40/84
Another Story3
「それは、誰だって喜ばないよ…」
「え?俺は嬉しいけどなぁ…」
うん。
あなたはね。
「いい?
沙柚はね、サバサバしてるように見えるけど、実は可愛いものが大好きなの!
ぬいぐるみとか最強よ!」
あたしの言葉に、あっ!と声を出して納得したような竜二くん。
やっとわかって…
「そうか!
恐竜のぬいぐるみをあげればいいのか!」
……ませんでした。
「…わかった。
もういい。
竜二くん、一緒にプレゼント選ぼう」
「え?いいよ、俺一人で…」
「ダメ。
あたしが沙柚の悲しい顔を見ることになるから」
「……はい」
遠慮する竜二くんに、買い物に付き合うことを強要した。
そうして、買い物をする日にちと時間を決めて、その日は終わった。
あたし…何でこんなに偉そうに話せるんだろ。
疑問に思ったけど、きっとそれは、沙柚の彼氏で、彼がとても親しみやすい人柄だからだろうと、一人で納得して考えることを止めた。




