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トライカー編12 現地法令確認

ぱら。

帰りに購入した、この新しい世界の歴史書と、国内の法律簡単まとめブック、アジア─オーストラリア区域防衛機構頭文字からAADAの解説本、区役所でもらった人口統計資料をちゃぶ台に広げる、広げたものをページをめくる。

ぱしゃ、ぱしゃ。

特に重要な箇所はスマートフォンのアロエで撮影する。

「ふーーむ。ほーりつは守んないと大変ですからなー。あむ。」

駅前で売っていたクレープを頬張って、ガルデニアも法律簡単まとめブックに目を通す。

この地球で見つけた目標のためには、まず「あなた」の知る地球とは別の歴史を歩んだこの地球について識る事が重要だ。


A、「ひと握りの砂で、広い川を堰き止めようと、しているからね。」

川の流れと源流、下流の、海へ辿り着く箇所を知り、堰き止めて溢れ出る水の逃し場も考えないといけない。ならば歴史と法律、社会の構成を知識にする必要がある。


A、─「そのためにちゃんとした方法でパイロットにならなきゃなんですなー。」

頷く。正規の軍人としてパイロットになるには数年ほどの訓練が必要なはずだ。例え次元騎士としてUltraSuperGiganticを駆る能力と経験があったとしても、この地球で実証しなければ意味がない。リピニィエーラが迎えに来る11月14日までに決着するためには、全球大会で優勝しトライカーのコマンダーとしての優秀さと、身体能力の高さを証明して直接防衛機構にスカウトされる、売り込むしか、無い。


「撮影した箇所の解析と要約が完了しました。主な「あなた」の現代地球との相違点は、幸拓 結実子が熱量移動を行なってから始まっています。まずは─。」

スマートフォンの姿のアロエが話す。

幸拓 結実子。

某国の侵略戦争に端を発する熱量算出兵器の複数使用、それによる破滅的な熱量を、発生するはずのジュール、放射線全てに指向性を与え、自身とペットの雀の魂、意識記憶人格を天の川銀河中心天体いて座Aスターに移動させた。

「おー、しつちょーは人気者ですなー。」

そして姉たちと共に、アーメフォーニの群れに喰われる街から逃げ出し、行き倒れて死の淵にあったガルデニアを保護し、対惑星文明兵器として改造した。

「─と、言った所です。」

アロエが要約を終える。

幸拓 結実子が異星文明の放った観測機、─水素結晶を量子コンピュータの観測機に使用し、観測技術と応用工学の程度が低い文明にはただの恒星間天体として扱われるように偽装した、実際3I/ATLASと命名された─の本星との通信に利用するハブを借用したため、急遽調査に来た船団と、その到着時には既に幸拓 結実子の開発した技術を解析、応用を始めた地球人類との間に、衝突が起きた。

国土の大半を焼かれ、防護服無しでは立ち入る事が出来なくなった本邦、多の国家共に海洋、陸土の定義が見直され、それに沿って新たな経済圏、防衛機構が形作られた。

停戦は行われたものの、異星文明(統一した呼称)の正確な規模は不明なため、現在地球全体を四つに分けた防衛機構は新たにロミネンシアの自律演算知能プログラミングを行うコマンダー、直接騎乗するパイロットの一部をトライカー全球大会により選定する事になった。

自由に破壊し合わせて、新戦術と理解を持った個体を選別する。

それは兵役と言う義務では無く、純粋な欲求、己の優秀さを誇示する、復讐として自発的に行わせる。

興行とする事で、人民の暴力性をコントロールする。

他害に発展させないように。

既に水素結晶を量子コンピュータ化して高速演算が可能とされているものの、依然として通信制限下、戦闘時での応用反応速度は人間の脳の方がコンパクトであり、消費カロリーが少ない。

また、当初は脳を摘出しユニット化する方式も試験採用されたが、総合的な自己メンテナンス機能、維持コスト、擱座時の陸戦能力の面から人体のまま、での運用が制式採用と標準化がなされた。

「ふーむ、のーみそだけで動かしてたらこの惑星の生き物ぜんぶ殺してましたな。」

ガルデニアの言う事も理解できる、が人間が祖先に持つ魚類には、雄を同化させ、生殖のためだけのユニットとする種もいるのだ、最適と判断されていたなら、そうなっていただろう。

「そーゆーお魚さんもいるのですなー?」

ガルデニアが目を輝かせた。

「ナインもわたしの身体に取り込んだら、ほいほい他の女にちょっかいかけることも無くなりますなー。」

ガルデニアに押し倒される。

ぴんぽーん。

「入るぜー。」

がちゃ。

「うお、ガルデニア真っ昼間から何やってんだ!」

どさ。

マチコが落とした袋から、たこ焼きが飛び出した。

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