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魔国の日常  作者: 盗賊
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騎C的にちょっとうれしかった展開?

『はいどうも。ナレーさんです。何があったかわかりませんが、塔までの道のりも三分の一を過ぎたころです。荒野を縦断、最短をできる限り進んでおります』


「だいぶとばしたね……」

「しょうがねぇ、戦争経験なんてものは、無いからな……」

「いや、だろうけどさ……」

「てか、何書いてんだ盗賊?」

 魔王天幕

「ん? あぁ、この話のネタにさ、この戦争? 帰ったら書いてやろうと思ってさ」

「お、いいな」

「でしょう?」


 荒野、砂漠エリア

「ん? いつもと違う?」

 キノコの出現率ダウン。

「騎C、なんか……」

「勇者、あんまり離れないで。お前ら、周り見てろ」

「分かってます」

「隊長こそ、突っ走んの禁止ですよ?」

「さすがにねぇ……い・ま・は、だけど……」

「「「……」」」

 砂漠の真ん中に光が出現した!

「来るよっ?」

「「はいはいはい」」

「……騎C隊は緊張感というものが……」

「その言葉、そっくりそのままかえ……」

「「きますからっ!!」」

「そうなんですっ。来たんです!!」じゃじゃーんっ

 羽妖精+上級キノコ兵

『上級キノコ兵は、あれです。ちゃんと命あるキノコですね』

「勇者、戦える?」

「……行ける」

『上級キノコ兵は、可愛くないですね……。大人キノコな感じです』

「大人キノコがわからんが、そういうことだ」

「そっちの事情なんてどうでもいいんですっ! 私は任務を遂行するだけなんでーす!! “銀光纏いし蜂スピア”!!」

「あ、だめだ。勇者、ダッシュ!」

「え、え!?」

「森に隠れてて!!」

「だがっ」

「レベル三が調子に乗んないのっ!!」

「森にキノコがたくさんだったとしても、そっちの方がましです」

「こいつらは別格ですよ?」

 勇者を守る騎C。

『ちゃんと騎士やってますよ! あの騎Cがっ!!』

「うる、さいなぁ!!」

 剣の鈍い銀が舞う。

 魔法の明るい銀が舞う。

 二つの銀が散り、赤が舞う。

 ぶしっ

「騎C!?」

「あはっ。……やっと楽しくなってきた」ニィッ

 ぞわっ

「勇者さん」

「早く行って!」

「「隊長が暴走する前に!!」」

「え、そっちか!?」

「「他に何が?」」

「あはっ☆ これこれっ! この味、この色、この空気っ!! たぁのしぃ★」ぺろり

「じゃ、じゃぁ、い、行きます?」

「「どーぞどーぞ!!」」

「あははぁ、うん、やっぱ盗賊さんの言うとおり。このゾクゾク感、さいっこぉ~♪」

 近くの森に逃げ込もうとする勇者。

「行かせないんですっ」

「君の相手はお~れっ♪」

「キャァッ!?」

「いっしょにゾクゾクしよぅよぉ♪」

「騎C、変なこと強要してるんじゃない!!」

「そうなんですっそんなことにかまけている余裕は……えぇ!? あれ、勇者じゃないんですっ!?」

「目の前の相手にだけ集中してほしいなぁ~?」ぶんっ

「なんで正義の味方が悪に味方するんです!?」ひょいっ

「そ、そんなことないっ!!」

「あなたはこっちにふさわしいんですっ」ぱたたっ

「魔王はいいやつだ!!」

「私たちと一緒にえんじぇる様と悪を滅ぼそうじゃないですかっ!!」くるりんっ

「ねぇ、君たち、ちょっと話かみ合ってないよぉ?」びゅっ

「あっちが聞かないんだろう!?」

「勇者、こっちくるんでーすっ!!」ぴかっ

 銀光が増え、激しさを増す。

「勇者、早くどっか行って!! お前たち!」

「はいはいっ。勇者さん、こっち!」

「俺らから離れないでくださいね!」

「お、おう!」

 部下一、二と森に走る勇者。

「待ちなさいっ」

「だからぁ、君の相手は俺っ、だって、言ってるじゃん!!」

「邪魔なんですっ! あなた一人にかまってるわけには……」

「だったらぁ、さっさと倒して先進めばぁ?」

「そうするんですっ」

 前から銀光、後ろからもたくさんの……

「っ」

 しゃがんでいったんやり過ごし、他をはじき、切り捨て、それでも足りずに傷が増える。

「言うほどでもないんですっ」

「……」

「何も言えないんです?」

「……あはっ」

「!?」

「あははっ、あははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!!★」

「な、こ、壊れたんですっ!!」

「たぁのしいねぇ、楽しい。ねぇ、もっともっと、遊ぼうよぉ?」

「ひっ、や、ヤバいんです! この人、ヤバいんでーすッッッ!!」

「逃げないでよ?」

 後ろを向いて、引いた羽妖精の前に、間をおかずに現れる騎C。

「ヒっ!?」

「ねぇ、久しぶりに、楽しいよ? ねぇ、もっともっとわくわくさせて?」

「ひくっ!!」

「簡単に、壊れたり、しないよね……?」

「……」

 ゆっくり振り下ろされる剣を、瞳を凍らせて凝視する羽妖精。

「……本当に弱い小動物とかって、殺されるとき、恐怖で動けないんだって。じっと相手を見て、殺されるのを待つの。……君もそう?」

「……ぁ……」

「つまんないね」

「……っ!!」

「羽妖精様!!」

 ギリギリで突き飛ばされる羽妖精。

「キャッ!?」

「ぐっ!!」

「?」

 代わりに真っ二つに切り裂かれたのは、上級キノコ兵。

「お、おじちゃんっ!!」

「……」

 返事がない。ただの屍のようだ。

「そのネタやめよう? 作者……」

 ……シリアスだから呼ばないでほしいのですが……

「ツッコまざるおえないネタをぶっこむあなたが悪いよね……」

 説明さんがただ事実を述べただけですが……?

「えぇー? そう?」

「お、おじさんの敵なんです!!」

 さっきよりも大きく、鋭さを増す、蜂の針。

「それはいいけど、敵は俺だけじゃないんだよ?」

「え?」

 周りを見ると、かなりの数のキノコ兵がやられている。

「なんでなんです!?」

「こっちに集中した君が悪いね」

「え!?」

「うちの部下もだけど、魔王軍にバカはいるけど、頭が空っぽなザコはいないんだよ?」

「くっ、た、退却なんでーすっ!! みなさん逃げましょう!!」

「「わかりました……っ!!」」

「この借りはすぐにでも返してやるんですっ!! 覚えておくんです!!」

「あはっ、負け犬の遠吠え―」

「悔しいんですっっっ!!」

 光が辺りを包み、消えるころには羽妖精たちも消えていた。

「……」

 騎C、少し苦しそうに顔をゆがめた。

「大丈夫ですか?」

 魔法職の人が話しかける。

「ん? 何がぁ?」

「怪我」

「これくらいなんとも~……っ!?」

 魔法職の人が、容赦なく怪我をつつく。

「ミツバチとかって、刺した針そのまま残していくんですよねぇ……」

「……痛いんだけど」

「あの騎C隊長も痛いと感じる心があったんですねぇ!!」

「……俺だって人だよ?」

「えぇ!?」

「……」

「あんまり意地はってないで、ちゃんと手当受けてくださいね。あぁ、でも、帰れといっても帰らないのでしょう?」

「当たり前」

「だったら、少しくらい痛み止めの魔法かけといてあげますよ。帰ったら盗賊様にでも頼んで治癒魔法かけてもらってくださいねえ」

「盗賊さん? ……また怒られそう……」

「ははは……」顔だけの笑い

「何?」

「別に」

「他の奴らにもこれかけといてあげてもらえる? どうせ帰んないやつばっかだろうし」

『意外と、ちゃんと隊長をしている騎C。他の隊の皆さんにまで気を配っています……』

「了解いたしました」

『羽妖精を退けたからといっても、勝利というわけではありませんでした。羽妖精の攻撃はかなりのけがを残していきました……』

「今日は早めにあげよう……」

「騎C? だいじょぶだったか?」

「あぁ、勇者ぁ? うん、楽しかった♪」

「楽しさは別に聞いていない……」

「そう~? あ、勇者、もうさっさと進むからね? 置いてかれないように~」

「いや、お前がさっさととか言ったら、他の奴らほぼついてこれないぞ?」

「えぇ~、みんな頑張ってよぉ」

「いえ、あなたのステイタスは異常です」

「他の人にも求めないでください」

「えー」


 魔王天幕

「けが人の手当てはこっちですー!!」

「薬は大事に使ってください!!」

「誰か治癒魔法使える人!!」

『今日は治癒班が大忙しです。盗賊さんもかり出されています』

「治癒魔法使える! けど、少し待って、こっち切り終わったら……」

「切り終わったら!?」

「切って針出すの。それはやっといて」

「わかりましたっ」

「なじんでるねぇ。盗賊さん……」

「そらまぁ、って、何してんだ騎C!?」

「何が?」

「十以上刺されてんじゃない!?」

「あー……」

「バカァ!! 何してんのよぉ!! どうせ、あれでしょ? ゾクゾクが大事で自分のこと考えてなかったんでしょー!!」

「……てへっ☆」図星

「勇者は怪我とかしてないわよね!?」

「あー、だいじょぶだ」

「よかった」

「盗賊さぁん、俺の心配は?」

「さ・つ・い……☆」

「けが人なのにぃ……」

『自業自得というものです……』


『盗賊さんはちゃんとみんなの怪我を診ましたよ? そしてまた青い顔でふらふらしておりました……。そしてそして、モーブに癒されておりました……』

「役得役得……」

「そんなこと言えんなら余裕だな? 俺もういくぞ?」

「あー、ごめんってぇー……」

「盗賊さん、ごめんねぇ? お詫びに俺がちゃぁんと看病してあげるから」

「いい!! いらない!!」

「あぁ、ちょうどよかった! お前がいてくれんなら安心だなっ」

「安心じゃない!!」

「うん、大丈夫だよ」

「だいじょばないっ!!」

「んじゃ、俺晩飯の準備してくるから、後よろしくな」

「ねぇ、聞いて!?」

「りょうかーい」

「待ってモーブぅ!!」

「盗賊さん、林檎でも剥いてあげようか? うさぎさんに……」

「い、いらないっ!! それはいやがらせ!!」

「えぇー……」

「この前のだって!! 器用に立体のかわいいやつ作りやがって!! しかも目は皮残して赤くするとか無駄にすごい技披露しやがって!!」

「うん、少し頑張ったぁ」

「あんなの食べられない!!」

「えぇー頑張ったのにぃ!」

「あんな、あんな、可愛いつぶらな瞳が僕を見るんだぞ!? 食えるかぁ!! かわいいから腐らないように魔法かけてガラスのケースに入れて永久保存だこのやろー!!」

「え、可愛いのが好きなの? だったらすぐに作れるのに……」

「逆ぅ!! かわいいから食えなくて困ってんの!!」

「? 普通に林檎じゃん?」

「かわいい彫像はもう林檎じゃない!!」

「えぇー?」

『もういいです。勝手にいちゃついてればいいんです』

「誰がいちゃついてるんだ!!」

『うるさいんですっ』

「羽妖精!?」

『ぶちっとな』

「え、ちょっ!!」ぶつっ


 塔、最上階。

「え、えんじぇる様……こんな大変な失敗、誠に申し訳ないんです……」

「気にしたらあかんでぇ。羽妖精は気にしすぎや」

「でも……」

「大丈夫やって。最後に正義は勝つんや。なぁんも心配いらへんよぉ」

「えんじぇる様っ」ぎゅっ

「よしよしええこやなぁ~」なでなで

「あ、えんじぇる様、一つお耳に入れたいことがあるんです」

「どないしたー?」

「勇者が魔王側に……」

「なんやてぇ!?」

「正義であるはずの勇者が、どうしたらいいんです!?」

「……きっと、魔王に脅されてるに違いないわぁ。こっちに連れてこんといかんなぁ……」

「わかったんですっ。こんど、頑張って、勇者をこちらに連れてくるんですっ」

「そのイキやでぇ。落ち込んどるのは似合わんからなぁ」

「はいなんですっ」

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