魔王城裏話・其の一--え、二とかあるの?--ドアの開け方色々
『魔王城執務室。そこにはいろいろな人がやってくる……』
『ある日のことだ……』
ドガンッ!!
「マオちゃんいてる!?」
「ドアに優しくしてやれって何回も言ってるだろうが!!」
「あ、ごめ~ん♪」
「一体今度は何の厄介事持ってきやがったんだ、あぁん?」
「きゃっ、マオニャンこっわ~い♪」否定はしない
『またある日』
バンッ
「魔王、いるか!?」
「勇者ももうちょっとでいいからドアに優しくしてくんね? あいつよりもだいぶましだけどな?」
「あぁ、すまない」
「んで、今日はどうした?」
「いや、それがな……」
『またまたある日』
コンコン
「魔王いる?」ガチャ
「ノックしたんだったら返事聞いてから開けろよ! 意味ねぇだろスナイパー!!」
「あ、ごっめ~ん」
「で、なんだよ? 金ならかさねぇぞ?」
「そこまで貧乏じゃないわよ!」
「だったらなんだ? 給料上げろってか? そんな働いてないやつの給料なんてあげないからな」
「そ、それも違うわよ。そりゃあげてほしいけど……」
「だったら早く用件言いやがれ。俺だって忙しんだよ。ボケ!」
「あたしの扱い酷くない!?」
『またまたまたある日』
コンコン
「魔王様、紅茶の支度ができました! 入ってもよろしいでしょうか!?」
「おお、モーブか、いいぞ。……今日の紅茶はなんだ?」
ガチャっ
「はいっ、今日は南の方のスパイスの効いたお茶をご用意してみましたっ!! これで魔王様の疲れも取れたらいいと思いまして!!」
「気が利くな。ありがとう」
「え、あ、いやっ、そんな!! ……魔王様に褒められちまった嬉しすぎるぜぇぇぇいいいいい!!」
「……」
『……え、えー、ほ、他の日~』
……コンコン……
「魔王様、書類をお持ちいたしました」
「おお、ビィ、助かる」
「失礼いたします」
カチャリ
「そこ置いといてくれないか?」
「かしこまりました。……他にご入用なものはありますでしょうか? 無ければ失礼いたします」
「うー、今んとこねぇな。大丈夫だ。ありがとう」
「仕事ですから。失礼いたします……」
パタン……
「あいつ静かだな……」
『また他の日』
……
「まおう~」
「おわっ!! びっくりした!! お前いつからそこにいた!? ってか、ドア開けたか!? なんも音しなかったぞ!?」
「聞いてよぉ~(泣」
「お前も俺の話聞け?」
「うぐっ、えぐっ」
「わかった、聞いてやるから泣くな!!」
「あのねぇ……」
『ラスト』
「魔王!!」
ガっ、バキンっっっ!!
「……」
「あ……」
「……そのドアな? 俺から見て左の方に蝶番ってのがついててな? 俺から見て右の方にドアノブがついててな? そっちを押したり引いたりして開けんだよ。ここまではいいな?」
「……」
「いいな?」低めの声
「はい……」
「それでな、俺の思い違いじゃなかったらな? 間違っても上が床について開くようなドアじゃねぇんだよ。跳ね上げ橋みたいなの? あんなんじゃねぇんだよ」
「お、おっしゃる通りで……」
「じゃあ、だったら……今この状況はなんなんだろうな盗賊ぅ!?」
「ごめんなさいごめんなさい!! 今すぐ直しますっっっ!! ほんとごめんなさーーーいっっっっっ!!」
『この日を境に、盗賊のせいで魔王執務室のドアには、ヨロイサイ(普通のサイよりも倍以上硬い魔獣です。脚力も半端ないです)が突進しても壊れないほどの防御効果が追加されることになったのでした……あ、もちろん費用も魔力も盗賊もちで』
『結論。魔王執務室は警備が薄い。いや、魔王城そのものの警備が薄いのでしょうか? 勇者や盗賊などの、敵対パーティーもするする入ってきます』
「違うんだよ、警備が手薄なんじゃなくてさぁ、魔王様のご意向で顔パス状態なんだよねぇ~」
『あ、あなたは?』
「ん? あ、ああ、俺? 俺魔王城の騎士。モブCさんだよ」
『え、モブC? そんな話聞いてませんよ!? またいきなりの投入ですか!?』
「話自体は前からあったらしいんだけど、これ以上登場人物増やしてなるものかっ! って感じでスルーされてきたみたいだよ?」
『そ、そうですか……』
「そうなんだ。それで警備の方だけどね? 特に被害は出てないし、仲良くやってるみたいだからいいけどさ。でも勇者嫌いのうちの城の奴らがいやがってて、いつ衝突するかひやひやものだぜ。しかも盗賊が暴れてドア壊したろ? 貴族どもからあんな危険人物野放しにしてるなんてって、クレーム満載。でもって、それ騎士団に言ってくるんだぜ? 魔王様の命令なのにさぁ。ほんとやってらんないよねぇ。騎士なんて。はぁ、転職しようかなぁ……」
『結論、訂正。今回の話に関係ないはずのモブCさんはある意味強烈キャラでした。今回の話全部持ってかれそうです。……え? 持ってかれてる? すでに? ……今回の話はドアの話ですよ? 皆様お忘れなきように。以上。魔王城裏話でした。さよ~なら~』
「あ、また俺出てくることあったらよろしくな! そうそう出番ないと思うけど、そん時にちゃんと自己紹介するぜ」
『……出番ないと思いますけど、思いますけど! 覚えておきましょう……』
「んじゃ」
「『まったねぇ~』」




