↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第9話:ザイロスとの決戦、そして平和な世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
85/230

第84章:賑わい

ザイロスを打ち倒してから数週間。

王都は静けさを取り戻し、街には再び人々の笑顔が戻っていた。魔物の脅威も去り、世界は一時の平和を謳歌していた。


そして学園も例外ではなく、いつもの喧騒と活気が戻っていた。


「レイ、今日の魔法理論の課題やってきた?」

セラが机の上に身を乗り出して問いかけてくる。


「……世界救った英雄に宿題を要求するか、普通」

眉をひそめるレイに、隣のドランがすかさず突っ込む。

「英雄でも学生なんだから当然だろ!課題ぐらいサボるな!」


「むしろ俺が課題を出す側に回ってもいいんじゃないか?」

「いやお前、生徒だから!」

「俺が教師になったら授業のレベル、地獄みたいに上がるぞ」

「それ絶対にいやだわ!」


周りの生徒たちが笑い出し、教室は柔らかな空気に包まれた。


そんな中、ミナは楽しそうに二人のやり取りを眺めていた。

「ふふっ……でも、こういう会話ができること自体、幸せだと思わない?」


セラが一瞬きょとんとしてから頷き、レイは気恥ずかしそうに頬をかいた。

戦いに明け暮れていた日々を思えば、この何気ない学園生活がどれほど貴重か、胸に染み渡るように感じていた。


――放課後。


学園の中庭で、ヴァルゼリオが木陰に腰を下ろしていた。

かつては魔王と呼ばれた存在が、今は制服姿で芝生に寝転がっている。


「……魔王やってた頃は、こんな景色に何の意味も感じなかったんだがな。

 人間の学園って、意外と心地いい」


「暇だからってサボるなよ、元魔王」

レイがそう声をかけると、ヴァルゼリオは愉快そうに笑った。


「ははっ、心配するな。授業は出る……たまにな」

「信用ならねぇな」

「安心しろ、俺が出る授業は大抵荒れる」

「それ全然安心できないからな」


軽口を交わす二人を、ミナやセラが微笑みながら見守っていた。


やがて、夕暮れが学園を染める。赤く照らされた校舎を見上げながら、レイはふと立ち止まった。

――静かで、穏やかで、温かい。

そんな日常が再び訪れたことに、心から安堵している自分がいる。


けれど、胸の奥には微かなざわめきも残っていた。

戦いの中で培った本能が告げる。

「この平和は永遠じゃない」と。


それでも――。


「……まあいいさ。今は、この時間を楽しんでおくか」


仲間たちと共に笑い合いながら、レイは今を大切に刻もうとするのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。