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ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第5話:魔王城に突撃

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第48章:魔王との戦い

魔王城の最上階。崩れ落ちそうな玉座の間に、冷たい空気が渦巻いていた。

 魔法陣の中心に立つ魔王は、幼い姿でありながら、瞳に宿る威圧感は紛れもなくかつて世界を震撼させた存在のものだった。


「……小さな身体になったか。だが、我は魔王。力まで小さくなったわけではない」


 低く響く声が場を震わせる。

 その言葉に反応して、セラやミナ、そして仲間たちが武器を構えかけた。しかしレイは片手を上げ、彼らを制した。


「下がってくれ。こいつは俺がやる」


 仲間たちは驚きつつも頷く。セラが心配そうに声をかける。

「レイ、本当に一人で……?」

「大丈夫だ。これは俺と魔王の戦いだ」


 そう言ってレイは一歩前に出る。その瞬間、魔王が笑った。

「ふはは! よかろう。我を前に臆せず立つか……久方ぶりの戦いに、血が騒ぐ」


 次の瞬間、床が砕け、雷鳴のような衝撃が走った。魔王の拳が振るわれ、レイはそれを寸前で避ける。だが余波だけで石壁が粉々に砕け散った。


「……やっぱりただの子供じゃないな」

「当然だ。我は魔王。肉体がどうであれ、魂と力は揺るがぬ!」


 レイはすぐさま反撃に出る。炎と氷を掛け合わせた双魔法を放ち、魔王に斬りかかる。しかし魔王は掌一つでその魔法を霧散させると、逆に闇の矢を数十本も生み出した。


「くっ……!」


 レイは全身を駆使し、その全てを紙一重で避ける。ひとつでも当たれば命を落としかねない。仲間たちは息を呑んで見守るしかなかった。


 やがて二人の攻防は速度を増し、炎、氷、雷、闇……数えきれない魔法が玉座の間を照らす。爆風が吹き荒れ、瓦礫が飛び散る。だが、レイも魔王も一歩も引かない。


 やがて──。

 最後の衝突が訪れた。


「これで終わりだああああッ!」

「ふははッ、面白い!」


 レイの全属性を融合させた一撃と、魔王の闇の極致が正面から激突する。光と闇がぶつかり合い、凄まじい爆音が響いた。


 ……やがて。

 爆煙が晴れると、そこには互いに武器を突き合わせ、肩で息をする二人の姿があった。


 勝敗は──つかなかった。


「同点……か」

 レイが苦笑する。

「フフ……人間ごときにここまでやられるとはな。実に愉快だ」


 魔王は獰猛に笑い、そして予想外の言葉を口にした。

「気に入ったぞ、レイ。我はお前の仲間となろう」


「……は?」

 その場にいた全員が固まった。セラもミナも、信じられないという顔をしている。


 ザイロスでさえ目を見開き、声を上げた。

「な、なにを言っているのですか! 魔王が人間の仲間に……ありえぬ!」


 しかし魔王は悠然と告げる。

「我は強き者を好む。レイ、お前は世界を壊さぬと約束するならば、我はお前の剣となろう」


 レイはしばし沈黙した。だが、静かに頷く。

「いいだろう。ただし──この世界を壊すことだけは絶対に許さない」


「ふはは! 承知した!」


 その瞬間、仲間たちは一斉に声を上げた。

「まさか……魔王が仲間に……」

「信じられない……!」


 しかしレイの瞳は真剣だった。彼がそう決めたなら、それが最善なのだろう。仲間たちはやがて納得し、受け入れるしかなかった。


 こうして、かつての大敵は奇妙な形で仲間となった。

 ザイロスは怒りと混乱の中で姿を消し、戦いは一時終結を迎える。


 そして──。

 一行は瓦礫と煙に包まれた魔王城を後にし、故郷の街へと帰還することを決めた。


 戦いは終わった。だが、物語はまだ終わらない。

 新たな仲間と共に、レイたちの冒険はさらに広がっていくのだった。


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