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ノヴァリアの魔導師〜転生したら全属性使いだった〜  作者: にゃふ
第20話:東方辺境都市編

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224/224

第223章:境界剣技

ゴォォォォォッ―――!!


 黒い霧が吹き荒れる。


 第零層全体が震える。


 ◆


 最上位観測者。


 その姿は定まらない。


 人にも見える。


 獣にも見える。


 闇そのものにも見える。


 ◆


 見ているだけで頭が痛くなる。


 存在そのものが異常。


 ◆


 だが。


 今のレイは違った。


 ◆


 未来の自分から受け継いだ記憶。


 戦い方。


 経験。


 ◆


 そして。


 守りたいもの。


 ◆


 レイは静かに剣を構える。


 蒼黒の光が刃を包む。


 ◆


「みんな」


 レイが言う。


 ◆


「少しだけ時間をくれ」


 ◆


 ミナが笑う。


「その台詞聞くの何回目だと思ってる」


 ◆


「今回は信じる」


 セラも頷く。


 ◆


 アイリスが小さく言う。


「……負けないで」


 ◆


 レイは前を向く。


 ◆


 観測者が動く。


 空間が歪む。


 黒い槍が無数に生まれる。


 ◆


 数百。


 いや数千。


 ◆


 全方位攻撃。


 ◆


 普通なら避けられない。


 ◆


 だが。


 レイは目を閉じた。


 ◆


 未来の記憶。


 未来の感覚。


 ◆


 そして。


 ゆっくり息を吸う。


 ◆


「――境界剣技」


 ◆


 剣が光る。


 ◆


「第一式」


 ◆


「《蒼界閃》」


 ◆


 ザァァァァァン!!


 ◆


 一振り。


 それだけだった。


 ◆


 だが。


 空間に巨大な蒼い線が走る。


 ◆


 数千の槍。


 全てが同時に消滅。


 ◆


 ミナが目を見開く。


「嘘でしょ……」


 ◆


 未来のレイが使っていた技。


 その一つ。


 ◆


 観測者が初めて反応する。


 ◆


 ギギギギギ……


 不気味な音。


 ◆


 そして。


 空間が裂けた。


 ◆


 中から巨大な腕。


 黒い怪物。


 ◆


 第零層の壁が砕ける。


 ◆


「来る!」


 カレンが叫ぶ。


 ◆


 だがレイは動かない。


 ◆


 静かに剣を握る。


 ◆


「第二式」


 ◆


 蒼黒の光が広がる。


 ◆


「《境界断絶》」


 ◆


 剣を振る。


 ◆


 次の瞬間。


 怪物の腕が空中で止まる。


 ◆


 そして。


 スパッ――


 ◆


 綺麗に切断された。


 ◆


 ガルドが絶句する。


「何だ今の……」


 ◆


 だが。


 観測者はまだ止まらない。


 ◆


 むしろ。


 さらに巨大な魔力が集まる。


 ◆


 ドクン。


 ドクン。


 ◆


 第零層の中心。


 扉の向こう。


 ◆


 何かが目覚める。


 ◆


 その瞬間。


 未来の記憶が反応する。


 ◆


 レイの顔色が変わる。


 ◆


「まずい……」


 ◆


 ミナが振り向く。


「何?」


 ◆


 レイは震える声で言った。


 ◆


「こいつ……」


 ◆


「本体じゃない」


 ◆


 全員の背筋が凍る。


 ◆


 観測者は。


 ただの分身。


 ◆


 そして。


 扉の向こうには――


 未来のレイですら封じきれなかった、


 真の災厄が眠っていた。

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