ベビーピンクの空に
『3月末なのに、その日は季節はずれの大雪だった。天が時代の変革を促してしるかのようだった』
真っ白な道を、吹雪の中歩む蟻のような列が、ふと、止まる。
列の半ばには、黒塗りの立派な籠がある。その前に人がはだかる。着物の懐から、何かを差し出そうとする男。
その刹那、乾いた銃声がパンとどこからか、聞こえ、列の武士達は、刀を構えようと、防水の為、袋に包まれた刀を出そうとするが、その前に何処からか来ていた鴉のように黒い武士達に斬られて、多くが倒れてしまっていた。
刀を構えるひまもなく、白い雪の上に倒れた武士達、道の雪が真っ赤に染まる。
『桜田門外の変』
そこから、画面いっぱいに舞う雪が、桜に変わり、画面が切り替わる。
❄︎❄︎❄︎ ❄︎❄︎❄︎ ❄︎❄︎❄︎
雑踏の中、ベビーピンクの桜が舞い踊る。
目の前を駆け抜けた馬車が、落ちた花びらをまた舞い上がらせた。
今、目の前に広がるのは、京都の古い街並み。行き交う人々は、皆和服か洋装の人もちらほら歩いている。
俺は、狭いアパートから、この世界へ転送された。
キャラクリに時間がかかってしまった。もう皆、職についているだろか。
「おい! お前ペリーが何でここにいるんだ?ペリーなら船にずっといろ!」
そうがなっているのは、織田信長という名前のやつだ。
「アナタに言われたくないデス! この時代に織田信長、生きてないヨ」
そう怒鳴り返したのは、ペリー。
早速道端で繰り広げられる光景に、頭を抱えた。時代もなにも、すでにメチャクチャだ。
「まあ、まあ、落ち着いてクダサイ」
そう言って間に入るのは、ザビエル。
俺のリスナー達が、『お前もおかしよ、ザビエル!』とツッコむ。
まあ、メチャクチャだか、それがこのロールプレイゲームの面白さでもあるだろうから、俺は、ただ関わらないように、横を素通りして行く。
マップを見て、目的の場所を探す。
探しているのは、会津藩の就職窓口だ。
俺の名前は、『黒田 シメオン』戦国時代の軍師から名前をとった。彼がもし、幕府軍であれば、歴史は変わったかという思いもあったからだ。




