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~ハルの旦那様~
すると、歩いて10分程で町に出た。意外と森の家と町が近かったことに驚きである。
「それにしても私、なんで突然森に行こうと思ったのかしら...」
たしかに、用もないのに、パンを持って町から森へと行く意味がないように感じた。
キミも、それについてどことなく疑問に思っていた。何か用があって森に行くならまだしも、どうやら、ハルは、何の目的もなく森へ向かったらしい。
「まぁ、私の家は町の中では森に近い方なんだけれどね。」
町へと出てから、5分程でハルの家についた。またあのバターのいい香りが漂ってくる。
「バターの、香り...」
「あぁ、私の家はパン屋なの。」
「それであんなに美味しいパンを持ってたんだね。」
「まぁ、ね。アイツの焼くパンは、世界一なのよ。」
照れくさそうにハルははにかんだ。
「旦那さんのこと、本当に好きなのね。」
「な、何言ってるのよ!アイツが私を好きなのよ!」
「ハルも俺のこと好きだろ?」
「誰が...って、アッシュ!!!」
「ははは、痛い痛いっての」
アッシュ、と呼ばれた男性は、ハルにポカポカと叩かれている。
「あ、キミ、これが私の、だ、旦那...。アッシュ...。」
「あれ、お客さん?ども、嫁がお世話になってますー。旦那のアッシュですー。」




