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「ん…」
あれ…。
ここどこだっけ…?
回りを見渡し、ここが隼人さんの部屋だということを思い出す。
そうだ…。
隼人さんのマンションにお邪魔したんだった…。
「……あ。
おはよう、波瑠」
あたしが起きたことに気づいた隼人さんが声を掛けてくれた。
でも寝ている体勢のせいか、隼人さんの姿が見えない。
「おはようございます、隼人さ……っ!?」
起き上がって隼人さんの姿を確認すると、驚きすぎて一瞬息が止まった。
隼人さんはソファに座って本を読んでいたんだけど…。
「…どうした?」
「あっ…、いえ…。
隼人さんって眼鏡かけるんですね」
そう。
眼鏡をかけていたのだ。
出会ってから2ヶ月は経っているのに、眼鏡をかけているところを見るのは初めて。
しかも似合いすぎているところがいろいろヤバい。
「あぁ。
邪魔だから普段してないだけ。
家ではちょくちょくね」
そうか。
レアなんだ。
よし、隼人さんのこの眼鏡姿をちゃんとインプットしておこう。
「それより」
「……!!??」
眼鏡を置いた隼人さんの顔が、急に間近に迫ってきた。
え?あ、…えっ!?




