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銀月の詩集  作者: 薄雪草
12/14

黎明の川岸に


地平線しかない湿地の果てにいた


見たことのない景色

どこかには

対岸の見えない川岸があるという


鳥も飛ばない

魚もいない


荒野をさまよう頼りなさは

未来の見えない時と似ている



さっきから

同じところを歩いている気がする


どこか

新しい景色が見たい


誰か?

誰かいませんか


こだますら聞こえない


太陽が白い空を

時間をかけて動いていく


これは地球の自転から来ているけれど

空が移り変わるように感じる


そして夕日が西に落ちていく

夜になっていく




宇宙を映す夜空の上に

天の川に星が満ちてきたら

それは音のない

静寂の世界


枯れ草を踏みしだいて

道のない道を行く


ひとりにひとつ、星があるんだよ

そんなおとぎ話を語った人の

優しい手を思い出す


迷ったときには

星が導いてくれるという

占星術の世界では

星の位置と運命はリンクする



自分の星を探してみる


見つかりはしないと

知っていたのに




風が吹き始めた


夜明け前の冷気が

熱を冷ましていく



黎明の風が

知らない遠くに誘う


今日も旅人になる

明日も旅人になる


いつかどこかに導かれると信じて



はるか先に、川岸が見えてきたら

凪いだ水面はきっと

黎明の空の色を映している








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