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能無しの烙印を押され、勇者パーティーを『追放』された俺が、実は『最強』だった『不浄』の力で、気づけば『英雄王』に成り上がっていた件  作者: 一 弓爾
勇者パーティー編②

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第40話 勇者パーティーは……

 場面は少し前の勇者オーレンへと移る。


「クソッ! 能無しの作った不浄煙玉のせいで、勇者の装備が全部俺のもとを離れちまった……。最悪だ……! 不浄の影響は三日経っても治りやがらねぇし!」


 俺は平原にあった大きい石を乱暴に蹴り飛ばす。


「ちょっと、うるさいよ! 私達も不浄におかされて治らないんだから、似たような状況なのよ! 一人でイライラして物に当たらないで!」


 魔導士のサンドラが声を荒げる。


「そうですよ。物に当たっても何も状況は良くならないのですから……」


 聖女……否。不浄に侵された〝元〟聖女のリサが声を出す。


「お前らはそこまで影響ねぇだろ! 俺は勇者だったんだぞ! その証の勇者の装備が全部なくなった! 俺は……俺はどうなるんだよ!」


 俺は怒り任せに叫ぶ。


「そこまで影響がないとは心外です! 私は聖女とは言えない身体になったのですよ⁉ しかも知らない間に……! 納得がいっていないのは私も同じです!」


 普段は穏やかなリサが怒りで声を大きくしたようだ。


「黙れ、黙れ! ルミナス・ブレイヴのリーダーは俺なんだぞ⁉ 俺に歯向かうんじゃねぇよ!」


「何めちゃくちゃなこと言ってるんだい! ……ああ、もうこんな所で喧嘩してても仕方ないでしょ! とりあえず、ヴェルを探しましょう。あいつなら、不浄を治すこともできるかもしれない……」


 サンドラがイライラした様子で声を出す。


「ちっ……! まあ、サンドラの言う通りだ。あの能無しはどこに行ったんだ? 本当に肝心な時にいない野郎だぜ!」


 俺は苛立ちを吐き出す。


 直後、圧倒的な恐怖を感じる。


 こう……心臓を冷たい手でわしづかみにされているような、冷ややかな感覚だ……。


「な、なんだ……? 後ろから、感じる……」


 俺達は振り返る。


 そこには、一七〇センチメートルほどの黒いローブを頭から纏った、瞳の赤く輝く妖艶ようえんな女のような何かがいた。


 ただし、俺の感覚が告げる。こいつは人間ではない……と……。


「何者だお前……? 俺達が勇者パーティー、ルミナス・ブレイヴだと知ってのことだろうな⁉」


「……やはり、お前達が勇者パーティーなのね……。なんだか、聞いていたよりも弱そう……」


 妖艶な女のような何かは、がっかりしたように声を出す。


「ああ⁉ 舐めてたらぶち殺すぞ……⁉ 名前くらい名乗りやがれ!」


 俺は恐怖を隠すように、大声を出す。


「口の悪い男ね……。でも、いいわ。名乗ってあげる。私は魔王軍幹部、四天王が一角リュミセルダ。勇者が近くにいると聞いて、見にきてみたの……」


 言葉一つ一つになまめかしさを感じる。


「舐めてんじゃねぇ! 四天王だか知らねぇが、一体で来るとはいい度胸だ……。ぶち殺してやるよ……!」


 俺はえる。


「一体……? ああ、お前には一体としか認識できないのね……」


 リュミセルダは、再度がっかりしたように声を出す。


「俺は今イラついてんだよ……。口には気をつけろよ……?」


 俺はたった一体で目の前にいる、魔王軍幹部、四天王の一角に恐怖もしていたが、それ以上に心躍っていた。


 こいつを殺せば、勇者の装備がなくても、俺が勇者だという証明になる……!


「ちょっと! オーレン! こんな化物相手に勝てるの⁉」


 サンドラが大声を出す。


「そうです。私達はただでさえ、不浄に侵されているのです。元々の力も出せないのですよ?」


 リサは比較的冷静に言葉を紡ぐ。


「それがどうしたってんだ? 相手は一体だぞ? それにここで武功をたてねぇと、俺達勇者パーティーは終わりだ……。やるしかねぇんだよ……!」


 俺は覚悟を言葉に換える。


「それは……。……やるしかないか……」


 サンドラは静かに覚悟を決めたようだ。


「わ、私は、もう聖女の力はほとんど使えませんよ? 回復も少ししかできない。……ですが、全力でサポートします!」


 対照的にリサは、熱く覚悟を言葉にする。


 はぁ……。リサはほとんど使いものにならなさそうだな……。


 最悪、おとりに使うか……。


「いくぞ……!」


 俺は盾を構え、リュミセルダに突っ込む。


「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


「今後どうなるの!!」


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― 新着の感想 ―
オーレンパート待ってました。 突然現れた四天王...胸熱ですね 勇者としての矜持を見せるのか、このまま口先だけで終わってしまうのか… 続きが気になります!
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