第35首
第35首お届けできました。
第35首
縁側で
楽しく話した
女の子
どこの誰かも
知らないけれど
短歌解説
私の実話です。小学校1年生の時の思い出です。
私の実家のすぐ隣に、親戚の家があり、その家には広い縁側がありました。私の両親は共働きだったので、学校から帰るとその親戚の家で親が帰ってくるまで過ごしていました。縁側に腰掛けて、外の景色を眺めているのが好きでした。特に雨の日は、雨音を聞きながら、ぼんやりと過ごすのが好きでした。
いつの頃からか、雨の日には、私の横に私と同じ歳ぐらいの女の子が座っていました。その女の子と、縁側から見える山の向こうには何があるのかを想像して会話するのを楽しんでいました。
でも、私が7歳になったときから、その女の子は来なくなりました。どうしたんだろう? と思いながらも、そのまま過ごしていました。
小学2年生になったとき、私は親戚の婆ちゃんに、あの子のことを尋ねてみました。
あの子はどこの誰で、なぜ急に来なくなったのかを。
すると婆ちゃんは困ったような顔をして、そんな女の子は一度も目にしたことはないこと。縁側に一人で座っている私が、まるで誰かが私の横にいるかのように話していたことを教えてくれました。
婆ちゃんには、あの子は見えていなかったのです。
縁側で私の隣に座っていたあの女の子はいったい何者だったのでしょう?
残り65本
今となっては良い思い出です。真実を知っても怖くないし。




