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魔国の日常  作者: 盗賊
79/130

勇者の危機に……

 なんか、あれですね。シリアスだと、めっさ長くなりますね……。すんませんっっっ!! これからもそんな感じですっっっっっ!!

 荒野・荒れ野エリア

「もうすぐ半分だな」

「そうだねえ。折り返し地点?」

「これからどんどん厳しくなっていくと思いますので」

「絶対に気を抜かないで、そして……」

「「突っ走って隊の調子を乱さないようにお願いします」」

「……」

「騎C、ちゃんと忠告は聞けよー?」

「あははっ、レベル三こそ、足手まといにならないようにねっ」

「なんだと!!」

「「はいはい、いきますからね?」」


 荒野・森エリア

「なんで、今日は、こんなにっ!!」

「んー、知らないっ、けどさぁ、なんか俺ら狙われてない?」

「と、いいますかっ!」

「勇者さん、囲まれてません!?」

「なんで私がぁ!?」

 たくさんの上級キノコ兵や、キノコに囲まれる騎C隊。

「まぁ、いいんじゃなぁい? 楽しぃし!?」

「そんな悠長なこと言ってる場合か!!」

「隊長に説教しても無駄ですし」

「でも、こっちの方が楽ですよ」

「なんでだ!?」

「だって」

「そのほうが」

「「他の隊が進めるでしょう?」」

「……」

「あはっ☆」

「隊長どっかいかないで!!」

「あなた時々とんでもない迷子になるんですから!!」

「「両方の意味で!!」」

「騎C!! おいこら待て!!」

 ゾクゾクを追って、二重の意味でどこかにいきかける騎C。

「あんまり怪我するなよ? 盗賊がまたぶっ倒れることになるんだからな!?」

「あ、それは困るぅ……。しょうがないから、ちゃんと正気たもつぅ~……」

「それがいい」

「……盗賊さんの影響力って……」ひそひそ

「……あの隊長が素直なんて……」ひそひそ

「「……どんな呪い?」」ひそそっ


 魔王天幕

「誰が呪いか!! くしゅっ!!」

「どうした盗賊? いきなり叫んで、くしゃみして……風邪か? 頭の……」

「誰が頭の風邪か!! てか、頭の風邪ってなんだ!!」

「いや、そういう~?」

「魔王、あとで覚えておいてね?」

「やだー」

「……」


 荒野・森エリア

「痛い」

「むやみに突っ込むからだ」

「いたーい、ゾクゾクなしに痛いのってつまんなーい」

「……」

「隊長のテンションが低い……」

「これはこれでめんどくさい……」

「そうなのか?」

「「はい……」」

「そんなことないよぉ~……」

 びゅんっ、ざしゅっ、どさっ

「いや、あるだろう? 動きが雑だ」

「あ~、戦闘センス皆無の勇者にそんなこと言われたぁ~、傷つくわぁ~」

「語尾が……だるだるじゃないか……」

「そうかなぁ~?」

「と、いうか、戦闘センス皆無じゃない!!」

「遅いねぇ~」

「ねぇ、隊長」

「何?」

「森だとキノコが活発になるじゃないですか?」

「そうだねぇ」

「だったらもう、この際森ごとキノコ焼き払っちゃいません?」

 動きのしづらい地形で、やりたいようにやれず、騎C隊の皆にもイライラが募っているようだった。暗い笑みを浮かべながら提案する。

「あぁ、それいいねぇ」

「よくない!! よくないぞ!! 環境破壊もいいとこだ!!」

「あ、そっちぃ~?」

「違うのか?」

「……誰かツッコミ!!」

「勇者さんが天然疑惑です!!」

『キノコごと燃やしてもいいんですねっ!?』

 仕方なく出てきたナレーター。

「敵だからいいだろう?」

『……キノコ倒せないやつが何を言いますかっ!!』

「う、うるさいぞナレー!!」

『だぁらっしゃい!!』

「やっと見つけたんですっ!!」

 羽妖精登場。

「あ、この前のちびっこ!!」

「誰がちびっこなんです!!」

「お前だよお前!!」

「あたしの種族はみんなこの背なんでーすっ!!」

「そんなことはどうでもいいだろう!!」

「そうなんですっ!! 勇者ぁ!! あたしたちとくるんです!! “勇者”が魔王の味方なんてしちゃいけなんでーすっ!!」

「型にはめるな! ちゃんと魔王自身をみろ!! 魔王は、アリにまで心を配るいいやつなんだぞ!!」

「そんなことありえないんです!! 魔王は、悪なんです!! 絶対絶対許せないようなやつなんでーすっっ!!」

「そんなことないよぉ。俺、半端者だからあちこちで嫌な扱い受けたけど、魔王様はそんなこと気にしなかった」

「騎C?」

「ねぇ、羽妖精? 俺と勝負して? 正々堂々、ね? ……騎士として、主人がそこまで侮辱されて黙ってらんない」

「隊長が……」

「本気だ……」

「魔王の部下のことなんて、信じられないんです!」

「負けるのが怖いの? じゃぁ、君のご主人も、所詮はその程度ってことだね?」

「なっ!! あの方を侮辱するのは許せないんです!!」

「俺も同じだよぉ!! 主人の名誉をかけて、一対一で戦わない?」

「作戦終了までに、決着がつくといいんですっ!!」

「それは受けたととっていいんだよねぇ!?」

「のぞむところでーすっっっ!! “銀稲妻の蜂スピア”!!」

 いつもよりも素早い、鋭い銀色の蜂と、騎Cの剣が合わさる。

「「隊長っ!!」」

「お前ら、下がってろ!」

「おじちゃんたちもですっ!!」

 誰も口出しができないような雰囲気。

 右から蜂が来る。騎Cはそれを弾く。

 左から来るものを、切り裂き、後ろから来るものを交わす。

「くっ!!」

 新たに蜂を出そうとするところに、騎Cが飛び込み、肉薄する。

 羽をもつ妖精の身軽さで、迫る剣を、ひょいっとかわす。

「いつまで逃げられるかなぁ?」

「正々堂々なら軽口なんて叩いてるんじゃないんです!!」

「それもそうだねぇ……」

「おじちゃんたちの敵、負けるもんですか!!」

「そのイキ」

 羽妖精は避けることに専念し始めた。騎Cの隙ができるのを待つようだ。

 騎Cは攻撃の手を休めない。逃げ疲れるまでやる気持ち。

「まぁ、だからと言って? 周りが周りに手を出さないわけではないのじゃよ?」

「!?」

 勇者、後ろから樹妖精に羽交い絞めにされる。

「はなっ、せ!!」

「勇者さん!!」

「おまっ、ぅ!?」

 樹妖精が動き出してから、すぐにキノコ兵も動き出した。

 部下一、二も、キノコ兵に阻まれて、勇者の下へいけない。

「勇者っ、自分で何とかして!!」

「分かってる!!」

 勇者、思い切り足を踏みつける。

「いっ!?」

 思わず緩めた手から抜け出し、エルボーをかます。

「!?」

 ノックダウン!!

「オジサン!?」

「ゆ、勇者……?」

 戦いの最中の二人の動きが一瞬止まる。

「おじさーんっ!!」

「どこでそんな技ならったの……?」

「魔王に仕込まれた」えっへん

「……へーか……」

「お、おじさんの敵―!!」

「うわっと!?」

 突っ込む羽妖精を軽くかわす騎C。

「「よかった」」

 ほっと息をつく部下一、二。

「くっ、ここでやられて、たまるか……」

 復活した樹の精がよたよたと逃げ出す。

「あ!」

 よたよたのくせに素早い。

「こら待て!!」

 追いかける勇者。

「待つのは君の方!! 離れるなよ勇者!!」

「あなたの相手はあたしなんです。行かせないんですっ」

「っ、この前の仕返しのつもりかな?」

「どうでもいいんですっ」ふんっ

「くそっお前たち!」

「くっ、勇者さん!」

「なんで勝手に行っちゃうんですか!!」

 キノコ兵に囲まれて、勇者の下へいけないパートツー。

「このっ×××!!」

『放送禁止です!!』

「チッ!!」

「ふふんっなんですっ」

「勇者になんかあったら、覚えとけよ、お前ら?」

「……え、それって」

「俺らも含まれてます……?」

「……当たり前だろっ?」にこっ

「「……勇者さん、無事でいてくださいっっっ!!」」


 魔王天幕

「あ、勇者、そっちはだめ……っ」

「盗賊?」

「まお、どうしよう、勇者、ダメ……」

「落着け? 落ち着いて、話せるか?」

「勇者が危ない」

「危ない?」

「そっちは行っちゃダメなんだ」

「大丈夫か? 顔真っ青だぞ?」

「勇者が、勇者が……っ」

「……もちつけ?」

「……ぺったんぺったん?」

「おけ、大丈夫そうだな?」

「ツッコミぃ!!」

「よし、いつもの盗賊だな」

「ぁ、……そうだねっ、焦っても仕方ないにゃぁ!?」

「……うん、焦ってんな? ……どうしてそんなことわかんだ? 勇者がどうのこうのって」

「だって勇者のことだもん。俺はわかるんだ。だって、うん……」

「どうした?」

「……だって、そうだよ、勇者を守るのは俺だよ。だから、ちょっといってくるねっ」

 天幕の外に出ていく盗賊。

「ハぁ? いく? いくってどこに?」

 それを追う魔王。

「もちろん勇者の所さね。なんで俺ワタワタしてたんだろ。行って守ればいいだけのことだったね」

「ハ? おい、ちょっ!?」

「魔王、俺がいなくなっても結界は持つから。あと、転移魔法陣用の結界は今あるだけしかないからね。大事に使うように言ってね? それじゃ!!」

 盗賊、ワンピースの下にズボンをはいた、ゆるふわウェーブ女ver。背中に、真っ黒な羽を生やし、飛び上がる。

「またね」……にこっ

「あ、おいっ!! ……だーもうっ! なんなんだよっ!!」

「……魔王様? 今のは……」

「盗賊だよ! あのバカ、勇者がどうとかって言ってどっか行っちまいやがった!!」

「……盗賊? 盗賊は、人間ではないのですか?」

「あ? 人間だろ?」

「……普通の人間は背中から羽など生やしませんよ?」

「変身魔法とかそういうんじゃねぇの?」

「いえ、魔力の感知ができませんでした。魔法ではないでしょう」

「じゃぁ、なんだってんだ?」

「さぁ、そこまでは……」

「……ここでさらにキャラ付するか謎の人ぉぉおおおおおおお!!」フェードアウト


 荒野・森エリアから出て少し、砂漠との境界線付近。

「やっと追いついたぞ!」

「……ふふっ、ふははっ、ふははははははははは!!」

「な、なんだ!?」

「バカめ! 追いついたのではなく、追いつかせてやったのだ!!」

「ま、負け犬の遠吠え、か?」

「そんなわけないだろアホめ!!」

「さっきから暴言が酷いぞ!」

「“設置式魔方陣・木偶の踊り場”!!」

 金緑の魔方陣が現れて、そこから木彫り人形が続々出現する。

「なっ、うりゃ!!」

 勇者の復活は早かった。すぐさま剣を抜いて応戦する。

 ぱきっばきぃ、みしみしみしっ

「なんだ……? 弱いじゃないか?」

 戦力は皆無。防御力も皆無。脆い気の人形は、ゆったりがくがくしながら近づいていき、勇者に倒されるだけの存在。

「それはどうかな!?」

「なに!?」

「……」

「……」

 ……

「……」

「……なにもないのか!!」

「ふっ、焦らずとも……」

「……」

「……」

「……なにもないじゃないか!!」

「……お、おや?」

「おいぃ!!」

「おかしいのぉ……」

「騙された!!」

「……」

 それは、ゆっくりゆっくり進む……

「もう、邪魔、だ!!」

 ばきっ、みしっ、ば、きぃぃんっ!!

「なっ!?」

 木偶が動きを変えた。強度も増している。勇者が払った剣は、木偶の腹にのまれた。

「このっ、このっ!!」

 抜けない。それどころか、木偶が攻撃をしていたので、剣を放して後退せざるおえなくなった。

「くそっ!!」

 蹴ったり、殴ったりで応戦する。だが、そんなもの肉球のある手でぺしりとされた程度。つまり、どうってことない。

 だんだんと囲まれ、輪が狭められ、追い詰められていく。それどころか……

「まさかっ!?」

 発動している魔方陣を囲むように金の光がはしり、キノコ兵が出現した。

「これで終わりだな、勇者ぁ!!」

「こんなところで終わってたまるかぁ!!」

「やれ!」

「ですが、えんじぇる様は生きて連れて来いと……」

「構わん、これはえんじぇる様にとって猛毒になる! えんじぇる様のことを思うのであれば、やれぇ!!」

「は、はっ!!」

 槍を構えたキノコ兵。勇者に向けて、走り出した時……

「勇者ぁぁああああ!!」

 盗賊が突っ込んできて、地面に着地後、勇者の手を取って、森の方にぶん投げた!!

「マジかぁ!!」

 とばされた勇者。結構な高さがあったが、

「ちょっ!? ナイスキャッチ、俺!!」

 騎Cがちょうど抱き留めてくれた。少しスライディング気味に……

「騎C、あと頼むよ?」にっ

 ぐさぐさぐさっ

「……拒否権ないじゃないか」ちっ

「ちょっと待て、盗賊は!? 盗賊ー!!」

 騎Cに荷物担ぎされて、離れていく勇者。

「盗賊か? なぜこんなことをした?」

「勇者のためならたとえ火の中水の中。それがたとえ、地獄の道でも」けふっ

 優雅に一礼して見せる盗賊。

「ふんっ。わっぱが」

「そのまま返してあげるよ。ガキが」

「……死んでも後悔するなよ!!」

「上等だよ?」

「くっ、やれぇ!!」


「放せ! 盗賊がっ!!」

「黙って担がれてて! だいたい、レベル三が行ったところで足手まといだよ!!」

「だが、だがっ!!」

「それに、俺は盗賊さんに頼まれたんだ。勇者をちゃんと逃がさないといけないんだよ」

「だが……」

「大丈夫だよ、きっと、だって、盗賊さんだもん」

「……」


「けふっ……」

「はっはっ……手こずらせおって……どうだ? 地面に這いつくばって、砂をなめる気持ちは?」

「……ふふっ」

「何がおかしい!」

「……勇者がここから離れた時点で、君の負けだよ」

「……死ね」

「あはははははっ」

「ちょい、待ちぃ~」

「っ」

「……」

「勝手なことしたらあかんでぇ~」

「えんじぇる様……っ」

「……おやおや、黒幕のご登場かな? こんなチョイ役に、ありがたいことですね」

「ほーか? だいぶ活躍してると思うんやけどなぁ~」

「……」

「まぁ、ええわ。これからも活躍してもらお思ってきたんやでぇ」

「……?」

「わしらのとこで、なぁ……?」

「っ」


『勇者は無事に魔王軍野営地に帰りました……』

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