どっか行こう
魔王執務室。
ドガッ!!
「魔王、どっか行こう!?」
「あのな、ドアもっと優しく開けね?」
「どっか行こうよ!! どっか遊びいこ!?」
「人の話聞こうか?」
「あーそーぼぉーよぉぉぉ!!」
「え? ね、ちょっと?」
「いーこーおーよぉぉぉぅ!?」
「え、おい、聞け聞け聞け」
「あそぼっあそぼ♪」
「よし、わかった。お前はなんも聞く気ないんだな? だったら俺にも考えがあるぞ? ……お前の話を聞くかボケェ」
「え!? なんでよなんでよ!?」
「人の話聞かねぇやつの話を聞く必要なし。おけ、終了」
「えーーーーーー」
「分かったな? 帰れ」
「えーーーーーー」
「ビィ呼んで排除させるぞあぁん?」
「勇者も! 勇者もいるから!! ……って、あれ? ゆーしゃー? 城来るまで一緒だったんだけど、今いないねっ?」
「お前なぁ、一体どこに置いてきたんだ? 今日は面倒な奴いるから“勇者”一人だと見つかったらヤバいぞ?」
「いっけね! 探してくる!!」
バダンッ!!
「だからドアには優しくして?」
『盗賊、絡まれている勇者を探し出し、相手を気絶させ、記憶を捏造し、魔王の下へ』
「かくかくしかじかで、のしてきたけど、おけ?」
「全然オーケーじゃねぇよ! お前なぁ!!」
「大丈夫! 絶対ばれない自信があるノン! だってあたし、情報操作は得意だからん!!」きらきらーん
「……魔王、こんなパーティーメンバーで済まない……」
「お前も大変だな……」
「ああ……」
「ちょっとちょっと!? ちみたち酷いんじゃない!?」
「「……」」
ちらっ
「「はぁ……」」
「こらー!?」
「んで、捏造した記憶って?」
「Gが怖くて気絶ぅ。なんか変だとしても、自分がそれを信じてるから、そんなこと恥ずかしくて、誰にも教えらんないでしょ? 大の大人、それも男が、G怖がって気絶とか!」
「それもそうだな……」
「……」
「それで、どっか行こうよ!!」
「いきなり話かえんのもやめような? ついていくこっちの身にもなれよ」
「本題に戻したんだからいいでしょうよ!?」
「それでもな……?」
「魔王、どっか遊びに行かないか?」
「お前も言うのか?」
「元々私が言い出したのを、魔王も誘おうといったのが盗賊だが?」
「そうよそうよ!」
「……行くか!!」
「なんであたしだとそんな乗り気じゃないのに、ユシャちゃんならそんなノリノリなのさ!?」
「だって勇者だかんな!!」
「酷いよ酷いよ!!」
「どこ行く勇者?」
「楽しいとこ行きたいな!」
「んじゃ、遊園地とかか?」
「お、いいなぁ!」
「さ、寂し……、盗賊さんのハートがブロークン」
「それ俺の持ちネタじゃね?」
「知らねーしー。……ほっとかれると死んじゃうぞ……ぐすん」
「お前はウサギか!!」
「……ちがうもーん」
「そうかよ。……じゃ、遊園地に行く、でいいか勇者?」
「そうだな。近くに海もあるとこが人間界の方にあるんだが、そっちに行かないか? 水族館もある大型テーマパークだそうだ」
「いいな! 今から行ったら、あんま遊べないから、明日行こうぜ? んで、午前中に遊んで、水族館でゆったりしてからの、また遊ぼうぜ!!」
「そうしよう! じゃあ、明日な? 魔王だとばれないよう変装して来いよ? 警備兵に見つかったらことだからな? まあ、心配するほど危険だとは思えないが」
「魔王様だかんなっ。でも、そしたら一緒にいる勇者に迷惑かかるからな、その辺はばっちりだぜ。ビィの方にばれないような魔法かけてもらうからな。前からそうしてたんだぜ? 実は」
「そうだったのか。じゃあ、安心だな」
『お二人とも、楽しそうですね』
「……いいもんいいもん、どーせどーせ、ぼくなんてぼくなんてさぁ~……」
盗賊、床にのの字を書き始める。
『わかりやすいほどのいじけ具合ですね』
『そうして当日』
「いい天気だな!」
「……そうだな」
「なんだ? 元気がないじゃないか?」
「もっと曇ってたらちょうどいいんだが、晴れまくってると逆になんかなぁ~」
「そ、そうか……」
『勇者&魔王、遊園地到着です。ええ、ええ。もちろん勇者私服です!! 紹介いたしましょう! いつもの男らしい騎士服を脱ぎ捨て、今纏っているのは女性らしいワンピース!! 水色のふんわりしたシルエットのかわいらしいやつです!! 帯剣はしておりません。完全に女の子女の子しています!! ……な、なんですとぉ!?』
「うるさいなナレーター!!」
『ゆうざ……勇者がかわいらしい服装を!?』
「一回噛んだよな? ナレーター一回噛んだよな!?」
『き、気のせいじゃないですか!? あ、ちなみに今は春よりも暖かいくらいです。勇者も薄手のワンピースです』
「スルーするな!! 痛いとこ突かれたからって!」
『し、失礼な!!』
「私がかわいい服着てたらだめなのか!?」
『いえ、そういうわけじゃないですけど』
「に、似合わないか……?」しょぼん
『え、あの、いや!?』
「いや、似合ってると思うぞ?」
「ほ、ホントか!?」
「おお、そういうのもいいんじゃないか? いつものもいいけどな」
「よかった……」
『ま、魔王がチャラ男に見えます』
「なんでだよ!!」
『なんか慣れてません!?』
「普通だろ!?」
『ってか、格好も……。はい、紹介します。魔王、今日の服装は、くしゅっとしたズボンに黒の英語のロゴ入りTシャツ。……え、ファンタジーに英語? とかいうツッコミは、良い子はしませんよね? えーっと、その上に、白のパーカー。他の人が着ればそこまでではないのでしょうが、魔王様はチャライです。思いっきりチャライです!!』
「え、何処が!? 普通のカッコしてきたのに!? ゆーしゃぁ!?」
「あー、いや、うん。チャライよな」
『ですよね? 私が変なわけじゃないですよね!?』
「えぇ、まじでぇ!?」
「魔王はチャライ」
『チャライです』
「そんなに!?」
『……今日はお二人だけなんですか? 盗賊とか、モーブは?』
「モーブは連れてくると面倒だからおいてきた」
「盗賊は、今日電話つながらなくてな」
『電話がつながらない?』
「電源を切っているか、電波の届かないところにいるらしい」
「何してんだあいつ?」
「さぁ?」
『またなんか怪しい薬でも作ってるんでしょうかねぇ?』
「「……はぁ」」
『ま、今回は私楽しめなさそうなので、出てきませんので、お二人で楽しく遊んでおいでなさいな』
「いきなりなんだ?」
『いいですからいいですから。盗賊さんも気にせずに』
「あ? そうか? だったら行ってくるわ。勇者行こうぜ! 俺ジェットコースターのりてぇ! はえぇやつ!!」
「あ、オイっ! お前は子供か? そんな走らないでくれないか!?」
「おい、はぐれんなよ? 探すの大変そうだからな? やだぜ?」
「さ、探してくれよ?」
「その前にはぐれんなってば。ああ、もう! ほら行くぞ!」
魔王、勇者の手を取って走り出す。
「待てって!!」
「ほら早く!」
『……いやぁ、青春ですねぇ』キラキラ
……
『それで? あなたはいつまでそこに隠れてるつもりですか? 盗賊?』
「あ、ばれてたのん?」
盗賊、キャスケットに銀髪隠し、水色の肩だしの、おしゃれな? 服。ホットパンツにグラディエーターサンダル。
『あ、そういえば、勇者、ワンピースにばっかり気がいってしまいましたが、サンダルは白のヒールでしたねぇ。……ヒール!?』
「ついでにバックも小さくてパステルカラーのかわいいやつだったよね……」
『……あの勇者が……』
「かわいくおしゃれしてるなんて……」
『なんですか? 魔王意識しちゃって女の子として扱ってもらいたい的なあれですか!?』
「ケッ! リア充が! 男女二人で遊園地デートですかっての!!」
『ハッ!! 確かに! デートですか、あれ!? デートですよね!?』
「僕だって、まざりたかった!! なんで置いてかれるのさ!!」
『なんであんたいなかったんです!? あんたがいたらあんなキラキラにはならなかったんですよ!?』
「昨日いじけて、何の連絡もなかったからふて寝してたらさ! いつの間にか携帯電池きれててさぁ!! 急いで復活させて見たら、勇者からなんかきてるじゃなぁい!? だから死ぬほど急いできたのに、もうあんなイチャイチャしちゃっててさぁ!! 僕はいる余地ないじゃなぁい!? なんなんだってのさぁぁぁ!! 勇者は僕のなんだからぁぁぁぁぁ!!!!」
『そこじゃねぇですよ!! ちょ、あんたがいたらちょうど男女比がいい感じになったのに!! デートじゃまったくなくなったのに!!』
「ちょっと、男女比がどうとかってなんなのよさ!! 私は一体どこに所属!?」
『あんたはどっちでもいいから真ん中くらいでしょうが! そしたら男一女一中間一でいい感じでしょう!?』
「その中間とかやめてよ!! オカマみたいじゃないのさ!!」
『あんた、オカマかオナベかもわかんねぇじゃねぇですかい!!』
「酷いよ酷いよ!! まったくもってまったくもって!!」
ぎゃーぎゃー!!
えー、どうも、説明文です。
ナレーターも役目を果たさなくなたので、説明文がその役目に代わりたいと思う。
盗賊、その後、勇者と魔王の後をつけ回し、ばれないようにちょっかいを出し続ける。
勇者、魔王、そのちょっかいに違和感を感じ、夕方、盗賊を捕獲。盗賊、正座でお説教を受ける。
ナレーター、ちょっかいを見ていて案を出したり、楽しんでみていたりということが発覚。盗賊と一緒に説教を受ける。
盗賊、「寂しかったのぉぉ!!」と号泣。勇者、魔王、多少良心の呵責。
魔王、勇者、盗賊、三人で夕食を食べに行く。七丁目のバイキングがおいしいらしい。
「説明ちゃん、ありがと。ここまでで大丈夫ん♪」
『助かりました』
「元々お前らが暴走しすぎで、キャラ無い説明文にも迷惑かけたんだぞ? 反省しろよ?」
「でもさー、おいてった君たちが悪いんじゃなーい」
「電話に出なかったのは誰だ? 電池きれてるのに気が付かなかったのは? ふて寝したのは誰だったっけな?」
「……ぷくー」ふくれる
つんつん
「ぷすっ、って何すんのさマオちゃん!!」
「ふくれられるとやりたくなる」
「酷いよ酷いよ!! まったくまったく!!」
「悪い悪い」
『えー、今回、本当にいろいろな方にご迷惑をおかけしましたことを、ここにお詫び申し上げます』
「ごめんなさい」
「あー、もういいよ」
「そうだな。置いてったのはさすがに悪かった」
「ユシャちゃぁぁん!!」ぐすん
「あとな、まったくデートじゃないからな? その辺ちゃんとわかっとけよ?」
「そ、そうだぞ!! わ、私と魔王がそ、そそそんなこと!!」
「なんでそこで慌てるんだ勇者!?」
「あーやーしーイー!!」
「ち、ちがっ!! これはだなぁ!!」
「うん、勇者ちゃんも夢見る乙女ってことだよネ♪」
「違う!! 断じて違う!!」
「慌てるとこもかーわいい♪」
「勇者……お前……」少し引いてみる
「魔王! お前までそんな変な目で見るな!!」
「……」
「黙るな!!」
「ぷくくっ、マオちゃんもわるよのぉ~」
「くくっ、盗賊サンほどじゃねぇ……って、これなに?」
「さ? 勇者いじりおもしろーい?」
「それはな♪」
「お、お前らぁぁぁ!!」
『と、まあ、こんな感じで終わりにしたいと思います。グダグダ申し訳ありません。……では』
「「「『さよーならーーーー』」」」




