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47/56

第47首

第47首お届けできました。

第47首


いつの日も

そこにたたずむ

男の子

悲しき顔した

呪縛の霊


短歌解説

 私の知り合いの女性のEさんから聞いた話です。

Eさんは子供の頃は霊感があって、普段の生活の中でも霊が良く見えていたそうです。大人になるにつれて、その能力は段々弱まっていったそうですが、今でもたまに見えるときはあるそうです。

 そのEさんが小5の時、登校の途中に、自販機の側に5,6歳くらいの男の子がたたずんでいるのに気がついたそうです。そして、その男の子が生きている人間ではなくて、幽霊だとすぐに分かったそうです。うつむき加減のその子は、とても悲しそうな表情をしていたそうです。

 Eさんは、その子を気付いていないふりをして通り過ぎたんだそうです。その男の子の霊が怖いとかじゃなくて、関わってはいけないと漠然と思ったんだそうです。

 学校から帰るときには、その男の子の霊はいなかったそうですが、代わりに朝は気付かなかったそうなのですが、自販機の直ぐ近くの塀の下に、小さな花束が置いてあったのだそうです。

 でも、翌朝Eさんがそこを通りかかると、またあの男の子がいたそうです。そして帰るときには消えている。

 そういうことが何日か続いたある日、その日の朝も男の子がたたずんでいたそうですが、ふとした瞬間に、Eさんはその子と目が合ってしまったそうです。そうしたら、悲しい表情をしていた男の子が、「僕が見えるの」と明るい笑顔でEさんに話しかけてきたそうです。でもEさんはそれを無視して、あくまでも見えていないふりをして通り過ぎようとしたそうです。そうしたら、背後から、「ぼく、お家かえりたい」という声が聞こえてきたそうです。

 その日以来、Eさんは通学路を変えたそうです。

「見えるからといって、除霊ができるわけじゃないでしょ。それに、まだ小学生だった私には、霊を祓うことや成仏させてあげるという発想もなかったから。今思うとあの子にはかわいそうなことをしたと思うけど、仕方がなかったんだよね」

 Eさんはそう言っていました。


残り53本


その男の子の霊が成仏できていますように。(合掌)

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