第10首
第10首お届けできました。
第10首
だんだんと
見え始めてる
おばあさん
顔が見えたら
話してみよう
短歌解説
私が間接的に関わった実話です。
同学部で同じサークルにいたUさんという女の子の話です。Uさんは沖縄からやってきた子で、小さいときから霊が見えることがあったと言っていました。
Sちゃんのアパートも含めて、H荘の近辺では怪異現象が多発していましたが、Uさんの住んでいるアパートはH荘からずいぶん離れた場所にありました。
ある日、サークルの時にUさんがボソッと、「3日連続で金縛りにあってて疲れる」と言いました。
それを聞いた友人が、
「金縛りって、何か見えたりするの?」
と、訊きました。
「うん、一昨日は脚の部分が見えた。うちの枕元に正座していた。絣の着物を着てた」
「怖かったでしょう? 悲鳴上げた?」
Uさんは首を横に振りました。
「昨日は腰のちょっと上の付近まで見えた。そして今日は胸の付近まで見えた。顔はまだ見えなかったけど、おそらく背格好からしておばあさんだと思う」
「えぇ! ちょっとずつ見えてくるって、ちょーヤバいじゃん。Uちゃんお祓いかなんかしてもらったほうが良いんじゃない」
「明日は顔も見えるだろうから、そしたら訊いてみるつもりだよ。なぜ、うちのところに出てきたのか」
そう言ってUさんは笑顔を作りました。
Uさんがおばあさんの霊と話が出来たのかどうかは、その後の顛末を訊いていないので分かりませんが、第4首に出てたR先輩とは違って、その後も元気に登校していたので、悪い霊ではなかったのだと思います。
それにしても、霊が見えても動じないとは、もしかするとUさんはユタの家系だったのですかね。
残り90本
Uさんは常に落ち着いた話し方で、はしゃぐことがなかったですね。




