鍛冶屋がアツイ???
「兄ちゃんな、せやから、ワシと一緒に鍛冶屋やらんか? 今、鍛冶屋アツイで! 人気職やで!」
桜舞う京都の町を探索していた僕にそう声をかけてきたのは、『虎徹』と言う名前の赤ら顔のおっちゃんだった。できれば、女性に声をかけられたかった。
丁度、そろそろ何の職業につこうかと、悩んでいるところだったが。
『怪しすぎるだろ』
『本当に人気職?』
僕のリスナー達はみんな怪しんでいる。
「今、何人ぐらいいますか?」
探りを入れるつもりで、聞いてみた。
「ほんま、ようけおるよ! はよせな、とられるで! ほな、はよ、いこ!いこ!」
そう言って、着いてこいと手招きをする。
『なんか、ヤバイ勧誘を受けてる感じがする』
『やめとけ』
『ヤバイって』
止めるリスナーを横目に、僕は着いて行く。
「リアルでは、これ言ったらヤバイけど。自分、刀に興味あるやろ? 名前がもう、そーやん?」
確かに僕の名前は『則宗』名刀『菊一文字則宗』からきている。
『確かに、リアルでこんな話してたら、ヤベーやつ』
『おっちゃんも、明らかに名刀の名前』
『ところで、場所どこ?』
『なんか、山の方向かってるけど?大丈夫?』
結構歩いて、山を少し登った所に鍛冶屋はあった。
「ここや、ここや! 実際は、刀屋はあって、鍛冶屋はなかったようやけど。まあ、そこは、な、鍛冶屋あったら、アツイしな!」
そう言って、おっちゃんは山小屋の奥に入って行く。
『そこは、ゲームだから』
『確かに、鍛冶屋あったほうがいいのか?』
『刀屋があればいい気もするけど』
奥の竈の前に仁王立ちしているNPCの筋肉ムキムキおじいさんがいる。
どうやら、彼に話しかけで、ジョブをもらうらしい。
僕はこの町で刀鍛冶になった。
「よし、ワシの事は師匠と呼んでや」
おっちゃんは、急に先輩ヅラどころか、師匠ヅラしてきた。今更ながら、嫌な予感がしつつも、僕のストーリーは始まった。




