第47首
第47首お届けできました。
第47首
いつの日も
そこにたたずむ
男の子
悲しき顔した
呪縛の霊
短歌解説
私の知り合いの女性のEさんから聞いた話です。
Eさんは子供の頃は霊感があって、普段の生活の中でも霊が良く見えていたそうです。大人になるにつれて、その能力は段々弱まっていったそうですが、今でもたまに見えるときはあるそうです。
そのEさんが小5の時、登校の途中に、自販機の側に5,6歳くらいの男の子がたたずんでいるのに気がついたそうです。そして、その男の子が生きている人間ではなくて、幽霊だとすぐに分かったそうです。うつむき加減のその子は、とても悲しそうな表情をしていたそうです。
Eさんは、その子を気付いていないふりをして通り過ぎたんだそうです。その男の子の霊が怖いとかじゃなくて、関わってはいけないと漠然と思ったんだそうです。
学校から帰るときには、その男の子の霊はいなかったそうですが、代わりに朝は気付かなかったそうなのですが、自販機の直ぐ近くの塀の下に、小さな花束が置いてあったのだそうです。
でも、翌朝Eさんがそこを通りかかると、またあの男の子がいたそうです。そして帰るときには消えている。
そういうことが何日か続いたある日、その日の朝も男の子がたたずんでいたそうですが、ふとした瞬間に、Eさんはその子と目が合ってしまったそうです。そうしたら、悲しい表情をしていた男の子が、「僕が見えるの」と明るい笑顔でEさんに話しかけてきたそうです。でもEさんはそれを無視して、あくまでも見えていないふりをして通り過ぎようとしたそうです。そうしたら、背後から、「ぼく、お家かえりたい」という声が聞こえてきたそうです。
その日以来、Eさんは通学路を変えたそうです。
「見えるからといって、除霊ができるわけじゃないでしょ。それに、まだ小学生だった私には、霊を祓うことや成仏させてあげるという発想もなかったから。今思うとあの子にはかわいそうなことをしたと思うけど、仕方がなかったんだよね」
Eさんはそう言っていました。
残り53本
その男の子の霊が成仏できていますように。(合掌)




