-
そう思いがぶつかり合い二人の方を見る。
すると、バスが来ていた。
そして二人はバスに乗り込む。
「ま、まって!!」
私は間に合わなく、二人を乗せたバスは遠く遠く行ってしまった。
愕然として立ち尽くす私。
目の前が真っ暗で頭の中がグジャグジャになった。
おつかれさまです。
今回はいつもより少し長めでした。
次回も芦川さんの憂鬱・・・
ではなく芦川さんのストーリーをかきますので
よろしくお願いします。
那祢でした。