正体と正体
「あれは、誰」
「通販部の上田じゃないか」
「ああ、本当だ」
□
緊急で、連絡が入った。
今、神山は襲撃犯グループのメンバーと一緒に、会社で張り込みをしている。
何故ってチームにいる以上、断れなくなってしまったからだ。
会社の金庫の地下室に近づいたものがいたらしい、という張り込みチームへの報告だった。
連絡を受けるために、"通信室b"と名札が付けられた部屋に入る。
部屋には、神山と赤井と、あとは他数名、倉庫部の本条も居た。
もう一つの通信室aにも、資材管理部の日比谷がいた。
「もしかして、上田は、金庫のお金を狙ってるのかな」
「多分、そう」
すると、急に通信室aの音声がonになった。
「あれは、倉庫部の本条だ。今から現場に向かう」
ええええ!
通信室bのメンバーは、思わず顔を見合わせる。
倉庫部の本条なら、今通信室bで一緒にいる。で、当の本人もびっくりして、こちらを見てきた。
「とりあえず、ここにいて防犯カメラをみていよう」
冷静な赤井の声に、はっとして、一同は、通信室bのモニターを見つめた。
□
「秘書課の瀬戸とは、俺のことだ」
「お前が...?」
「ずっと、瀬戸として、会社に貢献してきたがこれまでだ。俺は、独立する」
「何だって!?」
何が何やら。
通信室bのメンバーは、ふむふむ言いながら聞いていた。
わかってないのは、俺だけかと神山は思った。
「しょうがないですね」
神山は、本条にすら呆れられてしまった。
□
秘書課の瀬戸か。
秘書課については、社内で秘密になっていた。
確か、初代の担当者が黒木で、次に役員メンバーが勤めて。
人手が足りないからと、一時期、神山担当したこともあった。
その時、瀬戸なんとかという別の名刺を渡された。
通販部の上田が言っているのは、そのことじゃないだろうか。
□
そうこう考えているうちに、上田が案の定、金庫の金を持ち逃げした。
慌てて通販部にいたメンバーが部屋を飛び出すた。
神山は、留守番頼まれてその場で待機することになった。




